856【ふたりに関する雑談】
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今話は、少し短めです。
翌日から、ふたりは走り込みをはじめた。聞くと、何かしていないと、余計なことを考えてしまうとか。
まぁ、やりたいようにやらせておこう。
***
町に到着した。ここで補給するためだ。泊まりはしない。
馬車を冒険者ギルドの前で停車し、ウーちゃんとラーナには残ってもらい、残りでギルドに入る。
それぞれですでに役割を決めてある。
補給組はカウンターで店の場所を尋ね、周辺調査組は掲示板をチェックしてからカウンターでの確認を行なう。
オレとダルトンは、食事処のカウンターでエールを頼み、ギルド内のようすをチェックする。
受付嬢から店の場所を聞いた補給組が出ていく。
エイジたちが掲示板を見ている。
時間帯的に、ギルド内は空いている。オレたち以外には、もう一組のパーティーがテーブル席で食事をしているくらいだ。
エイジたちがこちらに来た。
「オークの討伐依頼があります。場所は街道なので、もしかしたら、すでに討伐したやつらかもしれません」
「なら、確認して、オークを売却しよう」
「はい」
エイジとハルキがカウンターに向かう。
オークは町に入る前に、マジックバッグに入れておいた。
ケイナは残って、ふたりがカウンターに行くのを見送る。
「オーク以外の討伐依頼はなかった。あとは常設だけだ」
「そうか。すでに受注して、採取とかしに行ったのかもな、ここの連中は」
「おそらく。……あのふたり、少し落ち着いたようだ」とカウンターのエイジとハルキを見るケイナ。
「オレの言葉が効いたかな?」
「放任主義とも言うけどな」と笑うダルトン。
「それでも」とケイナ。「あのままだったら、パーティーの内部崩壊もあり得た」
「まぁな」
オレはため息をついた。
「なんのため息よ?」
「彼らの恋愛関係を考えてのため息だよ」
「恋愛?」
「オスのサガ。恋愛と肉欲を混同しやすいからな、あの歳は」
「あぁ、そういう話か」
「だが」とケイナ。「エイジは理性的だし、ハルキにはキヨミがいるだろう?」
「それを否定はしない。だが、男だ。それも若い男だ。ちょっとした誘惑で、衝動的に走り出す可能性もあるんだ」
「それが?」
「ほかの女に行くって話。あるいは性欲をコントロールできずに、無理矢理してしまうこともある」
眉間にシワを寄せるケイナ。
「“レイプ”か」
「そこまでじゃなくても、お互いに知識も知らない初めては、キツいはずだ」
「なるほど」
「ケイナは、前世で経験は?」
「ある。あまりいい経験ではなかった」
「そうか。思い出させてすまん」
「いや、いい。こちらでいい男を探すさ」
その言葉を軽い口調で言うケイナに、ありがたく思いながら笑った。
***
その町を出発した。
討伐したオークは、討伐依頼のあったオークと判断された。
もちろん、しばらくは警戒を続けるのだろうが。本当に同じオークなのかが判明したわけではないからだ。十中八九そうだとしても。
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