846【グリフォン討伐その十二】
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今話は、少し短めです。
目覚めて、おはようの挨拶をしていると、みんなの目が一点を見ていた。
オレもそちらに目をやると、一頭のデカいグリフォンが絡まったボア二匹をついばんでいた。
こちらを気にするようすもない。食事に集中している感じだ。
とりあえず、結界は張ったまま、朝食を摂ることに。
お茶休憩になっても、グリフォンはボアをついばんでいた。
「あれ、放っとくの?」とダルトン。
「別に大丈夫だろ。食事の邪魔をしなければ」
「それもそっか」
お茶休憩を終え、野営をしまう。念のための結界も切る。
グリフォンがこちらを見た。
口を開け、何かを言ってる。
オレは、異世界言語を切り替える。
「……って、言葉、違う、わからない?」
「オレたち、用事か?」
「言葉、わかるか?」
「少し」
すると、そのグリフォンはこちらに向き直り、そこに腰を下ろした。
「人間、珍しい。なぜ、いる?」
「ここ、通る。巣、帰る」
「巣、帰る、大変。グリフォン、たくさん」
「知ってる」
「闘う、するか?」
「したくない。でも、来る、闘う」
グリフォンがうなずく。
「おまえたち、強いか?」
「強い、はず」
グリフォンの目が笑った。
「身のほど、知る、大切。おまえたち、巣、方向は?」
オレは、左腕を上げ、コースの先を示す。
グリフォンがその方向を向く。厳しい眼差し。こちらを向く。
「どこまで、行くか?」
「この先、森、ある。そこ、抜ける」
「森、ある、そこ、抜けるか。歩く、なら、そこ、森、抜ける。人間、道、ある」
「歩かない。空、飛ぶ」
オレは、浮遊の魔導具を装備して、浮かんでみせた。
かなり首を傾げるグリフォン。驚いているようだ。
「馬、浮くか?」
「浮く」
「ふむ。見せる、ダメか」
「なぜか?」
「我、縄張り、護衛、する」
「護衛?」
小さくうなずくグリフォン。
「群れ、仲間、傷付ける、困る」
「おまえ、群れ、長か?」
またうなずく。
「今、群れ、傷付く、困る。敵、闘う、負ける」
「敵、群れ、闘う?」
うなずく。
「すぐ、違う。用意、必要」
なるほど。オレたちと闘って、自分たちが傷付くと、縄張りを奪い合うグリフォンたちとの戦闘に負けるも同然なのか。
肩をツンツンされた。
振り返ると、ダルトンがいた。
「長いね?」
「彼は、群れの長で、オレたちを縄張りの外まで護衛してくれるんだそうだ」
首を傾げるダルトン。
「オレたちと闘って仲間が傷付くと、縄張り争いをしているグリフォンたちとの闘いに負けるってことらしい。だから、護衛してくれるって」
「縄張り争いかぁ。そりゃ、長にとっては大事だね。いんじゃない」
オレは、グリフォンに向き直り、頼むことにした。
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