エキスプロー領 引き継ぎ!
「本日より このエキスプロー領の領主になりました。『ルナマリア エキスプロー子爵』です。皆様 よろしくお願いします」
「黒っ?」
「黒い霧が、、」
「まだ子供ではないか」
「黒過ぎる!」
「女性なのに子爵なのか?」
「本当に統治出来るのか」
などと聞こえる。
「皆さんもお聞きでご存知かと存じますが 私は神の御使いです。単騎でワイバーンを討伐致しました。この様に空を飛ぶ事も出来ます。意義がございましたら陰口を叩かず 私に直接言ってください」
私は全員の目の前で空を飛んでみせる。
「ひ、人が空を飛んでいる」
「ワイバーンを倒したと確かに噂では聞いていたが、、」
「エキスプロー子爵様は 間違いなく神の御使様です。アルジンネード様の神愛色であり ラバーダ・ヴイ様の真名を賜り 御使となられた尊き御方です。神々との会話も可能です。国王陛下だけでなく教会でも認定されております」
新しく領内に赴任して頂いた領内総司祭長『インプーレ』さんが言う。実は王都から引き抜いて来たのである。
周囲が騒つく。
「おおーー」皆さんから 声が上がる。
私は気にせず続ける。
「こちらの女性は領の代官を務めます」
「『フローラ エイツ準男爵』です」フローラが挨拶をする。新設の『エイツ準男爵』
「こちらの女性は同じく領の代官を務めます」
「『ラーナ ビイツ準男爵』です」ラーナが挨拶をする。新設の『ビイツ準男爵』
「代官が2人とは 一体どういう事ですか?」領内の総ギルドのギルド長『シェードガイ』が言う。
「私は将来 公爵になる事が約束されております。ですので代官として準男爵を2名任命する権限を頂いております」
「な、何? 公爵になる事が決まっているのですか?」学園長『メーダルゲジ』が言う。
「はい」
周囲が更に騒つく。
「こちらは領の筆頭文官を務めます」
「『ステイリー』です。よろしくお願い致します」ステイリーさんが挨拶する。
「こちらは領の筆頭補佐官を務めます」
「『シュリー』です。よろしくお願い致します」シュリーが挨拶をする。
「最後に筆頭客人です」
「『初霜 麦粒鉗』でござる」
「麦粒鉗、、麦粒鉗さま?」
「初霜 麦粒鉗様と言えば、、麦粒鉗帝国の第三皇女殿下。。どうして こちらに?」総医師長『スパチューラン』が聞く。
「そうでござるな。ルナマリア殿に手合わせで負けてな。気に入ったでござる」
「初霜様も 神の御使様にございます。ノギースデン様の神愛色であり ノギースデン様の真名を賜り 御使となられました尊き御方様にございます。麦粒鉗皇帝様だけで無く 教会でも認定しております」
「先程から。。麦粒鉗様には失礼とは思いますが、、神愛色や御使などと、、どこから連れて来たのかもわからない新任の司祭長に言われても三文芝居にしか思えん」
「そうだ! 我々を差し置いて 代官も勝手に決めて。その上 筆頭文官それに筆頭補佐官に平民を据えるなんて!」
「我等はパラフィー子爵領領主不在の間 王家直轄といえこの地を守ってきた貴族だぞ!それをノコノコと現れて偉そうに」
旧パラフィー子爵時代の生き残り 準男爵達が吠える。
「わかりました。では今から神の御神託を頂きます。この領は最早パラフィー領ではございません。エキスプロー領です。ご不満があれば私が施政し難いので この地を出るか? この地に残るなら貴族籍を剥奪させて頂きます。国王陛下より御許可を頂いております。またインプーレ様は わざわざ王都の教会の司祭長をこちらにお越し頂きました御方です。教会の制度を整えるのに重要な御方です」
「・・・」
「では再度問います。ご不満のある方はどうぞ!」
つい先程 吠えていた準男爵達が黙る。
「私を信用していないのでは? 御神託と言うと黙られて。ご不満は無いと?」私は煽る。
「やはり脅しか!嘘つきが!」
「そもそも 神との会話など人族に出来るものか!」
「我等を愚弄するとは!」
「我等が居なくて この領の運営など出来るものか!」
先程の準男爵達が息を吹き替えしたかの様に吠える。
「アルジンネード様 よろしくお願い致します」
一筋の光が差し込んで来る。
『我の声を聞け! ルナマリアに嘘はない! ルナマリアの望みを叶えよ!』
周囲にいる全員が 初霜様も含めて一斉に片膝をついて祈りのポーズを取る。涙を流している者もいた。
「おおーー! 神よ! その美しい御声をお聞かせ頂き感謝致します」
「では そちらの準男爵達皆様は 身の振り方をこの場に於いて 即!ご決断下さい」
私は底意地が悪い。
「・・・すいませんでした。。まさか本当に神様の御使様とは信じられず、、」
「大変申し訳ございません。。我々もつい熱くなり。。ご理解頂きたく存じます」
などと 猫撫声で気持ち悪い。
「では 貴族籍を剥奪致します」
「何を!黙って聞いていれば」
「私に楯突けば 神罰が下さりますよ。やりますか?」
「ぐぐっ。。」
「どちらか お選び下さい!」
「我等はこの地を出る。後で泣き付いて来ても知らんぞ」
「我等が居なくて 成り立つと思うな」
などど 捨て台詞を吐いて準男爵達が出て行く。
「では 此処におられる皆様方は ご不満が無いと?」
全員が大きく首を縦に振って頷く。
私は 強引だったが この領の統治・施政に 邪魔な権威ばかり振り翳して全く役に立たない準男爵達を一掃する事に成功。また領内の重要人物達に神の御使である事を知らしめた。
「またしても!アルジンネード様のおかげです。一気に事が進んだ! やっぱり神様って凄い!困った時の『神頼み』だね!」
『はいはい。。はぁーー』またしてもアルジンネード様の溜息が聞こえた。




