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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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831/915

831【魔導標的】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、少し短めです。

 その夜に、オレは作業小屋を出して、標的の改良に勤しんだ。

 移動中は、さすがに魔法陣を描けないのもあって、歯車で対応した。

 しかし、魔法陣で書き込めば、いくつかのパターンを組み込めるし、故障も少ない。


 作業小屋から出て、飛ばしてみる。

 半径半歩内を左右に揺れたり、上下したりする。見た目はランダムだ。

 捕まえようとすると逃げられる。ワイヤーをつないでおいて、よかった。手元に引き寄せ、回収して、スイッチを切る。


「できたの?」と焚き火のところからダルトンの声。

 そちらを見ると、全員がこちらを見ていた。

 そちらに向かいつつ、返事をする。

「とりあえずな」

 焚き火のところに着くと、ダルトンに標的を渡す。

「あれ?」とエイジが首をひねる。「プロペラは?」

「魔法陣に動作パターンを組み込んだ」

「なぜですか?」

「動く部分に矢が当たったら、壊れるかもだろ? それにこの方が訓練になるかと思ってな」

「動かしてみてよ」と標的を渡してくるダルトン。

 オレは、受け取ると、スイッチを入れ起動する。それから空中に放る。

 その場で、上下左右に動く標的。

「うぉっ、“ドローン”みてぇ」とハルキが口を開けて見てる。

「“ドローン”みたいに制御できないけどな」

「“ドローン”って?」とダルトン。

「こういうのを自由自在に操るんだ。使い方は人それぞれだけど、多いのは、物を運んだりとかかな」

「へぇ。動き方にパターンがあるみたいだね」と標的を見ながら言う。

「そういう風に作ったからな。いくつかパターンがあるから、標的には充分だろう」

「練習にはなるね」

「サブさん」とキヨミ。「これ、前後には動かないんですか?」

「ワイヤーを付けてるから、後退しようにも、引っ張られちゃうだろ」

「あっ、そうですね」

「だから、組み込まなかったんだ」

「なるほど」

「これは」とエイジ。「矢が当たったら、何か反応があるんですか?」

「いや。でもそうだな。なんかしら考えるよ」

 オレは、お茶を一杯飲むと、また作業小屋に引っ込んだ。


 ***


 翌朝。

 朝食後、お茶休憩すると、出発する。

 ある程度、進んでから、標的を後方へと放った。パターンに従って上下左右に動く。

「当たったら、音が鳴るようにしておいたぞ」

 ハルキがコンパウンドボウに矢をつがえて、標的を狙う。

 十発を射て、一発当たった。

 当たったときの音は、ボンッという破裂音。


 その後、選手交代して練習する仲間たち。

 オレは、飛んでいった矢の回収係。

 まぁ、オレもお試しで、やってみた。十発射て、三発当たった。

「サブさんでもダメなんですね」とエイジ。「全部とは言いませんけど、命中率はいいと思ってました」

「動く的は、それだけ難しいんだよ」


 そのあとも彼らは交代しながら、練習を重ねた。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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