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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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878/895

878【結晶の鑑定】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、少し短めです。

 小一時間が経った。

 もちろん、途中途中で、塩の結晶の具合を確認していた。

 順調に成長し、二センチほどの結晶になっていた。きれいな立方体ではなく、小さな立方体が集まったという感じのものだ。

 とりあえず、魔導具を止め、結晶をガラス瓶から取り出し、溶液を鑑定してみる。

「おお、一割の半分くらいの濃度になってる」

「残りの液体はどうすんのさ」

「とりあえず、オレがしまっとく。あとで町の薬師に見てもらって、売れるなら売る」

「薬師って、薬になるの?」

「胃腸薬や下剤になるらしい。ほかにもいくつかあるみたいだけどな」

「ふぅん」

「でも、知識の書からのものだから、売れるかはわからない」

「まぁ、見せてみれば、わかるでしょ」


 そのあと、もうひとつ、魔導塩析機を作って、塩の結晶作りをした。

「作って、売れなかったら、笑っちゃうな」とダルトンがちゃちゃを入れる。

「そのときは、自家消費するさ。岩塩よりも使い勝手がいいからな」

「なるほど。なら自家消費用も確保しておけばいいんじゃないの?」

「それも含めて、明日、商業ギルドで、値段を聞いてくるよ。そうじゃないと、適正価格で取り引きできないからね」

「それもそうか」

 明日の準備をして、就寝した。


 ***


 翌日、

 お茶休憩を終えると、オレは町へと向かった。


 商業ギルドに立ち入る。

 すぐにスタッフが近付いてきた。

「おはようございます。本日はどのようなご要件でございますか?」

 商人らしい格好なので、嫌な顔ひとつしない。たまにいるんだ。冒険者姿を見かけると、眉をひそめ、態度が露骨に変わるスタッフが。

 それはともかく。

「旅の途中で、手に入れたものがありましてね。それがどのくらいの価値か、判断に困っていまして。ご相談させていただきたいのですが」

「どういったものでございますでしょうか?」

「塩です」

「かしこまりました。こちらへどうぞ」

 案内されたのは、商談コーナー。デパートにある占いコーナーみたいなスペースだ。

 そこにあるイスを勧められ、座って待つ。

 二分ほどで、対面の席にドワーフ女性が現れた。

「おはようございます。エルザと申します」

「おはようございます。鉄級のサブと言います」

「塩を鑑定して欲しいとか」

「はい。ものはこちらです」

 布に包んだものを取り出し、テーブルに置くと、布を開いて見せる。

「ん?」とよく見ようと、塩に顔を近付ける。「これは岩塩?」

「どこかに土や砂が付いていますか?」

「いえ、ありませんね。どうやら塩の結晶のようです。少し削り取っても?」

「どうぞ」

 彼女は、ウエストポーチから小型ナイフを取り出し、塩の結晶の一部を削り取った。それを布の端に置き、小型ナイフの柄で潰す。粉になった。

 彼女は、その粉を指先に付け、口に入れた。目をつぶる。

「雑味や苦味がありませんね。とても良い塩です」目を開け、こちらを見た。「どちらでこれを?」

「入手先はご勘弁を」

「ということは、今後も入手されるのですね?」

「まぁ、これの価値次第ですが」と笑む。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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