780【印刷機? 撮影機?】
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今話は、少し短めです。
メタル・ワームの件は気になるが、オレたちにはどうしようもない。
なので、みんなには魔獣図鑑の続きを任せ、オレとマナミはピンホールカメラ型印刷機の製作に入る。
印刷機というべきか撮影機というべきか、いまだに悩んでるんだよな。
なんせ、撮影したら現像しないといけないんだから。印刷機だとちょっと違う。かといって、目的は写本で仕組みはカメラだ。撮影機というのが正しい。のだが……
「カメラでいいじゃないですか」とマナミに言われた。「デジカメでもスマホでも、結局プリントしないといけないんですから」
「そういえば、そうだったな」
デジカメやスマホで撮影した画像は、プリントしないと写真にならない。携帯式や自宅のプリンター、コンビニのマルチコピー機で、写真にする。
オレはそんなに利用はしていなかったが、必要な場合は会社のプリンターを利用していた。
フィルムの場合は、カメラ屋に現像とプリントを依頼していた。
そのカメラ屋もフィルムの利用が少なくなって、コロナ禍もあり、次々と潰れていった。その後の一時期は、コンビニでも扱っていたが。
「こっちに合わせて、景色を写す機械ってことで、写景機だな」
「写景機、いいかも」
「で、全体的には写本する機械ってことで、写本機。安直だけどね」
「いいと思います」
名前を決めたあと、小一時間掛けて、ピンホールカメラを作った。
箱の中は炭で黒く塗りつぶして。フィルム部分にはただの植物紙を張った木枠を仮止めした。
レンズ部分の穴には、フタを付けた。
フタを開け閉めして、植物紙に景色が映るのを確認する。
「よし。これで説明が省けるな。見せに行こうか」
「はい」
***
「できたの?」とダルトンが聞いてくる。
「いや。仕組みを説明するためのものを用意した。と言っても、ほぼ出来上がりだけどね。どういうものかを見てもらおうと思って、持ってきた」
写景機をテーブルに置く。
みんなが首を傾げながら、写景機を見ている。
「これは」と説明をはじめる。「景色を写す機械という意味で、写景機と名付けた」
「景色を写す? 写本と関係あんの?」
「その原理を説明するためのものだよ。とりあえず、ダルトン、それを持って、こっちに」
ダルトンが立ち上がって、写景機を持つと、オレのそばに来た。
「ここを」と植物紙のところを指差す。「見てて」
「あいよ」
「すぐに明るくなるからな」
「ほぉい」
オレは写景機の穴を塞ぐフタに手を掛ける。
「三、二、一」
フタを外した。
「うおっ」と一瞬の驚きとともに、仰け反るダルトン。だが、すぐに気付いたことを口にする。「上下逆さまだよ?」
「それでいいの。みんなもどうぞ」
そう促すと、次々と見に来る。
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