779【魔獣被害の発生】
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今話は、少し短めです。
若者四人に聞くと、フィルムを知っていたのは、かろうじてハルキだけだった。
父親がアナログの一眼レフカメラを持っていて、それで知ったのだそうだ。
ただ、フィルムがどのように使われるのかは知らなかった。
父親もカメラをアナログからデジタルへと切り替えたそうで、“たくさん撮れるけど、整理が大変だ”と言っていたそうだ。
「で、いつのまにか、撮らなくなって、そのままでしたね」
「そうか。お父さん、そういう余裕がなくなったのかもな」
「そうかも」
そのくらいで、就寝することにした。
***
翌朝。
食堂で、朝食を食べていると、ルドが現れた。
みんなで、おはようの挨拶をする。
「おはよう。魔獣図鑑を見せてくれ」とオレに言う。
マジックポーチから出して、彼に渡す。
彼は受け取ると、次々とページを繰っていく。
「何かあったのか?」とオレが聞く。
「メタル・ワームが暴れてる。確か、あいつらは地下にいて、ほとんど出てこないんだがな」
そのページに行き着いたのか、目を走らせている。
「チッ、こんなものか! クソッ!」
鑑定さんに問い合わせる。
メタル・ワーム。
地中の鉱物を食べて移動する魔獣。
卵から孵ったときは十センチほどだが、どこまでも大きくなる。
口で岩石を砕き、その中の鉱物を体内細菌が分解し、活動エネルギーとする。
表皮は取り込んだ鉱物の性質によるが、たいていは硬く、鉄剣では歯が立たず、折れることもある。
「冒険者ギルドの図鑑は?」
「あたってる。だが、たいした情報もないだろう」
オレは、魔獣図鑑のそのページを見る。
オレの鑑定さんよりも情報が少ない。だが、挿絵がある。
ヤツメウナギのようなギザギザの牙を持つ口といくつもの節がある。表面はひび割れているような感じ。
ミミズの表皮が不格好な金属の殻で覆われているようなイメージだろうか。
「暴れてるのは」と聞く。「どのくらいの大きさなんだ?」
「バラバラだ」
「バラバラ? 複数か」
「ああ。近くに村があるんだが、村民はすでに村を捨てて、隣村に向かってるそうだ。村の冒険者ギルド経由で知らせてきた」
「冒険者は?」
「様子見している。小さい個体ならばやれそうだが、大きい個体もそばで暴れていて、手出しできないそうだ」
「軍は?」
「すでに出立したが、対処法がわからないままだ。何か知らないか? どんなことでもいい」
「聞いた話だが、表皮は硬く、鉄剣では歯が立たず、折れることもあるとか。頭部の核を潰せば、倒せるらしい」鑑定さん情報だが、ないよりはいいはず。
「助かる。だが、頭部のどこにあるんだ?」
「ええと、確か……頭部の中央あたり、だったはずだ。小さい個体を投げ縄で捕まえて、確かめてみた方がいいだろう」
「そこまで近付けるかどうかだな。わかった」
ルドは踵を返して出ていった。
*メタル・ワーム
独自魔獣。
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