832【いざ、空の旅へ】
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今話は、少し短めです。
その日の練習で、四割から五割の命中率を達成した。
もちろん、パターンを変えてだ。
「これで、明日から飛べるよな?」
オレが夕食後のお茶休憩でそう言うと、うなずく女性陣と脱力する男性陣とに分かれた。
「まだまだ半分も当たってないじゃん」とダルトンがだるげに言う。
エイジとハルキも、“そうですよ”と追随する。
「あれだけの距離で」とオレ。「あの大きさの標的に当てられるとなれば、充分なんだけど?」
「当てなきゃでしょ」
「あのね。相手はグリフォンだよ。あの距離ならあの標的はグリフォンの頭部より小さいはずだよ?」
「ん?」
「あの標的は、グリフォンの頭部より小さいの。少し外したって、当たるでしょ。違う?」
「あれ?」とハルキ。「じゃぁ、頭を狙って射れば、身体のどこかに当たるってこと?」
「おそらくな」
「えっと」とエイジ。「確認ですけど、グリフォンの大きさって」
「グリフォンは、鷲の頭と翼、ライオンの胴体を持つってのは、前に話したよな」
「はい。図鑑でも見ました」
「とすれば、ライオンよりひと回り大きいくらいじゃないか? ダルトン?」
「オイラは、遠目に飛ぶのを見ただけだから、わからないけど……そうだね。ユキオウたちほどはあったんじゃないかな」
「だろう? なら大きな的じゃないか」
「そう言われると、そうかも?」と首を傾げるダルトン。
「心配なのは、急降下してくる場合なんだ」
「急降下?」
「太陽に隠れてみたいな感じ? ものすごい速度で落ちてくるから、射った矢が当たって死んでも、そのまま落ちてくるかもしれないんだ」
「どうすんのさ」
「ウーちゃんに避けてもらうしかないけど、距離が近いと逃げられないかもしれない。そのときはラーナの結界を頼るしかない」
「わかりました」と力強く言うラーナ。
「そのときは、頼む。とにかく、みんなは自分の腕を信じろ」
今度は誰も、嫌な顔はしなかった。
***
翌朝。
天気は薄曇り。おそらく今日一日は降り出しはしないだろう。
朝食を食べ、お茶を啜り、野営を片付け、馬車を片す。
ここからは、空の旅だ。
「そういえば」とキヨミ。「ラキエルは大丈夫なんですか?」
「機動力はグリフォンの方が上みたいだから、オレが乗って、射掛けてみる。ダメなら、なんとかするさ」
「楽観的だなぁ」とダルトン。「そんなんで大丈夫なの?」
「ラキエル用に隠遁のマントを用意したから大丈夫」
「いつの間に」
「標的を作ったあとにな」
「用意がいいこって」
「さぁ、出発だ!」
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