844【グリフォン討伐その十】
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今話は、少し短めです。
翌日。
朝食を食べると、お茶休憩もそこそこに、その場を出発した。
ウーちゃんに大きくなってもらい、そこにみんなが浮遊して乗る。オレはラキエルに乗り、先頭を行く。
何度か、一頭だけのグリフォンによる接近はあったが、襲撃にはいたらなかった。
みな、ウーちゃんの威容に、驚いていたようだった。
夕方前に野営を張り、夕食を食べ、お茶休憩していると、索敵さんがまわりからの反応を捉えた。
「一応、警戒してくれ。ボアがまわりに集まってきている」
みんなが一斉にあたりを見回す。
次々に発見の報。
「かなりの数ですね」とエイジ。「どうします?」
「小さいのを除いて、七匹だな。討伐しなくても結界を張れば済む。うまくすれば、共喰いしてくれるかも」
「共喰いするんすか?」とハルキ。
「ああ。お互いに絡み付いての闘いだとか、頭からパクリとかみたいだな。あっ、これはあっちの世界の話な。たぶん、そんなに変わらんだろう」
「結界、張ります?」とキヨミ。
「面倒だから、そうするか?」
メノウを使ったグリフォンの方法も考えたけど、時間も手間も掛かるから却下だ。
「討伐は」とハルキ。「ダメなんすか?」
「いや。だが、ひとりでの戦闘は避けるんだぞ。少なくともふたりで組んでやってくれ」
ハルキがエイジを見る。
エイジが“仕方ないなぁ”というように苦笑して、うなずいた。
ふたりが走り出す。
「ハルキは」とダルトン。「まだアレなのかな?」
「アレ?」
「ほら、前に自分が強くないみたいに思ってたじゃん」
「ん? あぁ、召喚の魔法陣の影響で、付与された力がそんなになかったって話か」
「それ。単に身体を動かしたいってのもありそうだけどさ」
ふたりの闘いを見る。相手は集まった中で一番の大物。ふたりが連携して、翻弄しながら、一太刀一太刀入れている。
「だとしても、エイジに相談するだろう。目に余るようなら、聞いてみるが」
「まぁ、そうだね。おっ、倒せたね」
ズドンッとボアが倒れた。だが、身体はまだまだドタバタと暴れている。
それをどうしようかと、迷っているふたり。
「おおい。さっさとアイテムボックスにしまえよぉ」
オレのその言葉で回収するエイジ。
ハルキはそれを見届けると、次のボアへと向かった。エイジがあとを追い掛ける。
「まさか、全部やるつもりかなぁ」
「そうかもねぇ」
反対側で音がした。どうやら、ほかのボア同士の闘いがはじまったようだ。それもふた組。
「全部には、ならないみたいだな」
「でも、やるかもよ?」
「やるかもねぇ」
「止めないの?」
「本人たち次第だな」
「ふぅん」
最終的に、ふたりはふた組のボアの闘いを見て、戦闘意欲を削がれたらしい。
剣を鞘に収めて、戻ってきた。
ほかのボアたちは、とりあえず様子見するようだ。
就寝前に、不寝番を決め、結界を張っておく。
どうやら、いくつかのボアが共喰いをしたらしく、索敵さんの反応する数が減っていた。
そういえば、このコース上で、襲ってきたのはグリフォンとボアだけだったな。
索敵さんで調べてみると、魔獣の存在はある。しかし、岩肌があらわになった場所にはいなかった。何かを避けているのだろうか。
おそらく、グリフォンとボアに襲われてしまうのだろうな。
オレの番になり、不寝番を交代する。ともに不寝番をするのは、ケイナだ。
まわりのボアは、また数を減らしていた。共喰いしたのだろう。
それに結界を張っているから、入ってこれないし、腹が減っているならば、そばにいる仲間を食べるしかないのだ。
腹が満たされれば、安全な場所へと移動するはずだ。朝になって、グリフォンに見つかれば、朝飯にされてしまうのだから。
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