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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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875/893

875【塩の結晶が大きくなったのは】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、ふつうの長さです。

「どうしたんす?」とハルキ。

 みんなは、オレとは別行動していて、夕方に帰ってきた。

 それなのに、オレがうんうん唸っているものだから、首を傾げていた。

 オレの前の卓には、ガラス瓶。塩の結晶を作ったあとの残りの液がまだ入っている。

「お帰り」

「何を唸っていたんす?」

「いやさ、塩の結晶を作ってたんだけど、短時間で予想以上の大きさになってな」

「そんな実験、してたんすか」

「まぁね」

「懐かしいですね」とエイジ。「オレはミョウバンでやりましたよ」

「そんな経験者に質問なんだけど、小一時間で、目標の大きさになるもの?」

「小一時間じゃ、できないと思いますよ」

「だよな。知識の書でも数日掛かるってなってたからな」

 オレは腕を組んで、悩む。


「手順は、どんな風に?」とキヨミが聞いてきた。

 そこで説明していく。


「あぁ、岩塩の精製をしようと思ったんですね」

「そう」

「その際に、塩の結晶が予想より、早く大きくなったと」

「そう。変なところ、ないよねぇ」

「はい」キヨミがガラス瓶を見る。「鑑定」

 なんで鑑定するんだろう?

「あぁ、サブさん、魔法使ってますよ」

「ええ? 魔法なんて使っていないよ」

「見てください」とガラス瓶を指すキヨミ。

 仕方ないので、鑑定した。

 “魔法による塩分析出あとの溶液”と出た。

「ありゃ。なんで? だいたい、何魔法?」と頭がこんがらがる。

 見かねて、マナミが口を開く。

「何か、願い事とかした?」

「ん? 願い事?」

「何か思い描いたとか」

「思い描く……あぁ、そういえば、早く大きくなるんだよって大きくなったところを想像はしたけど」

 それを聞いていた全員がそれぞれのやり方で呆れた。

「えっ、なんでその反応?」

 マナミが教えてくれた。

「魔法を使うとき、イメージすることが大事だって教えてくれたのは、サブさんでしょ?」

「うん、そうだね」

「あれ? 気付いてない?」とダルトン。

「何を?」

「早く大きくなるようにイメージして、魔力流したんじゃないの?」

「魔力流したつもりはなかったんだけど?」

「自然に流れてたら?」

「ええぇ?」

「ならさ、もう一度、やってみ。今度は魔力流しながらね。ほれほれ」と促してくるダルトン。

 オレは仕方なく、準備をはじめた。


 さっきと同じように、岩塩を飽和状態にしたお湯を濾過して、ガラス瓶に入れた。

 核となる塩の結晶も用意した。

「それじゃ、やるよ」

「しっかりイメージしろよ」

「はいはい」

 イメージはもう固まっている。

 結晶をぶら下げた串を持ち、ゆっくりとお湯の中に降ろしていく。

 しっかりとしたイメージとともに魔力を流す。塩が核に集まり、結晶になるようにと。

 するとなんと、核を中心とした結晶がどんどんと大きくなっていく。


 一センチ角になったところで、引き上げた。もちろん、魔力も止めて。

「できた」

「ホントにできちゃったよ」

「サブさん」とエイジ。「ガラス瓶の中身、鑑定できますか? 塩分濃度がどうなっているか。オレの鑑定だとわからないんで」

「お、おう。鑑定……だいたい半分近くになったみたいだな。ということは、まだまだ大きくできるってことか」

「たぶん」

「よし、やってみよう」

 結晶を再度、飽和液に漬けて、イメージとともに魔力を流す。さらに磁石をイメージして、吸着速度を増そうとする。


 溶かした岩塩と同じくらいの大きさになったので、魔力を止めて、引き上げた。

「鑑定……残り一割くらいしかない」

「さすがにすべての塩分は、無理でしたか。でも、理屈はほかの魔法と同じですね。操作系魔法ってことですね」

「そうなるな。名付けるとすると、塩魔法?」

「なんだよ、その名付け」とダルトンが失笑する。

「センスないもんで」と苦笑いしてみせる。

 それにみんなが笑った。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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― 新着の感想 ―
 無意識に魔力を垂れ流して周囲に影響を与えるとか危険すぎるな、オムツでも履かせとくか。
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