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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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879/895

879【結晶の価値は】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、少し短めです。

「わかりました。価値としては、女王陛下に献上してもおかしくない品質です。これをこちらで買い取るとしますと、銀貨九枚。もう少し大きければ、金貨一枚となります」

 提示額にオレは驚いた。

「そんなに?」

「はい。貴族のお方に顔が利くのであれば、そちらの方が買取額は高くなるかと思いますが」

「さすがにそれは」と苦笑いして見せるオレ。ツテはあるにはあるが、面倒だ。

「では、こちらで買い取りをご希望で?」

「こちらも一緒にお願いします」

 オレは、マジックポーチから、あとふたつの結晶を布の上に置く。

「大きさも質も申し分ありませんね。三つもあるならば、まとめて金貨三枚。今後ともお取り引きをお願いできるのであれば、という思いを込めた額となります」

 あぁ、なるほど。これからもこの結晶が手に入るのであれば、少し買取額を上げても利益は得られると判断したんだな。

 オレは考え込んだ。

 ここで売るのは構わない。だが、今後のことを考えると、さまざまな不安が頭をもたげる。

「何か?」

「失礼。私は冒険者もしておりまして、護衛任務やらでの移動も多く、旅先での換金物として考えていたのです。こちらに来たのも、今後の換金での価値を知っておきたかったのがあるんです」

「あぁ、なるほど。兼業される方は珍しいですが、そういうお話であれば、理解できます。では、こちらの買取額は、銀貨二十七枚ということでいかがでございますか?」

「お願いします。それと」とひとつの壺を出す。「こちらの鑑定もお願いできますか?」

「なんでしょう?」

「岩塩から出てきた苦味成分です。味見されるなら、苦味が強いので、ご注意を」

 彼女は壺と結晶を見ると、口を開いた。

「まさか、分離されたので?」

「そういう人物を知りましてね。こちらの壺の中身は、どうやら薬師に売れるのではと相談を受けたのです」

「薬師に?」

「薬の調合に使えるのではないかと」

「そういうことですか……お時間はございますか?」

「はい」

「詳しい者を連れてまいります。失礼」

 彼女は、そう言って、出ていった。


 五分ほど経ってから、彼女は男性とともに戻ってきた。

「お待たせいたしました。こちらはクストーと申しまして、この町の薬師たちと長年の付き合いがございまして、それなりの薬学知識を持っております」

「クストーと申します。よろしくどうぞ」

「鉄級のサブと申します。こちらこそよろしくお願いします」

「それで?」

「こちらの壺に岩塩から出てきた液体があります。それを鑑定して欲しいのです。ちなみに、舐めるととても苦味があります」

「岩塩から、なるほど。味見しても?」

「どうぞ」

 彼は上着のポケットから、スプーンを取り出した。

 そのスプーンを壺に入れ、少しかき混ぜると、ひと匙分をすくい、その色を見て、それから口に含んだ。

 次の瞬間、顔をすごく歪めたかと思うと、ハンカチを出して、口の中の液体を吐き出した。

「失礼。確かに苦いですね。私が知っているものによく似ています。あちらは、結晶でしたが。塩辛さがありました」

「おそらく同じものです。塩分が薄いので、そうなります」

「塩分が薄い? なるほど、それならばわかります。しかし、ここまでのものは初めてでして」

「それで薬師は、これを使って、薬を作れますか?」

「同じものならば。ですが、さすがに薬師様でないと判断できませんねぇ」と困り顔。

「判断できる薬師様は、いらっしゃいませんか? そちらの方をご紹介いただくとか」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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