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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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882/896

882【来年の約束?】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、少し短めです。

 翌日。

 マーサさんの腹薬店を訪れた。

「おはようございます」

「おはよう。苦水かい?」

「はい」

 カウンターにふたつの壺を置く。

「確認するよ」

「どうぞ」

 昨日と同じように、棒を苦水で湿らせ、舌の上に。

 同じように、もうひとつの壺も確認する。

「うん。昨日のとあまり変わらないね。約束のお金だ」と、カウンターに銀貨を置くマーサさん。

「どうも」と受け取るオレ。

「次は、来年かい?」

「その予定です」

「わかった。待ってるよ」

 お別れを言って、店をあとにした。


 ***


 ついでに、冒険者ギルドに寄ってみる。

 ちなみに、服装は冒険者の格好だ。

 商人の格好だと、視線が痛いからな。


 ギルドに足を踏み入れると、ほどよい喧騒に迎えられた。

 魔獣襲来などの緊急時の緊張感ではない。依頼を奪い合うそれでもない。

 食事処は埋まっていて、ワイワイと軽口を叩いている。

 おそらく、依頼を終えての雑談だろう。


 オレは、掲示板をチェックする。常設依頼のほかには、護衛依頼がいくつかある程度。

 特にないな、と思いながら、踵を返す。

 入り口へと向かうと、灰色狼獣人に道をふさがれた。

「おっと、すまん」と彼。

「こちらこそ」

 お互いにとおり過ぎようとしたとき、オレは彼の装備に見覚えがあった。別に特別な装備ではない。しかし……

「あれ?」「アロンソ?」

 お互いに、相手を認識した。

 笑顔になる。

「やっぱり、サブか」

「アロンソ、久しぶり」

 ハグされたので、ハグし返す。胸板が厚くて、腕がまわし切れない。

 お互いに離れた。

「どうだった、なんでも市は?」

「楽しめたけど、最後の方は、雨になってな」

「そりゃ、残念」

「そうでもない。君たちの拠点のおかげで、それなりに楽しめたよ」

「よかった」

「おかげで、女王陛下との面識ができてしまったけどな」

「何! 陛下だと!?」

 オレは口の前で、人差し指を立てた。

 慌てて両手で口をふさぐアロンソ。

「まぁ、陛下にこちらから持参した布が売れたんで、よかったがな」

「そうか」

 ここが冒険者ギルドなんだと思い出したオレは、問う。

「用事はいいのか? 話ならそのあとでもいいんだが」

 へっ、という顔をしたアロンソだが、すぐに用事を思い出したようで。

「そうだった」と慌てて、カウンターに駆け寄るアロンソ。「街道にグリフォンの(つがい)が現れた! 気が立っている! オレたちも攻撃された!」

 彼の大声とその内容に、ギルド内は静まり返る。誰もが、アロンソの報告に耳を立てる。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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