883【湧いて出た討伐依頼】
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今話は、少し短めです。
アロンソによるグリフォン襲撃の報に、ギルド内は騒然となる。
オレは、アロンソのそばに寄る。
「仲間は?」
「大丈夫だ。商隊は襲撃を受けた際に、すぐさま町に戻ることにした。オレだけ急いで報告に来たんだ」
「被害を出さないためだな」
「ああ」
ひとりの受付嬢が階段を上がっていく。ギルマスに知らせるためだろう。
ギルマスが降りてきて、アロンソを問い質す。
そのあいだに、オレは索敵さんで、それらしいグリフォンを見つけ、状態を鑑定しておく。
アロンソからの報告を受けたギルマスは、ギルド内の冒険者たちに向き、声を上げた。
「C級以上に緊急討伐依頼だ! 相手は、街道に現れたグリフォン二頭! 生死は問わない! 確実に討伐してくれ!」
「しかし、ギルマス!」とひとりの冒険者。「相手は空飛ぶ魔獣だ! オレたちの中で、討伐したことのあるヤツがいるのか?」
「以前」と別のひとりが口を開いた。「間近で、矢を射掛けたことがあるが、はじき返された! 仲間が火魔法を放ったが、軽々と避けられてしまった!」
「それに」とまた別の冒険者。「地上に降ろさない限り、剣も使えない! どうすりゃいいんだよ!」
冒険者のほとんどは、腰が引けている。相手がグリフォンでは、攻撃方法が限られる。それが彼らの腰を重くしているのだ。
「だが」とギルマス。「討伐せねば、街道がとおれず、周辺の村や町への物資供給が滞る。意味はわかるよな?」
「いや、わかりますよ。でも、地上に降ろさないと、どうにもならないってのは、ギルマスもわかりますよね?」
そう言われたギルマスは、黙ってしまう。
そんな中、手を挙げたのは、オレだ。
「オレが落としますよ」
「サブ?」とアロンソが驚く。
「おまえは?」
「C級冒険者パーティーのサブです。B級冒険者です」
「どうやって、落とす?」
「弓矢で」
「さっきのヤツの話を聞いていなかったのか?」
「聞いてました。特殊な弓矢なので、当たれば落ちます。これを見たら、信じてもらえます?」
オレはマジックポーチからグリフォンを出した。音を立てて床に倒れるグリフォンの遺体。とはいえ、アイテムボックス内は時間経過がないので、死後硬直もしていない。
ギルド内が一瞬にして静まった。
五秒ほどして、反応できたのは、ギルマス。ハッと我に返り、何度か首を振ると、グリフォンの遺体をしっかりと見て、それからオレを見た。
「おまえが倒したのか」
疑問形というよりも、驚きの声のようだ。
「そうだ。矢は、ここに刺さった。それで墜落。それを仲間がここを斬った」
「事切れたばかりみたいに見える」
「時間経過なしのマジックバッグだからな」
「なるほど」
すげぇ、とオレのそばにいたアロンソがこぼす。
ブルッと震えたかと思ったら、口を開いた。開いたままだったけど。
「オレたちを襲撃したヤツは、もう少し小さかった」
「そうか。まだ若い個体なんだろうな」
「そうなのか?」
「おそらくな」
ギルマスが口を開いた。
「おまえがやれるのか?」
「オレは、落とし役だ。仕留め役がいる。本当は仲間を呼べばいいんだが、ここから呼び出すのは時間が掛かる。仕留め役だけでなく、オレを守ってくれる役も必要だ」
「ここの全員で大丈夫か?」
十二、三人ってところか。過剰な気もするが、良しとしよう。彼らの力量もわからないのだから。
この場で、編成してしまう。
そのあいだに、ギルマスが馬車の手配を行なう。
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