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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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840/899

840【グリフォン討伐その六】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、ふつうの長さです。

 問題は、名前だ。オレにネーミングセンスがないってことだ。

 “転がる者”という意味で、“タンブラー”にするか。

「おまえ、名前、タンブラー」

「タンブラー」と復唱するグリフォン。

 納得したらしく、繋がりが得られる。

『どうだ? これで自由に話せるぞ?』

『わかった……主、すまぬが』

『なんだ?』

『起こしてもらえぬか?』

『自分で起きれないのか?』

『こうなると、死ぬまで、このままだ』

 手間が掛かる従魔だなぁ。

 オレは、グリフォンの身体を鑑定した。

 すでに名前は“タンブラー”になっており、闘う意思はなくなっている。

「ダルトン、手伝って」

 えっ、という顔をするダルトン。

「自分で起きれないんだと」

「あぁ、そういうことか。それで」と近付きながら尋ねてくる。「契約を交わしたの?」

「ああ。本人もそうなることを望んだ」

「名前は?」

 核心つかなくても良くない?

「タンブラー」

「なんでか聞いてもいい?」とニヤけてる。

「さっき、盛大に転がっていただろう? だから、“転がる者”って意味だ」

「なるほどなるほど。サブにしては、いいね」

 それはともかく、グリフォンをひっくり返す。

 ふたり掛かりでも大変だった。翼が邪魔で。


 とりあえず、犬の伏せの状態になったグリフォン。

「さっきも言ったが、おまえは“タンブラー”だ。わかったか?」

「“タンブラー”、わかった」

「腹は減っているか?」

「少し」

 オレは、それなりの塊肉をグリフォンの目の前に出す。オークだ。

 オレの許しを得て、食べるグリフォン。


 食い終わったグリフォンとの会話を総括すると、馬という生き物は珍しく、美味らしい。

 オレから見ると、そうは思えないが、それはそれとして、子どものことだ。

「自然に任せるのが、一番」と言う。

 つまり、自分で生きていければ、それでよし。“ダメならダメで、諦める”っていうのが、タンブラーの言い分だった。

 それはつまり、自然界のルールなのだろう。

 それは理解できるし、できれば、そうしたい。

 しかし、ダルトンのようすを見るに、それができるとは思えない。

 まるで、捨てられてた子犬を拾って帰ってきた子どもだ。


 オレは、大きなため息をつく。

 話題を変えることにした。

『タンブラー、巣に金やメノウが集めてあるのは、なぜだ?』

『金はアリが集めた。我らはそこに巣を作る。メノウは卵の代わりだ』

『卵? 卵から生まれるのか?』

『我らは卵では生まれないが、ボアが巣を狙ってくる。ボアに卵だと思わせ、飲み込ませる。そこを捕まえて、空から落として殺す。そうすれば、エサだ。このあたりは、ボアが多い。苦労の少ないエサだ』

 ボアとは、大蛇のことだ。

『なるほど。金の話は? アリが集めた?』

『うむ。理由は知らないが、どこからか運んできて、アリの巣に持ち帰る。そこに巣を作ると、夏は涼しく、冬は暖かい。我らには快適な巣になる。また、アリは身体に登ってきて、虫を捕まえてくれる』

 共生関係が出来上がっているんだな。

 それらを書字板に書いておく。あとで、図鑑に書き加えよう。

『アリの大きさは?』

 そう尋ねると、鷲の片側の前脚を出してくる。

『この鉤爪ほど』

 大き……くはないな。ヒュージアントと比べたら、本当にアリンコだ。

 索敵さんで、金を集めるアリを探させる。なるほど、確かにグリフォンの巣のほとんどがそのアリの巣になっている。アリの名前は、ゴールド・ディギング・アント。つまり、金掘りアリって名だ。


*ゴールド・ディギング・アント

  独自魔虫。名前を借りました。

  ウィキペディア参照(英語)。

  大きさはキツネほどの毛生えアリ。

  金を集めていたのではなく、巣を作る

  際に金を砂と一緒に巣穴から出して

  いた、とのこと。

  正体はマーモットで、“山のアリ”と

  聞こえることから、アリだと勘違い

  された、と考えているらしい。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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― 新着の感想 ―
 アリなら酸を吐けるし金を加工できるとなれば巣作りに役立つとか考察できるな。
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