天陽色 短期留学終了!
殿下は神愛彩色を解いて地面に降りる。私も地面に降りる。
辺り一面を見渡す。火の粉と雷で焼けただれた跡がある。闘技場で見学していた学生達は何とか元気そうで。呆けた顔をしてはいるが、、怪我人が無さそうで安心した。
「信じられない!なぁ武神とはそういった神様なのか? 普通人族は1体の従魔獣とのみ契約が出来 1種類の魔法しか行使出来無いはずだ。私なら雷系統だ!だが、、あんたは 空も飛べる 雷耐性も熱耐性もある様だ。しかも従魔武装も無く素体でだ。。それは あんたの身体が直接得ている能力という事になる。驚愕の事実。そして武器も形状変化が出来る。どの様な魔法を取得して鍛えれば その様な事が出来るというのだ、、」
殿下はとても驚いている様子だ。
「正直 私にもよくわかりません。アルジンネード様がそういった神様なのかどうか。。」
「あんたは 従魔獣も居ない。何故だ?」
「実は 私・・・」
『黙ってろ! 相手が敵か味方かもわからないんだ。手の内はあんまり晒すんじゃねえ!』
「アルジンネード様?」
『いいな! 感情に流されるんじゃねえ!』
「アルジンネード様から止められましたので、、これ以上お答えすることは出来ません」
「そ、そうか。すまない。確かに敵か味方かもわからないのに手の内を晒すなんて事は出来無いよな」
「・・・」
「すまなかった。武器の形状変化ももうダメか?」
「アルジンネード様?」
『そうだな、、相手は神愛彩色 ゴウシも出して来た。結構手の内を晒しているな。こちらも少しだけなら教えてやるか』
「ありがとうございます」
『ま、まあな』
「武器は様々な形状に変化させる事が出来ますよ」
私はそう言うとライス達を集めて黒い霧と混ぜて ジーヴァルにする。
「これジーヴァルって呼んでます。これをこうして こうして こんな感じです」
ジーヴァルを ジーヴァソード ジーヴァスピア ジーヴァシールド ジーヴァウォールなどに変化させて 殿下の前で実演する。
「す、凄いな!その様に変化させれるとは、、」
「ところで ライス達は何処にいるのだ?」
「此処におりますが、、」
私は周囲全体を指差す。
「す、凄いな! 私には全く見えない」
「でも殿下も凄かったです!この間ワイバーンを倒したのですが 正直全然疲労感が無かったのです。でも殿下との戦いはちょっと疲れました」
私はちょっとオーバーリアクションぎみに 右手で額の汗を拭う素振りをする。
「はは。嘘をつくな。この私が戦闘に於いて気を遣われるとは 情けない」
「そんな事はありません。とても楽しかったですよ いろいろと御使についても勉強になりました。本当にありがとうございます」
『そうなんだよなぁ、、神愛彩色とか主神様を模した従魔獣とか 今日は本当にいろいろと勉強になった!私はアルジンネード様に真名を刻んで頂いたら アルジンネード様を模した従魔獣が使える様になるのだろうか、、神愛彩色が出来たとして 黒に彩色されたところで 今と変わるのかなぁ、、』
私は殿下に頭を下げる。
「勝負はここまでだ。あんたの力を試してみたかったんだが、、今回は俺の負けの様だ。約束通り言う事を叶えてやる!何か叶えたい事はあるか?」
「え!よろしいのでしょうか。ではお言葉に甘えさせて頂きます。叶えたい願いがあります。それは殿下にいずれお願いに上がろうと思っておりました事案です」
「なんだ言ってみろ」
「では こちらへお越しになって下さい」
私は殿下を連れてシュリーの所へ行く。そしてシュリーも一緒に連れて3人で屋上に上がった。
「シュリーごめんね。でもシェリーの様に呪いで苦しんでいる子供達を助けたいんだ」
「はい私は大丈夫です。ルナマリア様はどこまでもお優しくて。お役に立てるのであれば頑張ります!」
「殿下。この子から私と同じ様な黒い霧が出ているのがわかりますよね? 私は違いますが、、この子から出ている黒い霧は 呪神エバーンスゾン様の神の御怒り。つまり呪いがかけられております」
「確かにあんたと同じ黒い霧が出ている。だがなぜ呪いだとわかる?」
「では呪いである証拠に この子の愛メーターをお見せ致します。シュリーお願い」
「殿下 よろしくお願い致します」
そう言うとシュリーは殿下の前に右腕を差し出した。
殿下は驚きと驚愕の表情をした。
「こ、これが色失ってやつか? これがそうなのか、、色失だからハートが3個も白なのか、、」
「・・・」
「えっ!やはり呪いなのですね。ライヘーベル様」
「・・・」
「わかりました。呪神エバーンスゾン様の、御怒り なるほど」
どうやらライヘーベル様と会話をなさっているご様子。
「わかった! ライヘーベル様もおっしゃっておられる。確かにエバーンスゾン様の呪いのようだ」
「ご理解いただけて助かります。そこでお願いなのですが この様に呪いを受けた子供達は黒い霧が発生しており とても目立ちます。実は 呪神エバーンスゾン様の神託があった事により 教会が呪いの発生している子供達を集めております。呪いをエバーンスゾン様に献上しているのです。理由は不明ですが。。ただ教会は神の神託を遵守している為 エバーンスゾン様の神託通り 呪いを集めている事を悪とはしておりません。そのため呪いを集める事をノルマの様に躍起になっている教会や 呪いを集める為に子供達を誘拐する教会があります。また教会の祈祷料が高すぎて 祈祷料が払えなくなった平民達の中で子供達を捨てる親などがおります」
ここまで殿下は何も言わず 神妙な面持ちで私の話を真剣に聞いて下さっていた。
私は続ける。
「この国に於いては 私の進言と総師団長様の進言 それにアルジンネード様の神託 国王陛下の英断によって 教会の祈祷料を平民達でも払い続けていける程度の金額にする事 誘拐は断頭台処分相当 呪いを無理強いして集めない事 騎士団が定期的に立ち入り検査に入るなどを法制化して この国の教会にも浸透させていく事になり 現在かなり進んでおります。そこで・・・」
ここまで一言も発さずに 黙って聞いて下さっていた殿下が私の言葉を遮る。
「わかった。皆まで言わずともわかった。教会はこの国デンタリュードだけには留まらず この世界に広がっている。我が国でも必ず ルナマリア殿の言う通り法制化して 約束通りルナマリア殿の願いを叶えよう」
「その様におっしゃって頂き 感謝致します」
私とシュリーは殿下に頭を下げる。
「はぁーー」
殿下が大きな溜息を吐いた。
「なんだかこっちは あんたの力を試しに来たのに、、あんたは そんな人の為 世界の為を考えていたなんてな。。自分の器の小ささを見せつけられた様だぜ。短期留学は終わりだ!終わり!」
殿下はそう言うと 私達の方を向いて真剣な表情になり 背筋を伸ばした。
「私は帰国致します。『ルナマリア エキスプロー子爵』『シュリー殿』大変お世話になりました。お困り事がありましたら 必ず助けに参りましょう。『イブケンタウ レーオス』の名に誓いましょう」
殿下はそう言うと 私達に一礼をした。
「国に帰ったら 忙しくなりそうだ。他にまだ何かあるか?」
私は 気になっていた事があった。
「ちなみに 殿下はいつから御使様になられたのでしょうか?」
「俺か? つい先日だ。神愛色は3年前だ」
「うん? 3年前? あれ?」
『愛メーター検査は 15歳だから あれ?』
「俺は 18だ!学園には内緒だけどな」
そう言うと 殿下は去って行った。
『えっ? 年齢詐称! 年齢詐欺じゃねえかー。。でも 何となくだけど 良い人だったなぁ。。』
『うん? ええーー! 短期留学って たったの 1日ーー!!しかも 年齢詐称って 大丈夫なのー』




