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88 メンデル博士の法則

 メンデル博士は天才的な頭脳の持ち主。

 その一方、天は二物を与えずのことわざどおり、見かけの容姿については最悪であった。

 ある日のこと。

「博士、わたしと結婚してくださいませんか。博士の頭脳、わたしの美貌、ふたつがそろえば完璧で最高の子供が生まれますもの」

 絶世の美女が博士に言い寄ってきた。

 ただこの女、頭脳の方はからきしダメであった。

「遺伝とは、そんな単純なものではないんだよ。ワシの容姿と君の知能が遺伝したら、最低の子供が生まれることになるではないか」

 博士は遺伝の法則を教えた。

 頭脳と容姿の両方が最高になる確率は四分の一しかない。頭脳が最高で容姿が最低、頭脳が最低で容姿が最高、両方とも最低になる確率も、それぞれ四分の一あることを……。

「かまいませんわ。たとえ四分の一でも、わたしはそれにかけてみたいのです」

 女はかたくなにひかない。

 そしてついに……。

 博士も女の熱意に根負けしてしまった。


 二人の間に子供が恵まれた。

 ただその子は、メンデル博士の遺伝の法則のいずれにも当てはまらなかった。

 頭脳も容姿も中くらい、平平凡凡の子供に育ったのだった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。遺伝って難しいですよね。血液型も、そっちじゃない方を継いで欲しかったなぁとかよく思います。にしても絶世の美女、心が広い……。読ませていただき有り難うございました!
[一言] 確かマリリンモンローがアインシュタインにプロポーズしたような小話が、これだったような気がします 最高と最低の組み合わせのケースを想定しなくてはならないということ アインシュタインの容姿とマ…
[良い点] 平均されたのですね。平凡で良かったのかどうかはわかりませんが、最悪のケースではなかったので良いほうでしょう。
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