83 転生ノート
学校からの帰り道。
ススムは黒い皮のノートを拾いました。
表紙には「転生」と、金色の二文字が書かれてありましたが、一年生のススムにはもちろん読むことができません。そしてこのノートには、表にも裏にも名前が書かれてなくて、中は真っ白の新品でした。
――だれかが落としたんだな。
ススムはまわりを見まわしました。
ですが、だれもいません。
黒の表紙に金色の文字。
先生が持っているノートみたいでかっこよく、ススムはこのノートがほしくなりました。それに名前がないので、落とした人に届けることができません。
それでススムは、それを自分のものにすることにしました。
――そうだ!
ススムはランドセルから筆箱を取り出しました。
自分の持ち物には名前を書くよう、いつもママに言われていたことを思い出したのです。
落とし物をしたとき名前が書かれてあれば、拾った人が届けてくれることがあります。このノートは名前がなかったので、それができないのです。
ススムはさっそくエンピツで、ノートの裏に「さとうすすむ」と書き入れました。
と、そのときです。
風が吹いて、ノートがパラパラとめくれました。
ノートの表紙の裏には、小さな黒い文字でこんなことが書かれてありました。
このノートを拾った者へ
憎き者の名前を記せ これに名前が記された男は女となり、女は男となるであろう
――うん?
チンチンがムズムズしてきて、ススムはあわてて股間を押さえたのでした。




