850【グリフォン討伐その十六】
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今話は、ふつうの長さです。
長に向き直る。
「長。敵、縄張り、奪う、したいか?」
「もちろん」と即答。
「オレたち、敵、縄張り、奪う、手伝う、どうか?」
長の目が鋭さを増す。もしかしたら、眉間にシワが寄っているかもしれない。羽根でわからないけど。
「なぜ」
「敵、縄張り、行く、大変。長たち、敵、縄張り、奪う、大変。力、合わせる、敵、縄張り、奪う、楽」
「そうだ。オレたち、考えていた。おまえたち、敵、闘わせる。あとから、オレたち、闘う。それ、楽。いいのか?」
「ダメ。敵、数、いくつ?」
「三十、いる」
「強い、いるか?」
「敵、長だけ。十、少し、強い。残り、ザコ」
「連携、するか?」
「少し、強い、十、連携、する」
「ザコ、どんな、動き?」
「突っ込む、だけ」
敵戦力の把握が、しっかりとできているな。
「長たち、数、長、入れて、二十八か?」
うなずく長。それから続けた。
「連携、全員、する」
こちらの意図も把握したか。
「ザコ、片付ける、闘い、楽か?」
「ザコ、邪魔。いない、闘い、集中、できる。楽、違う。だが、勝てる」
「ザコ、引き付ける、できるか?」
「できる」
「わかった。ともに、闘い、するか?」
「する」
オレは、ヘッジちゃんバリアに手を伸ばし、スイッチを切る。
長は、自由になったことに気付き、翼を伸ばした。
そこから、長と計画を話し合った。もちろん、みんなにも意見をもらって。
計画が決まれば、とりあえず解散する。
オレたちは、夕食。
グリフォンたちは、そこらにいるボアをついばんで、腹を満たしていた。
***
翌朝。
オレたちは、朝食を食べ、お茶休憩を取る。
それから装備の点検をして、身に着ける。
顔を見合わせ、うなずき合う。
それから、そばで待機していた長に向く。
「長、待たせた」
「行くか?」
「行く」
「今、敵、油断。勝つ」
長の声からは、“必ず勝つ”という意志が見えた。
待機組に向く。
「ダルトン、頼むぞ」
「わかってるって。そっちこそ、しくじるなよ」
「ほぉい」出撃組に向く。「行くぞ。配置に付け!」
おう、と答えて、それぞれの位置に付く。
「出撃!」
グリフォンたちが飛び立つ。敵の縄張りに向けて。
十分もせずに、敵の縄張りに入った。
地上でこちらを見つけたグリフォンが警告の叫び声を上げる。
すると、手前から順にグリフォンたちが上昇してきた。その数がどんどんと増えていく。
敵がおおよそ揃ったところで、長の鋭い鳴き声が響いた。
それを聞いた先頭集団が、敵に向かって突進していく。
それを見て、敵も先頭集団へと突進してくる。
もうすぐ接敵、というところを先頭集団がひょいと避ける。
それを追う突進してきた敵グリフォンたち。
だが、突然、敵グリフォンの一頭が悲鳴をあげたかと思うと、飛べなくなって落ちていった。
それに気付く間もなく、次々に悲鳴とともに落ちていく。
中には、持ちこたえるグリフォンもいたが、かろうじて飛んでいる状態だった。
もちろん、オレたちが射掛けたのだ。開戦直前までグリフォンたちに運んでもらい、そこからは隠遁とともに浮遊して、進む。
敵に見えない状態での接近なので、警戒されるのは先頭集団のみ。
先頭集団が接敵直前に回避して、それを追うグリフォンたちに射掛け、落としていく。
十二頭が落ちた。留まっているグリフォンは五頭。戦闘継続が難しい状態だ。
その五頭も次々に落ちていく。
これで敵は三十頭から十三頭に減った。
オレは隠遁を解き、長のところへ。
「減った。闘い、有利。オレたち、離れる」
「助かる」
その返事を聞くと、オレは高度を落とす。
まわりから、出撃組が姿を現し、集まってきた。
「落としたヤツを討伐するぞ」
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