782【メタル・ワームのその後】
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今話は、少し短めです。
夕方、王城からの使いが来て、武装して、登城せよとの命により、《竜の逆鱗》と《黄金の盾》が呼ばれた。
***
馬車三台に乗せられて登城すると、すぐさま大会議室へと案内された。
そこには、ほかにも冒険者とおぼしき面々がいた。
「オマル、サブ殿」と声を掛けられ、そちらを見ると、冒険者姿のハシムがいた。
「ハシム、久しぶりだな」とオマル。「このようすだと、大ごとか?」
「ああ。ここには、王都に滞在している冒険者パーティーに集まってもらった。王都の冒険者たちは冒険者ギルドに招集されたそうだ」
「何かあったのか?」
「ゴクラ子爵殿から、メタル・ワームのことは?」
「聞いた。まだ討伐できていないのか?」
「ああ。小型のヤツは、何体か捕まえて、対応策の検討のための確認をしたらしい」
「それで?」
そこに扉が開き、ルドが入ってきた。
「休暇中のところ、誠にすまない。私はルド・ゴクラ子爵と言う。現在は、近衛隊隊長を務めている。本来ならば、近衛の管理外ではあるのだが、臨時の魔獣討伐作戦の指揮官となった。もと冒険者だ。言葉に気を遣う必要はないので、ふつうに話してくれて構わない。よろしく頼む」と軽く一礼。「現在、メタル・ワームが暴れていて、近隣の兵士が討伐作戦を遂行しているが、うまくいっていない」
ザワザワする冒険者たち。
「この中で、メタル・ワームの討伐を行なった者、あるいはそういう話を聞いた者はいないだろうか。どんな情報でも構わない。聞かせて欲しい」
冒険者たちは、まわりを見回している。そうした者はいないらしい。
「確か」とひとりが手を挙げた。「メタル・ワームは発見報告もあまりなかったはずですが」
「そうだ。魔獣図鑑にもたいした情報はなかった。唯一、伝聞ではあるが、知人からの情報があった。その内容は、“表皮は硬く、鉄剣では歯が立たず、折れることもある。頭部の核を潰せば、倒せるらしい"というものだ」
つまり、ほかからも情報はなかったわけか。
「閣下」とひとりから声が上がった。「我々を集めた理由はなんですか? しかも武装して来いと、集められたのは?」
うなずくルド。
「諸君に緊急討伐依頼だ! すでに王都冒険者ギルドからもC級以上の冒険者が向かっている! 国軍も出ている! 君たちにも参加を求める!」
冒険者たちが騒ぎはじめた。薄々、そうなるだろうとは思っていても、実際にそう言われたら、“はいそうですか”とはならない。
「ルド!」とオレは声を上げた。「状況を教えてくれ! 場所と被害状況、それとメタル・ワームの頭数、それに冒険者ギルドから出た冒険者の情報も欲しい!」
「わかった!」
それで教えられたのは、次のとおりだった。
場所は王都にほど近い岩場の村々で、ほぼすべての村々がつぶされた。村人はすでに王都近くへと避難していて大丈夫だが、そこもいつどうなるかわからない。メタル・ワームの頭数は、大小合わせて、十二。ひときわ大きい個体は、長さ五十歩ほどだと言う。
「はぁっ!? 五十歩だと!」とひとりが素っ頓狂な声を上げた。
オレのそばで、ダルトンが「あちゃ~」と情けない声を出す。
「そうだ!」とルド。「それから、冒険者ギルドからは、B級パーティーがひとつとC級パーティーが三つ出た! それ以上のランクの冒険者が今はいない!」
「サブ」とダルトン。「やれそう?」
「初見の魔獣だぞ。弱点は表皮に覆われていて、鉄剣じゃ意味がない。ミスリル剣でも弾かれるだろうな」
「だよな」
「ともかく、参加は決定だ。となると、現場に行くしかないな」
「そだね。五十歩の大きさなんて、想像できないよ」
「太めのボアだと思えば?」
「あぁ、ありがとう、想像できた」とため息を吐く諦め顔のダルトン。
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