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妖刀に魅入られしスケルトン 〜迷宮を支配し、無敵の軍勢を率いる《最強》の剣魔王〜  作者: 銀翼のぞみ
三章

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百二十五話 とある可能性

 シグレと短くやり取りを交わすと、サヤは再び《エンチャントウィンド・極》による風を纏いその場から飛び出す。狙いは紅蓮のバハムート・コピーだ。


「迎撃――」


 風の速さで接近してくるサヤに対し、紅蓮のバハムート・コピーは手にした魔剣に体と同じ紅蓮の炎を纏わせ腰溜めに構える。


 対しサヤは――


「《エンチャントバレット・極》!」


 炎属性の魔弾スキルを発動。

 バハムート・コピーに向かって極大の炎魔弾がいくつも飛んでいく。


「遠距離攻撃、無効化――」


 そう言って、バハムート・コピーが魔剣を一気に振り払う……その直前だった――


 サヤは自身の纏う嵐のような風を操り、シグレの刀身に収束させる。


 そして……斬――ッッ!!


 一気にシグレを振り払うと、その刀身に纏った風を刃のように飛ばす。

 風の刃は今まさにバハムート・コピーに着弾しようとしていた炎魔弾たちを切り裂いた。

 次の瞬間――ドゴォォォォォォッッッッ!! と凄まじい音と閃光が迸る。

 炎魔弾が風の刃に切り裂かれたことによって気流と混じり合い、爆発を起こしたのだ。


「ダメージ……確認――」


 魔剣を持つ方の肩を押さえながら、爆炎の中から姿を現すバハムート。


 魔族によって生み出されたコピーとはいえ、Sランクモンスターに大きなダメージを与えたのを見て、グランペイルやアリサたちが「すげーぜ!」「さすがご主人様です!」と興奮した声を上げる。


 ふむ、やはり読み通りだったな……紅蓮のバハムート・コピーを見据えながら、サヤは自分の考えが正しかったのだと認識する。


 四魔族・ウァラクは去り際に、ベリトクルスの研究をもとにバハムート・コピーたちを生み出したと言っていた。

 四体にはそれぞれ属性が与えられたようだが、コピー体であれば基本の動きは同じ――そう踏んで、サヤは攻撃を仕掛けたのだ。


 初見のSランクモンスターであったのであればしばらく様子見、もしくは撤退するしかなかったもしれない。

 しかしサヤはムルトニア山脈でバハムートとダークの戦いを見ていた。ただ一度の戦闘でバハムートの基本的な動きを理解し、実戦でそれを活かしたのだ。


「ふむ? あの個体、傷を回復する様子がないようじゃが……サヤ、これは」


「ああ、シグレ。恐らくオリジナルのバハムートと違い、回復スキルを持ち合わせていないようだな」


 紅蓮のバハムート・コピーが炎を纏った魔剣を反対の手に持ち替えたのを見て、シグレとサヤはその可能性に至る。

 どうやらその読みは合っていたようで、他のコピーたちも傷ついた仲間を回復する素振りは見られない。


 そのうちの一体、紺碧色のバハムート・コピーに至っては、リーリス皇女と激しい攻防を繰り広げるのに全力を注いでいる。


「くッ、なんて速い……さすがはSランクモンスターですねッ」


 冷気を纏った魔剣による連続攻撃をまるで舞うかのようなステップで右へ左へと回避するリーリス皇女。


 敵の大振りな攻撃を回避したところで「喰らいなさい!」と、ミストルティンから白銀の矢を複数放つ。


 そのうちの一本がバハムート・コピーの肩に当たる……が、敵は怯む様子が見られない。

 よく見ればその肩に氷を纏わせ、矢がその体に到達するギリギリで阻んでいるではないか。


 しかしこんな単純な攻撃で終わる勇者ではない。


 リーリス皇女が「輝きなさい、聖なる矢よ!」と高らかに叫ぶ。


 すると肩の氷で阻まれた矢がその輝きを増し範囲ダメージを与える――はずだった。


「な! また効果が発動しない!?」


 驚愕するリーリス皇女。

 矢は敵に範囲ダメージを与えるどころか、その全身を氷で覆い尽くされてしまった。


 そしてその向こうでは――


「くっ、先ほどから聖剣の効果が……ッ」


 そう言いながら翠緑のバハムート・コピーと剣戟を交わすフラン。

 しかし、その両手の中の聖剣の纏う白銀の光が弱々しく点滅しているのが確認できる。


 戦況が乱れてきたことで、ブレスによる攻撃を控え爪や剣尾による攻撃を駆使してフランとともに翠緑のバハムート・コピーと戦うダーク。

 そして彼女も疑問を抱いていた。フランほどではないが、自身の攻撃の威力も普段より弱まっている。そのせいで思ったように出力もダメージも出ず、思ったように戦えないのだ。


 どういうことだ? このパーティの中で特に強い三者が押されている、しかも三者ともに神聖属性による攻撃手段を持つというのに――いや、そういうことか……ッ! 紅蓮のバハムートの相手をしながら、とある可能性に気付くサヤ。


 そのまま纏った風の力を使い敵から大きく距離を取ると、リーリス皇女たちに警戒を促す。


「皆聞け! この複製体たちに神聖属性による攻撃は効果が薄い可能性がある!」


「……!? どういうことですか、サヤさん!」


 敵の魔剣による攻撃を交わしながら声を上げるリーリス皇女。

 彼女がバハムート・コピーから距離を取ったのを確認すると、それをバックアップすべくエリアエリアとグウェンが連携して攻撃を仕掛ける。


 ダークとフランのバックアップも、グランペイル、ヴァルカン、そしてアリサによって行われる。


 それらを確認しながら、サヤは言葉を続ける。


「全体の戦況を確認しながら戦っていたが、このコピーたちが無効化した攻撃は神聖属性によるものだけだ。つまり、この四体は神聖属性を無効化……もしくは弱体化させる能力を有している可能性がある!」

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