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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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837/905

837【グリフォン討伐その三】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、少し短めです。

 そうやって話しているとき、ウーちゃんの言葉が思い出された。結界を“前面しか張っていなかった”と。

 だとしたら、あれが使える?

「対処方法が見つかったかも」

 オレはそれ以上、何も言わずに、作業小屋を出して、作業開始した。


 ***


 小一時間もせずに作業小屋から出てきたオレ。

「ラーナ、こっち来て、ここに立ってもらえる?」

「はい」

 ラーナがこちらに来て、指示したところに立つ。

 そこに彼女の背丈ほどの木板を立てる。

 オレは、少し離れて、コンパウンドボウを出した。

「半径三歩ほどに結界を広げてもらえる? できるだけ強く」

「はい。どうぞ」

 まずは近付いて、結界に触れる。もちろん、それ以上には入れない。

「的を射るよ」

「はい」

 オレは、木板に向けて、コンパウンドボウを引き絞る。本気の射込みだ。

 矢を放つ。

 木板に刺さる矢。

 あとから、音が響く。

「ありがとう。ふつうに戻していいよ」

「はい」

「結界を貫いた?」とダルトンが呟く。

「ラーナのお守りだよ。これでグリフォンに矢が刺さるだろう」

 “ラーナのお守り”とは、ラーナが自身の結界を気にせずに、ほかの人と間近に話せるようにするために配っていたもので、身体に薄く結界を張り、その人がラーナの結界へと入れる。

 その仕組みを(やじり)に組み込んだのだ。

「ウーちゃんのおかげだな」

「うむうむ」と満足げ。意味がわかっているのかい?

「これでほかの同様な魔獣にも使えるだろう」

「そっか」と理解したダルトン。「結界張ってる魔獣がほかにもいるかもしれないのか。ウーちゃんだっているんだし」

「儂を射るなよ」とウーちゃんが歯をむき出しにする。「そのときは噛むぞ」

「ウーちゃんを射るときは、永遠に来ないから、安心してよ」

「わかっておるわ」

 ガハハと笑うウーちゃん。

「よし、全員の矢を回収するぞ。それとマナミ、手伝ってくれ。数が多いからな」

「はぁぃ」とうれしげなマナミ。

 ふたりで作業小屋に入り、戸を閉じた。


 やましいことはしておりません。

 チューを要求されて、承認しただけです。


 ***


 翌朝。

 朝食前にダルトンが口を開いた。

「それで、できたの?」

「ん? あぁ、矢ね。もちろん、できてるよ。ここを発つ前に渡すよ」

「そ。……えっとさ」

 なんだ? 何か言いたそうだが?

「歯切れが悪いな。なんだよ」

「怒らないって約束してくれない?」と下からオレを見上げてくる。

「はぁ? なによ、子どもじゃあるまいし」

 “子ども”と聞いて、ビクッとするダルトン。

 アハハ、と乾いた笑い。

「これなんだけどぉ」と彼の横に置かれた上着を指すダルトン。

「上着?」

 上着をそっと持ち上げて、中を見せてくる。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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― 新着の感想 ―
 拾ったのかぁ、世話すると言って結局はママなサブが世話することになるんだから拾った場所に返してきなさい。
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