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25 とある日の夜。

今回の話はルルミアの可愛さを知ってもらいたいのでルルミアと太一メインです!

 

それと、新しく「異世界に転生したのにまさかのスキル《ホームセンター》で最強に!」を投稿してみました。

もし時間があれば読んでいただけると嬉しいです(^^)

 ギュースト市を後にした俺達は、ルルムの森へと向かうためフーゼル村で貰った馬車で東へと向かっている。

 だが既に街を出発してから3時間ほどが経過していたため、日は傾き辺りは徐々に暗くなり始めていた。


 これは今日はここまでかな。暗闇だと馬は進めない。

 俺は魔法を使えば暗闇でも昼のように見ることが出来るけど、危険を冒すことも無いだろうしな。


 「ふぅ、そろそろ野宿の準備でもするか」


 「そうですね、この先は今回のバジリスクに代表されるようなモンスターが多く生息しているルルムの森です。夜は下手に動かない方がいいでしょうね」


 俺の言葉に、隣で馬を操るルルミアが答える。

 その後ルルミアはしばらく馬車を進ませると、道の隣に現れた広場に馬車を止めるのだった。


 だが馬車が停止したことで、それに気が付いた後ろに乗っているエイラとルナはすぐさま馬車を飛び降り、草いっぱいの地面に倒れ転がり始めた。


 「うわぁ!! 草が気持ちいい!!!」


 「うむ!! ずっと馬車に乗っていたからな、お尻が痛くて痛くて……。だがこのように草の上を転がっていると、そんなことも忘れてしまいそうだ……」


 むぎゅう……。エイラとルナはひとしきり転がり終えると、うつぶせのまま動かなくなった。

 

 まったくこの2人は……。ここが一応危険区域だってことは分かってるのか??


 「ほら2人とも!! 遊んでないで薪集めに、食料集め。やることはいっぱいあるんだからな!!」


 「分かっていますけど、ねぇルナ様……?」


 「うむ……。タイチ様もこうしてみれば我々の気持ちが分かりますよ」


 エイラとルナは、俺の言葉でも全く動こうとしない。

 だがそれを見ていたルルミアは2人の元まで進み膝を曲げると、笑みを浮かべながら2人へと話しかけ始めるのだった。


 「エイラさん、ルナ様? タイチ様が困っていますよ??」


 「だって気持ちいいんですも……」


 「そうだぞルルミア。お主も自然に身をゆだねてみれば……、はっ!!」


 2人はルルミアに顔を上げ答えようとした。

 しかし時すでに遅く、そこには笑みは浮かべているが目が全く笑っていなルルミアがただ無言で自分達を見つめていたのである。

 これにはエイラとルナはすぐさま立ち上がるのだった。


 「いや、まぁうん! そろそろ薪集めでもしようかと思っていたところだ」

 

 「そ、そうですね! ルナ様、行きましょうか!!」


 「そ、そうだなエイラよ! タイチ様にうんと美味しいものを取りに行こう!!」


 バッ!!! エイラとルナは汗を額いっぱいにかきながら作り笑いを浮かべ、目にも止まらに速さでその場を後にしていくのだった。


 あーぁ、だから俺が先に言ったのに。ルルミアは怒らせると怖いからなぁ……。

 まぁ、いつまでも学ばない2人も悪いんだけどな。


 「それじゃあ私達は、食事の準備でも始めましょうか?」


 「あ、はい。そうですね……」


 ニコッ……。 俺はこちらに振り返りいつものように笑みを浮かべるルルミアの姿に、彼女は怒らせまいと再び心に誓うのだった。






 


 パチパチッ……。

 辺りは既に闇に包まれ、森の中からは様々な生き物の鳴き声が聞こえてくる。

 ルナは薪集めの際に捕まえた小型の豚の様な頭から角の生えた生物を食べたため、お腹をいつもの3倍ほどまで膨らませ倒れ込んでいた。

 これはエイラも同様であり、その光景に俺はつい笑みをこぼす。


 ルルミアはと言うと、食事の片づけを終え俺からもらっていたミストール遺跡産のハーブティーをカップに入れ俺が座っている丸太の隣に腰かけた。


 「どうぞタイチ様」


 「ああ、ありがとうルルミア。やっぱりこのハーブティーを飲まないと一日が終わった気がしないな」


 「フフフッ、そうですね。それは、また魔法書ですか??」


 ルルミアはカップに口を付けつつ、俺が焚き火の光で読んでいる古い書物を覗き込んだ。


 これは俺が習得者で出現させた魔法書だが、ルルミアはどうも魔法に興味があるらしい。


 「そうだよ。ルルミアも読んでみるか??」


 「いいんですか??」


 俺の言葉に、ルルミアは満面の笑みを浮かべ魔法書を受け取りその中身に目を通していく。

 しかし俺が見ていたのは上級魔法の書物であり、ルルミアはしばらく書かれている術式を見つめるその内容を全く理解できず、ついに読むのを諦め魔法書を俺に返すのだった。


 「うぅぅぅ……。私には難しくて何が何だか……」


 「ハハハハッ、ごめんごめん。ならこれならどうだ??」


 (スキル 習得者が発動。 魔法書を選択してください。)


 俺はいつものように習得者を発動させ目の前に浮かび上がった魔法書の中から一つの魔法書を選択。

 それを自分の手に出現させ、ルルミアへと手渡した。

 その本の表紙には、こう書かれている。


 (下級魔法入門 水魔法)


 まぁ、これならルルミアでも理解できるだろう。

 獣人は確か魔力があまり多くない種族。だからこそ剣技などで魔法を使う者との差を埋める術を身に着けている。

 現にルルミアは魔法を使わずとも、それなりの強さを持っているしな。


 俺が視線をルルミアに戻すと、ルルミアは嬉しそうに魔法書の中身を読んでいた。

 ただ時折分からない部分もありその度顔をしかめる。俺がその顔がおかしく笑みを浮かべていると、それに気が付いたルルミアは頬を膨らませこちらを睨んできた。


 「何笑ってるんですか!! あっ、私がこの程度も分からないってバカにしてましたね??」


 「そ、そんなことないぞ? 熱心に読んでたからついな……」


 「むぅぅ……。そう言うならタイチ様が教えてくださいよ!!」


 そう言うとルルミアは体を俺の体にピタリと付け、魔法書を2人の足の上に広げた。

 これには流石に俺も一瞬動揺したが、すぐに気を取り直すとそれを気づかれないように魔法書の術式を読み上げルルミアに魔法を教え始めるのだった。


 「こ、これはだな……。こうするんだ」


 「ふむふむ……」


 体近いなぁ……。何だかいい匂いもするし、何より目の前にルルミアの耳が……。


 ヴゥゥゥゥン。 俺が術式を読み上げ、ルルミアもそれに続くと魔法書の文字が光る。

 するとルルミアの掌からは水が溢れ出した。ただ俺は目の前で揺れるルルミアの耳が気になりそのことに気が付かなかった。

 

 これまでは気にしてなかったけど、モフモフしてて気持ちよさそうだな……。


 俺の顔は徐々にルルミアの耳に近づいていく。

 そうしてもうすぐルルミアの耳と俺の口元が触れ合いそうになったその時、ルルミアが魔法を止め耳を押えながら俺の顔を見上げた。

 その目はどこか涙ぐんでいるようであった。


 「もう! 耳に息を当てるのは止めてください!!」


 「あっ、ご、ごめん!! 別にそういうつもりじゃなくて、ただモフモフしてるなって……。」


 「なっ!! モフモフッ?!」


 その言葉でルルミアの顔は焚き火の光のせいなのか、見る見るうちに赤く染まった。

 そしてしばらくの間何も話さない。


 まずい! 俺何か変な事言っちゃった??

 謝らないと、ルルミアが切れる……!!!


 「ご、ごめんルルミア!! 別に変な意味じゃ……」


 「……タイチ様が触りたいのなら、別に、触ってもいいですよ?」


 ……え???

 

 俺はルルミアの予想外の言葉に動きが止まる。確実に怒られると思っていたからだ。

 

 触ってもいいの?? そりゃいいなら触ってみたいけど、それはいいのか??

 クソッ、でもモフモフの誘惑には……!


 「ほ、本当にいいのか?」


 「…………コクッ」

 

 ルルミアは俺の言葉にうつむきながらも小さく首を縦に振った。

 触ることを許された目の前のモフモフに、抗える人間はいないだろう。

 俺の右手は徐々にルルミアの頭の上にある白い耳へと伸びていった。


 うわぁ……、昔買ってたウサギを思い出すなぁ……。

 もう少し、もう少し……。


 ガクッ! しかしあと少しで俺の手がルルミアの耳に到達する、まさにその瞬間、突然ルルミアは俺の体に倒れ混んできた。

 

 「うわぁ!! ……、あれ? ルルミア、さん??」


 「…………」


 「寝てる……」


 しばらくして俺が覗き込むと、ルルミアは俺の胸の中で寝息を立てていた。 

 どうやら突然魔法を使ったことによる反動で、意識を失ったようであった。


 よ、よかった……。でも獣人が魔力が少ないというのは本当みたいだな。

 まさか初級魔法、それも水生成をしばらく使っただけで意識を失うとは……。

 

 「スゥ……、スゥ……」


 「はぁ……。まぁこのところルナやエイラの世話とか色々疲れていたのかな。こうしてると、ただの可愛い女性なんだが……」


 フッ……。俺はルルミアの体を抱えるとエイラやルナが寝ている場所まで運び、敷き布が引いてある場所にルルミアの体をゆっくりと下ろした。

 その際に、自分の顔に当たっていたルルミアの耳のモフモフを堪能したのは言うまでもない。


 「……タイチ様の、お役に。ムニャムニャ……」


 「……寝言か。ルルミアは今でも十分すぎるくらい役に立っているよ……」


 「へへへへっ……」


 ルルミアはまるで聞こえているかのように俺の言葉で子供の様な笑みを浮かべた。

 その姿に俺も笑みを浮かべるとその身体に毛布を掛けるのだった。


 「ふぅ……。今日は1人で火の番だな」


 「うがぁー!! もう食えんぞ!!!」


 「その通りです!! ムニャムニャ……」


 俺が火の前の丸谷再び腰かけたその時、ルナとエイラが突然声を上げる。

 あまりの声の大きさに俺は一瞬驚きで体を震わせたが、それが寝言と気づくと大きくため息を付いた。


 「はぁ……。エイラはともかくルナは寝る必要はないだろ……。全く、どこが守護者ガーディアンなんだか」


 俺はそうつぶやくと丸太の上に置いていた魔法書を再び手に取り、夜が明け3人が目を覚ますまでの間の時間を過ごすのだった。 

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嫌われ最強転移者、正体隠して頑張ります! ~刻まれた転移紋は、嫌われの証~ 新作を書いてみました! 良ければ読んでいただけると嬉しいです!! ブクマ&評価も頂けると更に喜びます笑
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