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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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859/863

859【貴族家の理由】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、少し短めです。

 バスルームを侍女に見せた結果。

「狭いですが、必要最低限は満たされております」

 それで、ご令嬢と侍女が入ることになった。

 その補助には、なんとウーちゃんが名乗りを上げた。

「相手はお貴族様だよ?」と問うオレに対して。

「心配はいらぬ。用具の使い方を教えねば、どんな入り方をするかわからぬからのぉ」とその役を譲ろうとはしない。

 なので、侍女には“多少ガサツかもしれませんが”と断りを入れた。

 そうやって、バスルームに入った三人。


 三人がお風呂しているあいだに、騎士殿と話す。もちろん、遮音結界して。

「我々がお嬢様を護衛しているのは、見てのとおりだ。旅の経験が少ない我らは、恥ずかしながら、旅費の見積もりを誤ってしまった。他家に援助を請うのも外聞が悪いと、お嬢様が判断されてな。それで余計な出費をなくし、旅を続けておるのだ」

「それで宿泊も宿屋ではなく、広場を」

 うなずく騎士殿。

「この町で、お嬢様の宝飾品を売れば、あとの旅費はなんとかなるのではと、お嬢様が案をお出しになられた」

「どこまで行くご予定なのですか?」

「ゴウヨーク国との国境近くだ」

 あら。

「失礼ですが、いずれかの騎士団団長様のお嬢様、なのですか?」

 疑いの眼差しの騎士殿。

「実は、ゴウヨーク国への出兵をされた方々とは、それなりの顔見知りといいますか、しばらくご一緒していた経緯がございまして」

「すべての騎士団団長の名前を言えるか」

 オレは、ひとりひとりの名を挙げた。

「本当の話のようだな。いや、すまぬ。ここまで、信じられぬ対応をされてきたのだ。そなたを全面的には信じられなんだ」

「謝罪は不要です。そのくらいの警戒心はあった方がいい。なるほど。ならば、これも何かの縁です。多少の手を尽くしてみましょう」

「何から何まで、すまぬな」

「いえ」

 それから騎士殿は、苦渋の顔で、尋ねてきた。

「それで、団長方は、ご無事なのか」

「はい。名前を上げた方々は、ケガなどもございません。お別れしてから体調を崩されていなければ、ですが。」

「そうか」とホッとしている。


 ***


 ご令嬢と侍女は、さっぱりとしてお風呂から出てきた。服ですら、清潔になっていた。ウーちゃんがクリアを掛けたらしい。


 彼らの夕食は、彼らのテントにマジックバッグに入れて運んだ。

「時間経過なしのマジックバッグだから、温かいまま食べられるでしょう。みなさんの分が入っていますから、交代で食べるといいでしょう」

「かたじけない」とご令嬢。

「いえ。では、ごゆっくり」

 それでテントから出る。

 騎士殿も出てきた。

「あなた方も風呂に入るべきだな。交代で入ってくれ」

「いや、我らは――」

「そんな汚れた格好で、ご令嬢を守る騎士と言えるのですか?」

 そう言われて、唇を噛む騎士殿。それから言った。

「ご厚意に感謝する」

「ああ。そうだ。食器類は洗わなくて結構ですので」

 それでテントを離れる。

 オレたちのテント前に行くと、みんなが食事を前に、オレを待っていた。

「遅くなったな。いただこう」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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