葛藤ゆえに
テータとナキアはハンテと離れたあと、ひとつも会話せずに自宅まで帰った。
テータも話しかけようとはしたが、ナキアの俯いてる状況で、何も言えなかったのだ。
生憎、今日は母親は買い物に行っており 2人と1匹の悪魔が気まづい雰囲気を一軒家に流しているという異質な状態がそこにはあった。
―ナキアの部屋
「なんじゃ、貴様?帰ってきてそうそうずっと、枕に顔を埋めて 誰かに殴られたんか?」
ナキアの制服からモゾモゾと出てきたサタナキアはGOAT越しにナキアをからかうように声をかけたが、ナキアは顔を埋めたまんま顔を横に振った。
そんな状態にサタナキアは少しだけナキアにムカつき、布団の上で横になってるナキアの腰に突撃した
「いった!」
ナキアは腰にぶつかった痛みで起き上がり声を上げた
「我が声をかけとるんじゃ! 顔を上げて話すのが礼儀じゃ!」
と理不尽にキレながらサタナキアはナキアに怒号をあげた。
が、ナキアがサタナキアの方を振り向いた時 ナキアの目には涙が浮かんでいた。
その涙は決してサタナキアがぶつかった痛みから出ている涙ではないのが、その場にいて目を合わせてるサタナキアすらも理解できた。
「…本当に何があった?」
サタナキアは今までとは違う声色でナキアを落ち着かせるように近づいた。
「私、今日 テータくんに告白されたの」
泣いてる目を擦りながらナキアは呟くようにサタナキアに答えた。
「なんと!?主が…??」
あまりの驚きにサタナキアは一瞬だけ後ろに下がりかけたが、話を聞こうとナキアにもっと近づくように動いた。
「私も初めて、命をかけて私を守ってくれた時から、微かにでも確実に惚れてはいたの…、」
「なんじゃ、両思いだったのか…、それは我結構失礼な事したの…、」
「ううん。サタナキアは謝らなくていいし むしろ私のテータくんに対しての気持ちへのエンジンがつくようになってたから むしろ感謝だよ。」
とナキアは涙をこぼしながらサタナキアに対して下手っぴな笑い顔を見せた。
「それで、付き合ったのか?」
サタナキアがそう聞くとナキアは少し俯いて頭を横に振った。
「怖いの、今の関係が 一緒にいられる今が楽しいから 別れたりしたら壊れるのじゃないかと」
ナキアは唇を震わせながらそう答えた。
もちろんナキアも嫌いな訳では無い、むしろこの数ヶ月で2人の距離は縮まり、恋人になりたいという気持ちは確かに芽生えてはいた。
それと同時に テータが誰かと話してる時 サタナキアがナキアを省こうとした時 ずっと心のどこかがズキズキしていた。
もし付き合ってしまったら このズキズキが多くなるのではないか、またはテータと喧嘩をしてしまうのではないか 好きな相手だからこそ 嫌いになりたくない。
そんな気持ちがナキアの付き合いたいという気持ちにブレーキをかけていたのだ。
「…、我な 昔信頼していた友がいたんじゃ」
今の葛藤に悩んでるのを見たサタナキアはナキアに対して昔話を語り始めた。
「我を含めて3人で仲良かった友じゃった みんな目指していたものがあったんじゃ、」
「うん。」
「しかし、1人 我の親友とも言える存在が我ら2人より先に目指してるものを向かってしまったんじゃ あの時我らは裏切られたと思った。 今思えばあの時我らは置いてかれるのが怖くてそんな勘違いをしてしまった。」
サタナキアは今でもその出来事を後悔しているように語り続けた。
「貴様は、昔の我と同じように 今までどおり何も変わらない所を望んでいるんだろうが、変わらないと何も成長しないし 置いてかれたと後悔するだけじゃ」
サタナキアは今までように煽るのではなく、真剣にナキアのことを考えてそう語った。
その熱意はナキアの心を微かに動かした
「そうだね。変わらないとね」




