第181話―久しぶりに三人で過ごす―
下街を歩きながら、買い物を続ける俺達。今日の晩御飯は何をしようかなと、ジゲンと相談しながら色々と買い込むたま。
俺は、以前飲んだ酒が欲しくて、たまに買ってくれと頼むと、しょうがないな~と言って、たまは酒と、つまみになるものを買ってくれる。よしよし、これで毎日の楽しみが増えたなと、笑って徳利を眺めていた。
その後、腹が減ってきたので、飯屋に寄った。今日も蕎麦だ。毎日飽きないのお、と言うジゲンの言葉に、好きなものは飽きないと言って、かけ蕎麦を注文した。
一方、たまとジゲンは野菜のてんぷらとご飯ものを注文する。そして、飯が運ばれてきて、食事を始めた。
ここの飯は、たまには高評価らしく、おかずを口に入れる度に、目を輝かせて美味しいと喜んでいた。未だに、たまの舌がどうなっているのかよく分からないなと思いつつ、欲しいものがあればどんどん食えと言うと、たまは遠慮なしに、色々と追加で注文した。
更に増えた料理を美味しそうに平らげるたまを見ながら茶をすすっていると、ジゲンが口を開く。
「そういえば、ムソウ殿。結局儂らはこのまま、ここに住めるのかの?」
「問題ないだろう。アヤメも爺さんのことを不審がってはいたが、好意的に見ているようだったし……ただ、一度会って話はしたいとは言っていたが……」
今朝、アヤメが言っていたことだ。俺も、ジゲンの正体を知るまでは、それも良いと思った。俺を介してではなく、直接素性を明らかにした方が、アヤメの方としても、安心できるからな。
だが、ジゲンの正体を知り、ジゲンが姿をくらました理由も知った。直接二人を会わせるのはまだ、先かなと思っている。
しかし、俺の言葉にジゲンはニコリと笑った。
「まあ、どうしてもと言うのなら、会いには行けるがの」
「は? どうやってだよ?」
今、会いに行ってもすぐバレると思った俺は、ジゲンの言うことが理解できない。隠蔽スキルを使っているとはいえ、コモンにはバレたわけだし。
ギルドで会うとなったら、冒険者登録をするときに使った、鑑定の宝珠が使われるはずだ。素性を明らかにするのにはもってこいだからな。
それ以前に、アヤメだったら絶対、顔を見せろとか言ってくるはずだ。前髪をだらんと下し、今は隠せてはいるが、ジゲンの両目を見たら流石に気付くだろうと思っている。そんな状態でどうやって会うのかと聞くと、ジゲンは問題ないと言った。
「鑑定の宝珠で出てくる情報は、その者にしか見えないようになっておる。じゃからそれについてはどうでもいい。
そして、目についてじゃが、カラーコンタクトでごまかせばなんとかなるじゃろうしの」
「からあこんたくと? 何だ、それ?」
「ミサキちゃんが作ったものじゃが、主に化粧をするときに使われるものでな、瞳の色を変えられるというものじゃ。姿をくらますときなどは、よく使っておったよ」
へえ、便利なものがあるんだな。ジゲンはその両目によっていくら変装しても、すぐにばれてしまう。斥候や、潜入などをするときは眼帯などをしてごまかしていたが、やはり片目が使えないというのは、闘いの上でも不便なものだった。
そこで、そのカラーコンタクトというものを使い、瞳の色を変えることで、そういった悩みも無くなったというわけだ。
また変わったものを作ったもんだなあと、久しぶりに、珍しくミサキに感心した。
そして、鑑定の宝珠の件は、確かにその通りだ。出てきた情報は本人にしか読めない、魔法の文字で出てくる。それを別の用紙に書き写して、冒険者の登録を行っていた。
だから、その際に嘘を書けば問題ないので、アヤメが鑑定の宝珠を使うということは無いだろうとのことだ。
「なるほど……それなら明日にでも会ってみるか?」
「そうじゃの。久しぶりに会ってみようとするかの」
意外にもあっさりとジゲンはアヤメと会うことを承諾した。これまでの俺の悩みは何だったのだろうか……。
まあ、ジゲンの方も、皆の様子は見たいとのことだったので、別に良いやと笑った。
「おじいちゃん、りょうしゅさまに会いに行くのー?」
「うむ、明日な……たまも会いたいのかの?」
「うん! 一度は会ってみたい!」
「では、一緒に行こうとするかの」
と、たまの同行も決まった。別に連れていくほどのことじゃないだろと思ったのだが、ジゲンが言うには、たまが連れていくことで話せることもあるという。
何のことかはわからないが、そういうことなら、たまも連れていくことを承諾した。
ちなみにギルドに行くには花街を経る必要がある。無論、門を通らないと行けない。闘宴会の奴らが面倒だなと思っているが、前回、ジゲンと花街に行った時と同様に、隠蔽スキルを使ったら、そこは何とかなるらしい。
ジゲンほどの熟練者になると、たまをおぶってスキルを発動させることで、たまの存在も周りから見えなくすることが出来るという。
だから、門をくぐる際にはそうやって、後は普通に歩いて行けばいいだろうと安心した。
一つ懸念があるとすれば、ジゲンの声だ。こればかりは変えられない。今のところは、ジゲンと昔から一緒だったシロウや、ジロウ一家の者達には気づかれていないようだが、アヤメは分からない。何かの拍子で気付くかも知れないと、ジゲンに言うと、ジゲンはまたも首を横に振り、それも無いじゃろうと言った。
「儂も昔とずいぶん変わったからのう。恐らく大丈夫じゃと思うぞ」
……ああ、やはり自分でも変わったという自覚はあるのか。ジゲンによると、昔は俺のような口調だったが、たまと接するうちに今のように、好々爺のような口調に変わっていったという。
というより、たまが怯えてしまわないようにと直したらしい。そう考えるようになったきっかけは、まだ幼かったアヤメと接する際に、しょっちゅうアヤメを泣かせていたからだと懐かしそうに語るジゲン。その話を聞き、俺とたまは笑った。
そして、たまは昔みたいに話してとジゲンにせがんだが、ジゲンはニコリと笑い、
「気が向いたらの」
と言って、たまの頭を撫でた。俺もいつかは見てみたいな……。
というわけで、見た目も偽り、口調も変わったジゲンを、アヤメはジロウとは思わないだろうというジゲンの言葉を信じてみた。
「分かった。じゃあ、明日俺が依頼をこなし、ギルドに報告に行く際に一緒に行くとしよう」
「了解じゃ、ムソウ殿」
「たのしみ~!」
俺の決定に、ジゲンが頷き、たまが目を輝かせる。三人で温泉街からここに来るまでの間はしょっちゅう見ていた光景だなと、あの時を思い出しながら飯を食っていた。
その後、飯を食った後、ジゲンのカラーコンタクトを買うために雑貨屋に向かった。そんな珍しそうなもの、あるのかなと思っていたが、俺達が行った店にはあった。というか、こういう場所にはたいていあるという。
思い返してみれば、興味が無かったから目につかなかっただけで、今まで行った店にもあった気がする……。
半透明な丸い小さなもので、これを眼球に張り付けるみたいだ。何色のものにするのかなと思ったが、無難なものということで、黒いものをジゲンは買っていた。
そして、アヤメに会うのなら、少しばかりおしゃれをしたいというたまに、以前、俺の髪飾りに興味を示していたことを思い出し、白い羽に可愛らしい花が着いた髪飾りを買った。早速付けてやると、たまはニパっと笑って喜んでいる。
俺も何か買おうかなと、店内を物色していると、気になるモノを見つけた。それは破山大猿の毛と何体かの獣型の魔物の毛で出来た、付け毛のような髪飾りだ。
今、着けているのはベヒモスのものだったな。これよりも身体能力向上の効果と、武術スキルと眼力スキル、更に、採集スキルと調理スキルの効果が上がるという。素材が素材だけに店内でも少し高めのものだったが、買ってみた。
やはり、俺も多少のお洒落というのはしてみたい。それにスキルの効果も上がるというのなら、文句はない。そして、さっそく付けてみる。俺としては気に入っているが、二人はどう思うだろうと思い、聞いてみると、似合っているとのことだったので良かった。
その後、店から出ると、ジゲンが面白いところがあると言うので俺とたまはついていった。
案内された場所に着くと、多くの見世物小屋が、軒を連ねている。的当てや、輪投げなどもあり、縁日のようになっていた。
ここはトウショウの里の住民たちや、ここを訪れた冒険者たちが一時休息する場所として設けられたそうで、昔はよく、シロウ達を連れて遊びに来ていたという。
「わあ~! すご~い!」
たまは目を輝かせながら並んでいる小屋を一つ一つ眺めていた。屋台や小屋に居る奴は、やはりクレナの者らしく人相は悪いが、たまや、他にも訪れていた客を見ると、ニカっと笑って、出迎えてくれる。
屋敷で頑張るたまと、依頼に取り組みながら、屋敷の奴らの世話をしている俺に今日くらいは息抜きをと思い、ジゲンはここに連れてきてくれたみたいだ。
「すまないな。気を遣ってもらって」
「気にするでない……まあ、偶にはよかろう?」
ジゲンの言葉に頷き、早く遊びたいとうずうずしているたまを連れて、そこらの小屋に入る。
最初に入ったのは大道芸の小屋だった。小さなものから白髪の爺さんまでもが、大玉に乗ったり、一本の綱を渡ったりして、客たちを喜ばせている。
たまも一つ一つ、うきうきした目でそれらを眺めては、
「おじちゃんもできる!?」
とか、聞いてきたりする。目の前で俺達に行っている芸を見渡してみた。
「う~ん……綱渡りや大玉に乗ったりは出来ねえな。仲間に教えて貰ったことはあるんだが、上手く出来なかった」
前の世界で、軽業師の一行を演じ、敵地の情報を探るという仕事をしたときに、ツバキに一通りの芸を仕込んでもらった。
だが、ツバキのようにはいかず、綱に乗れば落ちるし、大玉に乗ったら、頭を強く打つし、お手玉をすれば、全部落とすしと、散々だった。流石のツバキも、何か諦めたように、頭をさする俺を見ながら、
「……何もしないで……良い」
と言っていた。渋々俺は武器を使った芸や、空中早彫りだけをして、客たちを喜ばせるようになった。
そう言うと、たまは、
「じゃあ、あれはできる?」
と、言って、クナイのようなものを、壁に拘束された派手な格好の女の、ギリギリのところに向けて投げるという、すごく見ていてハラハラする芸を指さす。
「まあ、あれくらいなら出来るな……」
あれなら出来そうだと思い、そう言うと、突然観客と、芸をやっていた奴らがパッとこちらを見てきた。驚いた俺とたまが固まっていると、クナイを投げていた女がクスっと笑い、壇上から俺を指さす。
「……そちらのお方、出来るというなら、やって見せては貰えませんか?」
「……へ?」
「あら、何を呆けていられるのですか? 私達よりも素晴らしい腕をお持ちなら、ぜひともお願いしたいものですわ」
聞こえていたのか……。そこまでは言っていないと女の挑発を断ろうとしたが、観客たちの方からは失笑に混じったヤジが聞こえてきたりする。
そして、たまとジゲンを見ると何かを期待する目で俺を見ていた。
シンムの里で壊蛇の鱗を斬った時と同じような目だな。流石にこの状況だと、断るに断れないと思った俺は、一つため息をつき、女の誘いに乗った。
「はあ……分かった……今行く」
ジゲンとたまの、声援を受け、群衆の中を歩いていく。そして、舞台に上ると、
「お父さん!がんばれよ~!」
などと、からかうような声が聞こえてくる。おいまて、誰がお父さんだ。
小さな女の子を連れていると、父親と間違われるのは、どこの世界も同じらしい。
さて、舞台に上がったのは良いが、何をすれば良いのか分からない。露出の高い、派手な衣装を着た女の横で頭を掻いていた。
「で……何をすればいいんだ?」
「なんでもよろしいですわよ。ここにあるものを使ってなら、何でも」
女はそう言って、舞台の上に置かれた数々の武器を指した。クナイや円月輪、棒手裏剣など、主に投擲武器が揃っている。まあ、同じようなことをやれというわけか。
しかし、流石クレナだな。老若男女関わらず、好戦的というのは何とも言えん。たまも間違ったらこうなるのか? せめてナズナのようになってくれと苦笑いしながら、武器を眺める。……いや、アイツも好戦的と言えば、好戦的か……まあ、良い。
どうしたものかなと、思っていると、お手玉している奴の果物が目に入った。赤や黄色の木の実だ。そこで、ちょうどいい一発芸を思い出したので、そいつから何個か木の実を貰い、棒手裏剣を手に取った。
これから俺が何をするのか不思議そうな顔をする女と観客たち。俺は木の実を手で遊ばせながら、壁に張り付いている女の方を向く。
「なあ、アンタ……さっきからその姿勢で、疲れてねえか?」
「え?……ええ、まあ」
「どっちの木の実が食いたい?」
「え!? ……え~っと……じゃあ、赤い方で」
「分かった!」
俺は女の要望通り、赤い木の実を女に向けて放り投げた。直後に、手にした棒手裏剣を木の実に向けて投げる。手裏剣は空中で木の実に突き刺さったまま、なおも飛んでいき、女の頬のすぐ横に刺さった。
「その位置なら食えるな?」
壁の女は、自らの顔のすぐ近くに刺さった果物と俺の顔を交互に見ながら唖然としている。そして、横に居る女と、観客たちも、目を見開いて、俺を見ていた。
この技、ただ狙って投げるよりも難しいんだよな。俺が狙っているところと木の実がちょうどまっすぐ落ちてきた時に棒手裏剣や針を投げないといけないし、木の実に当たることで、若干狙いも逸れるし。
正直、もう少し離れた所を狙ったのだが、予想以上に近づいてしまったな。まあ、当たらなくて良かった、と俺は安心していた。
ちなみに、前の世界では、壁に貼り付けられている俺の手足の縄を、クナイを投げて斬るということをしていた。あと一寸で、手首足首、そして、首が斬れるというギリギリのところを狙うのが上手く、成功すると、後で、自信満々に目を輝かせながら、胸を張るツバキに、危ないことするなと、何度叱ったのか分からない……。
そんなことを思い出しながら、もう用事は済んだと、その場を後にしようと思っていると、パラパラと観客たちの方から拍手が聞こえ、次第に大きくなり歓声へとつながっていく。
なるほど、あまりこういう機会に立ち会ったことは無いのだが、気分は悪くない。俺はその場に立ち止まり、観客の声に応えるように、手を振っていた。
その後、俺を呼んだ女がニコリと笑って、近づいてくる。
「見事な腕前に感服いたしましたわ。お礼と言ってはなんですが、こちらをお納めください」
そう言って、女が差し出して来たのは、菓子に詰め合わせだった。良いものを貰ったなと思い、女に礼を言う。
「ありがとう。喜んで受け取っておくよ」
「いえいえ、娘さんと仲良く分けてくださいね」
いや、たまは娘じゃ……まあ、いいや。たまに、貰ったお菓子の箱を渡すと、ニコッと笑って喜んだ。
「わ~い! ありがとう、おじちゃん!」
「いやはや……ムソウ殿も多芸じゃの」
「まあ、あれくらいはな……って、爺さんも出来るだろ?」
一応と思い、聞いてみると、ジゲンはニコリと微笑み、小さく頷いた。
……流石だなと、ジゲンに感心し、見世物小屋を後にする。
次に向かったのは、魔法を使った的当てをやっている屋台だ。トウショウの里の者たちなのだろうか、家族連れの大人たちが盛り上がっている。
中にはシロウの所に居た奴らの顔も見える。今日は非番らしく、やはり家族を連れて、的に当たっては喜んでいたり、外しては、奥さんの方に慰められたり、呆れられたりしていた。
「おじちゃん、あれは出来る?」
「魔法か……あればかりは出来ないな」
「では、今度は儂が行こうかの……」
魔法が使えない俺に代わり、今度はジゲンが前に出た。ジゲンが魔法を使えるということは、先ほどの手合わせで確認済みだ。問題ないだろう。
一応、ここでは客が挑戦する段階に合わせて的が小さくなっていたり距離が遠くなっていたりしている。ジゲンは一番難しいものを選び、店主に金を渡していた。
「ちなみに、デカい魔法の余波で吹き飛ばしたりするのは無しだ。真ん中にきちんと当てて破壊しなければ得点にはならんぞ」
「了解じゃ」
「あと、使う魔法は、的一つに対して一発だけだ。範囲魔法を使って、一気に的を壊すのも無しだぞ」
「そんなことはせんよ。的当ての意味が無いからの。そんな馬鹿なことをする者はおるまいて」
店主から色々と言われているジゲン。後ろで聞きながら、俺もそんなことをする人間が居るとは思えなかった。
だが、店主は少しばかり苦い顔をしながら、ジゲンに答える。
「いや……それが昔、上の自警団のショウブがやった時にゃ、風刃がなかなか当たらず、イラついたあの子が無数の風刃を出して、的を全てバラバラにしてな。
それは反則だと言ったんだが、認められず、景品を持っていったという事件があった。それ以来、前もってこのことを通告するのは決まりとなっている。わかったな?」
「……了解じゃ」
店主に言葉にどこか呆れながらジゲンが頷く。自分が育てた娘が、外で迷惑をかけたと思っているみたいだ。
やれやれと肩をすくめた後、ジゲンは立ち位置についた。そして、手をかざし、周囲の風を集める。
すると、その手を握って、口の前にもっていき、フッと強く息を吐いて、手の中から凄い速さで、小さな風で出来た針のようなものを飛ばした。速く、また、風なのでよく見えない。目で追うのがやっとだ。そして、それは遠くにあった的の真ん中に命中し、風穴を開ける。
ジゲンは続けざまに、息を何度も短く吹いて、その他の的の真ん中に、風穴をどんどん開けていった。全ての的を撃ち終えると、ふう、と息を吐いて、手をおろした。
「まあ、ざっとこんなものかの」
一息ついているジゲンを見て、店主が何かを取り出し、そっと近づいてきた。
「……いや、大したものだな、爺さん。何者だ?」
「ただの爺いじゃよ。それよりも、儂は何か反則をしたかの?」
「いや、問題ない。見事な風針で、完全に爺さんの勝ちだ。で、これは景品。受け取りな」
店主がジゲンに渡していたのは何かの魔石だった。宝石の原石のようにキラキラと輝いている。こんなものを良いのか、というジゲンの態度に、店主はニカっと笑う。
「ここの最難関設定に成功したんだ。それに見合う景品は渡さねえとな。孫の嬢ちゃんに良いもの作ってやれよ!」
「ほっほっほ、かたじけないのお。では、ありがたく頂戴する」
店主の言葉にジゲンは笑って、魔石を懐に仕舞った。たまも、ジゲンの孫娘ではないのだが、似たようなものかと二人のやり取りについては何も言わなかった。ジゲンが貰った景品をたまに見せると、すごく喜んでいる。
美味い飯を作り、よく働くと言っても、たまはまだ子供で、しかも女の子だからな。キラキラしたものはやはり好きらしい。
その後も、いろんな小屋や屋台で遊び、一通り楽しんだ後、その場を後にした。屋台で景品として貰ったものを大量に抱えながらたまも満足そうにしている。
「おじいちゃん、ありがとう! また来よーねー」
「ほっほ、構わんよ。いつでも誘ってくれるとうれしいのお」
ジゲンはたまの頭を撫でて、二人並んで歩いて行く。俺としても良い息抜きになったなと思いながら、三人で我が家へと帰っていった。




