謎の場所 不穏な会話
どこか暗い場所。
灯りは、蝋燭が一つだけ。
湿った空気。
石造りの部屋。
そこに、三つの人影があった。
「流石に……」
柔らかな声。
優男が、肩を竦める。
「金級パーティが居るとなると、なかなか彼に手は出せませんねぇ」
その言葉に。
向かい側の老人が、小さく頷いた。
深く皺の刻まれた手。
ローブ姿。
静かな声で言う。
「となると……しばらくは大人しくするべきですかな?」
その横。
若い女の声が、くすくすと笑った。
「でもぉ?」
甘ったるい声。
「せめて身体の一部でも持って帰らないと、上は納得しませんよぉ?」
優男は、困ったように笑う。
「身体の一部と言いましてもねぇ」
細剣を弄びながら続ける。
「もう街中で襲撃するのは無理ですよ」
「私でも、流石に手を焼きます」
老人は静かに考え込む。
蝋燭の火が揺れる。
そして。
若い女が、楽しそうに言った。
「ならぁ……」
「眠らせて、その間に短時間で取れる部位だけ貰っちゃいましょうかぁ?」
その言葉に。
老人の目が細められる。
「短時間……」
指を組む。
「となると、骨の無い部位でしょうな」
「それと、魔力が濃く絡む部位……」
静かな沈黙。
やがて。
老人は、淡々と結論を出した。
「……ふむ」
「では、“目”を頂きましょう」
その言葉に。
蝋燭の火が、不気味に揺れた。
優男は、薄く笑う。
「問題は、どう接触するかですが……」
すると。
若い女が、けらけら笑った。
「簡単じゃないですかぁ」
無邪気な声。
「薬って言って渡せばいいんですよぉ」
「彼、素直そうですしねぇ……?」




