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14 新たな脅威!

1日1000pv達成しました!

これも読んでくださっている皆様のお陰です( *´艸`)

ありがとうございます!!

 俺が男を追い払った数十分後。

 

 エイラを助けた俺は、ようやく静かになった宿の奥に席を移し、注文した食事をエイラにとらせていた。

 しかし先ほどの出来事でトラウマが蘇ったのか、未だその眼に涙を浮かべながら目の前の机に置かれている食事を口に運んでいく。


 「グスッ……。お、美味しいです……」


 「もう泣かないのエイラさん。あいつはもうここにはいないんだから心配しなくてもいいのよ? それにまた懲りずに来るなら私が追い払ってやるわよ!!」


 「は、はい……。ごめんなさいルルミアさん。そうですよね……。私、もう泣きません!!」


 「その意気よ、エイラさん!!」


 フフフッ……。ルルミアはようやく笑顔を浮かべたエイラの頬を流れる涙を拭うと、自身も目の前のスープに口を付ける。

 そんな二人の姿に、俺はようやく安堵の表情を浮かべるのだった。


 こういう時は本当にルルミアがいて助かる。

 てかこいつ本当に有能だな……。

 ……ん??


 しばらくして、俺はカウンターの奥からこちらに手招きをする宿の親父の姿が目に入った。


 まったく……、用があるならお前が来いよな……。


 「はぁ……。ルルミア、少しエイラを頼めるか??」


 「え、あ、はい! それは大丈夫ですが、タイチ様はどちらに??」


 「……あれだよ、あれ」


 「あぁー……。フフフッ、分かりました!」


 俺がカウンターから笑顔を浮かべこちらに手を振る親父の姿に親指を向けそのことをルルミアに教えると、ルルミアは俺がその場を離れる理由を察し笑顔を浮かべ小さく手を振った。


 そして席を立つ俺にエイラも不安そうな視線を向けてきたが、すぐにルルミアと同じように笑みを浮かべるのだった。

 俺はそんな2人を後にすると、宿の親父のいるカウンター席、その一番左端へと進んでいく。


 「……それで? 何か用があるのか??」


 「いやぁ、綺麗どころと食事をする兄ちゃんをからかってやろうと思ってな!」


 ガハハハ!! 俺が席に到着し、その席に腰を下ろすと親父はカウンターに肘をつき豪快に笑い声を上げる。

 しかし、しばらくするとそんな表情とは打って変わり真剣な面持ちで俺に口を開くのだった。


 なんだ……? やけに真剣な顔つきだけど……。


 「まぁ、冗談はこのくらいにしとこうか。あまり大きな声では言えないが、兄ちゃん達。この街にいる間は用心した方がいいぜ??」


 親父は俺の顔に自分の顔を近づけると、口元を手で隠し小さな声で話始めた。


 「……どういうことだ?」


 「やっぱり知らないか……。いいか? 今日兄ちゃんが追い払ったあの男、まぁ一応冒険者ではあるんだが、あいつはこの街でも有名なゴロツキなんだよ。俺はこういう仕事をしているからな、客の話から良いことも悪いことも全て耳に入ってくるんだ」


 ……まぁ非合法で、しかもアンデッドの囮用として奴隷を買うくらいの奴だからな。

 今更そんなことを言われても驚きはしないが……。


 「……つまり、他にあいつの悪い噂を知ってるってことか?」


 コクッ……。 俺の言葉に親父は小さく頷き、言葉を続けていった。


 「そうだ。兄ちゃんはこの辺りを荒らしまくっている盗賊団を知っているか??」


 盗賊団……。確かあのお喋り領主のディートゲイルが言ってたやつだな。


 「ああ、詳しくは知らないが……」


 「なら話は早いな。奴らは蒼龍の団って名乗ってるんだがな、盗みに殺し、それに襲われた村の女は全て慰みものにされるっていう、まぁとんでもない奴らなんだ。その蒼龍の団にあいつは所属してるって話だ。末端ではあるみたいだがな」


 「はぁ?? 冒険者が盗賊団!? 全く世も末だな……」


 シィィ!! 俺が突然あまりにも大きな声を出したため、親父は慌てて口に指を当て俺に静かにするように促す。

 その後しばらくして周りの視線が俺達から外れたのを確認した親父は、小さくため息をつき、頭に手を当て再び俺に答え始めた。


 「まったく……、声がでかいぞ兄ちゃん」


 「す、すまん……。それで何で冒険者が盗賊団なんかに??」


 「いや、まぁ特段珍しいことではないんだけどな。最近は冒険者の量も質も以前より格段に上がっている。そうなれば自然とこれまでは依頼を受けれてた奴らから弾かれる奴も出てくるわな。そうなれば生活に困る奴らも出てくるからな……。冒険者をやめて盗賊まがいの事をする奴らも出るって訳さ。まぁ、あいつみたいに現役の冒険者が盗賊団の片棒を担ぐってのは今まで聞いたことないが……」


 なるほど……。そう言う奴は中途半端に腕っぷしには自信がある奴が多そうだからなぁ……。

 あいつの態度を見ていればよく分かる。


 「……話は分かった。でも流石に街中では派手なことは出来ないだろ? 街には兵士もいるしそこまで心配することでもないんじゃ……」


 チッ、チッ……。しかし親父は俺の言葉に両手を顔の位置まで上げ、小さくため息を付きながら首を左右に振った後、カウンターに置かれているグラスに紫色の飲み物を注ぎ、それを俺の前に差し出した。


 「兄ちゃん、酒は飲めるよな? これは俺の驕りだ」


 「あ、ああ。ありがたく頂くよ」

 

 別に必要はないが、この体でも食事はとれるからな。

 まぁ、死者の反逆を使っていても酔うことが出来ないのが悔しいが……。 


 ゴクッ……。俺が差し出された酒、その味から恐らくワインと思われる酒を口に運んだのを確認した親父は再び話始める。


 「……あまり蒼龍の団を甘く見ない方がいいぞ?? ああいう奴らは総じてプライドが高い。今日の事をあの野郎から聞けば必ず報復に動くはずだ。 しかも奴らの親玉はレベルがかなり高いって噂だからな……。まぁ、兄ちゃん位強ければ大丈夫だろうが、あの嬢ちゃん達の事は気を付けてやることだ」


 確かにあいつらは領主であるディートゲイルの馬車を襲撃したくらいだ。

 あまり楽観するのはよくないな……。


 親父は奥の席で笑いながら食事をするルルミアとエイラに視線を移しながら答える。

 俺も続けてそんな2人に視線を向けた後、再び親父へと視線を戻し手元のグラスを口へと運んでいった。


 「……分かった。その言葉、肝に銘じておくよ」


 ワインを一気に飲み干しグラスをカウンターにゆっくりと置いた俺に、宿の親父は一度頷くと、それ以上は何も言ずカウンターに置かれているグラスを布で拭いていくのであった。
















 ─ギュースト市外 南西に20kmの洞窟─

 

 その日の深夜。ギュースト市外の森の中、その更に奥にある洞窟内では多くの大柄な男達が酒を飲み、嫌がる女達を無理やり襲っていく。

 この洞窟内の財宝や女性達は、洞窟内で笑い声を上げている彼らに攫われここに連れてこられている。

 そう、この辺りを荒らしまくっている蒼龍の団によって……。


 その洞窟内の一番奥、団旗である蒼龍が描かれた黒地の旗が壁面に張られている場所に首に鎖を着けられた殆ど裸の女性を両隣に侍らせている男の前で、エイラを奴隷としていたあの男が額に汗を浮かべながら土下座をしていた。

 

 「……それで? あなたはその仮面の男に何も出来ず逃げかえってきたのですか??」


 「は、はい!! ですがあいつの力は俺では全く歯が立たず……。」


 「ほう。力だけが取り柄のあなたでも敵わなかったのですか……。」


 ガシャンッ……。 男の前でグラスを手に持つ若い40代程のやせ型の男性は、腰までありそうなその青い髪を揺らめかせながら右隣にいた女性の鎖を持ち立ち上がり、ゆっくりと土下座を続ける男の元へと近づいていった。


 な、なんてオーラだ……。近くにいるだけで恐怖で汗が止まらなくなる……!!!


 男が恐れる目の前の男性、彼の名はラティウス・ヘルベルグ。

 かつては王国でも5本の指に入ると言われたほどの剣技の技を持った兵士であり、そのレベルはLv.80を超える。

 だが部下により無実の罪を背負わされ、王家より騎士の称号を剥奪、彼の家族も全て財産を没収の上国外へ追放されていた。

 その後ラティウスは軍を脱走。その後の行方は全く掴めず、公式には死亡したことになっている。

 しかし密かに生き延びていた彼の王国への恨みは凄まじく、盗賊団である蒼龍の団を組織し王国内を荒らしまくっていたのである。



 「まぁ、頭を上げてください。」


 男は目の前まで進んできたラティウスの言葉で恐る恐る頭を上げる。

 しかし頭を上げた直後、男が自身の体に何かが降りかかってきたと感じた次の瞬間には、目の前にラティウスが連れて来た女性の首が落ちてきたのであった。

 そこで男は初めて先ほど自分に降りかかってきたものが、彼女の血液であることに気が付く。


 「……ひっ!!!」


 「まぁ、今回だけは許してあげますよ。現役の冒険者であるあなたがいると何かと都合もいいですからね……。ですが、今度そのような醜態をさらせば次にこうなるのはあなたですからね??」


 ドシャッ!! ラティウスがいつの間にかその手に握られていた剣を腰の鞘へと再び収めると、首を失った女性の体が力なくその場に倒れ込んだ。

 その光景に男は腰が抜け、全く体を動かす事が出来ないが心の中には恐れとは別に別の感情も湧き上がっていった。


 な、なんて剣速なんだ……。いつ剣を抜いたのかも全く見えなかった……。

 これが閃光と呼ばれる団長の剣……!!

 これだけの力があれば、俺達は誰にも負けることは無い……!! 


 「……しかしその仮面の男とエルフの娘。少し興味が湧いてきましたね。」


 「えっ?? あのように小汚い奴隷もですか??」


 「はい。もしかするとあなたはとんでもない娘を手に入れていたのかもしれませんよ?? あなたの記憶にある映像をも見ましたが、あの娘の顔……」


 あの方が探しているエルフの娘に似ていたような気がしますね……。

 で、あるならばこれは復讐とあの方への恩返しが同時に出来るかもしれない……。


 ラティウスは再び座っていた毛布が敷かれている場所に腰を下ろすと、魔法で目の前の男の記憶を除いた際に見たエイラの顔を思い出し笑みを浮かべる。

 そしてしばらく考えた後、男へと口を開いた。


 「……次の標的が決まりました。目指すはそのエルフの女。明日にでもギュースト市へ潜入し、その女を手にいれます。1時間後、団員達をここへ集めてもらえますか??」


 「は、はい!! 直ちに!!!」


 バッ!! その言葉でようやく体が動いた男は勢いよく立ち上がると頭を下げ急ぎその場を離れ、他の団員達が騒いでいる場所へと走っていく。


 ふふふふっ……。私にも運が回ってきましたかね……。

 これで王家への復讐という目標がまた近づいてきましたねぇ。


 「……ハハハハハハハッ!!!」


 ラティウスは女性と2人きりになりしばらく考えた後大きく笑い声を上げると、その異様な姿に隣で怯える女性の体を楽しみ始めるのだった。

評価とブックマークをして頂けるとありがたいです!

一度でいいからランキングに載ってみたい・・笑

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嫌われ最強転移者、正体隠して頑張ります! ~刻まれた転移紋は、嫌われの証~ 新作を書いてみました! 良ければ読んでいただけると嬉しいです!! ブクマ&評価も頂けると更に喜びます笑
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