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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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841/898

841【グリフォン討伐その七】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、少し短めです。

 お昼近く。

 オレたちは、まだ旅立てないでいた。

 原因は、子どもグリフォンだ。

 方針が決まらない。

 そこへ索敵さんの警報。

「迎撃態勢!」

 全員がコンパウンドボウを四方八方へと向ける。

「数は、一! ゆっくりとこちらに向かってきている!」

 オレたちのようすに、タンブラーも反応する。

『何を警戒しているのだ?』

『グリフォンが一頭、接近している』

 タンブラーがまわりを確認する。そして、その方角に顔を向けて止まる。

『ほぉ、あれが見えるのか。主は凄いな』

『見えるのか? いや、愚問だったな。あれは、仲間か?』

『少し待て……あの飛び方は特徴がある。確かに仲間だ。我を見つけた』

 そのとき、そのグリフォンがひと鳴きしたのが聞こえた。

『返事してもいいか?』

『なんて?』

『危険ない、と』

『わかった』

 タンブラーがひと鳴きふた鳴きした。

 向こうからも少し長めのひと鳴き。

 タンブラーがもうひと鳴き。

『それで?』

『ここへ降りてくる。心配いらない。我の番いだ』

 奥さん!?

 まぁ、いいや。

「迎撃の必要はない! タンブラーの番いだ!」

 みんなが、コンパウンドボウの狙いを、そのグリフォンから外す。だが、いつでも射れる態勢だ。


 ゆっくりと旋回しながら、降りてきたグリフォン。降りたのは、タンブラーを挟んだ向こう側。

 タンブラーと鳴き交わしている。

 異世界言語でわかる。

 本当に大丈夫なのか、と。

 そうして、タンブラーから話を聞き、オレの従魔になったことを告げると、飛び跳ねそうに驚いて、目をパチクリしている。

 番いのグリフォンから、思わぬ言葉が出てきた。

「最速のグリフォンのあなたが?」と。

 最速か。確かに、あの接近の仕方は速かった。

「結界は張っていた。突っ込んで、あの馬を捕まえて帰るつもりだった。しかし、主に右肩をやられ、落ちた」

「結界を張ってるのに?」

「そうだ。だから、負けを認めた。従魔となり、名前もらった」

「ネームドに?」

「いや。名付けで強くなれるわけではなかった。主もそう言っていた。それでも強者には従わねばならん」

「わかった」

 番いのグリフォンが、タンブラーの陰から出てきた。そして、オレに向かってその場に伏せた。

「主、我ら、あなた方、手、出さない」

「話、わかった。伏せる、いらない」

 番いが伏せから、少し頭を上げる。

「話はついた。コンパウンドボウをしまってくれ」とみんなに指示。

 すぐにしまうみんな。

 それでようやく番いはきちんと座った。

 その横に、タンブラーが座る。

 オレもその前に座った。

『タンブラー、さっきの話だが、あの子どもを引き取れないか?』

 オレは、ダルトンの陰に隠れて、こちらを見ている子どものグリフォンを指差す。

『ダメ』

 番いが子どもを見て、タンブラーに問いはじめた。早口なので、興奮していることがわかる。

 タンブラーがうんざり顔になっている。

 それから番いとの話し合いをする。

 タンブラーでは埒が明かないと判断したのか、オレに向く番い。

「主、子ども、引き取る、できる」

「本当?」

「我、子ども、大丈夫。我、育てる」

 タンブラーを見ると、うなだれていた。

『タンブラー?』

『主、番い、こうなるとテコでも動かない』

『おまえは?』

『引き取る。それしかない』とため息を吐くタンブラー。

『ありがとう、タンブラー』

『いい。だが』と顔を上げる。『我が巣は、少し離れている。どうやって、連れていくか。それが悩みだ』

『あの子ども、飛べないのか?』

『無理。まだ飛べる羽根に、生え替わっていない。歩きだと、途中で、ほかの魔獣に襲われる』

『わかった』


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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