国王陛下からのお呼び出し(続)!
周囲が少し騒つく。父親は頷いている。
「うむ? なんだ申してみよ」
「昨日 私と同様に黒い霧を発生させております子供達を ある施設で発見致しました。黒い霧の発生原因は 呪神エバーンスゾン様の『神の御怒り』つまり『呪い』にございます。教会は何らかの形で 子供達の両親に呪いをかけて 子供達に呪いを背負わせる。お金のある貴族や平民からは 祈祷料として高額のお金を取る。貴族はトラブルの原因となる為 最終的には浄化をします。しかし お金の払え無い平民は 誘拐 拉致監禁して 呪いを生み出す者として 呪いを大量に搾取し続けて 子供達を傷付けておりました。従魔獣契約を行うと 呪いを背負っている子供達は黒い霧が発生致します。教会にしてみれば 見付け出し易くなる様です。『持黒霧』と呼んでおりました。私はそれが許せません。他にも多数の子供達が 苦しんでいると思います。ぜひ 御力添えをお願い致したく存じます」
「うむ。昨日 レージンからも聞いておる。だがな 施設の者の証言だけであり 子供達が捕まっていた事も事実であるが 教会が関与している証拠は何処にも無い」
『確かに、、』
「ですが 他にも 絶対に子供達が捕まっているはずです」
「他に子供が捕らえられている証拠 教会が関与している証拠が有りますか?」
「いえ、、ございません」
「では 国を動かす事は出来ん。そなたもわかるな?」
「しかし、、」
「ちなみに そなたの黒い霧も 呪いか?」
「いえ、、これは、、」
『正直に言って 信じて貰えるのかなぁ、、、』
「私の黒い霧は 武神アルジンネード様の『神の御寵愛』の影響です」
周囲が一気に騒ぎ出す。
「神の御名前を出すとは 畏れ多い! その上『御寵愛』などとは!」
「自惚れにも程がある!」
「黒い霧が 神の御寵愛などあるはずも無い!」
「王の前で 虚言とは!」
私は まず思い切って右腕の愛メーターを見せた。
私の右腕を見て 周囲の人達が 驚いて驚愕の表情をする。一瞬 見間違えたのかと思って 目をこすり再度私の右腕をじーっと見る。そして 私の右腕のハートの数を1つずつ数え始める。
「1・2・3・4・5・・・」
「ろ、、6個もあるでは無いか」
「ど、どうしたのだ これは! 全部黒いでは無いか、、」
「そうなのです。私の愛メーターは真っ黒なのです。しかも6個もあります。よくご覧下さい。この瞳も髪も真っ黒でございます。おそらく『アルジンネード様』の愛が重すぎて黒い霧が発生しているのです」
私は 黒い瞳と黒い髪を指差して 強調して見せる。
「だからと言って。それの何処が! 神の御寵愛の証拠になる!」
「そもそも 何故? その子供達の黒い霧は呪いとわかったのだ?」
「他の子供達は呪いで 何故? エキスプロー男爵だけが 呪いで無いと?」
「実は、、私はアルジンネード様と会話が出来るのです。そのアルジンネード様が 他の子供達は『呪い』だと教えて下さったからでございます」
「・・・」
「馬鹿な事を! 神と人が会話をする事など出来るはずも無いのだ!」
「何を言うかと思えば、、その様な虚言を!」
国王陛下が 右手を上げる。一斉に静かになる。
「何事に於いても 証拠が必要だ。示せるか?」
『証拠と言われても ねぇーー』
『ならば 俺がそいつら全員に神託を下してやろう』
「アルジンネード様 お願い出来ますでしょうか?」
『うむ。任せろ!その代わり 俺の神託が聞こえたなら ルナマリアを『神の御使』として認め 国王以外のウザ虫共を黙らせると約束させろ!でないと 俺の怒りが此処にいる貴族を一瞬で滅してやる!とそのまま伝えろ』
「えぇーー、、わかりました。。」
「国王陛下 皆様。アルジンネード様が御神託を下さります。それが証拠となりましょう。アルジンネード様は 皆様が私を信じていない事に 大層御怒りでございます。アルジンネード様のお言葉をそのままお伝え致します」
周囲の者達が 一気に唾液を飲む音が聞こえる。当然だ!嘘だと決めつけて馬鹿にしていた私の事が 急に信憑性が増したからだ。
「『俺の神託が聞こえたなら ルナマリアを『神の御使』として認め 国王以外のウザ虫共を黙らせると約束させろ!でないと 俺の怒りが此処にいる貴族を一瞬で滅してやる!」とおっしゃっておられます」
「ウ、ウザ虫だと、、」
「な、何? 神が本当に人間と会話を、、」
「う、うそに決まっている、、」
先程まで偉そうにしていた重鎮達が 酷く動揺している。
「わかった。我が名に於いて 約束する。ルナマリアよ 頼む」
「アルジンネード様! よろしくお願い致します」
急に 辺り一体に光が差し込んで来た。
『ルナマリアに嘘はない! ルナマリアの望みを叶えよ!』
周囲にいる全員が 国王陛下を含めて騎士達も 一斉に片膝をついて祈りのポーズを取る。涙を流している者もいた。
「おおーー! 神よ! その美しい御声をお聞かせ頂き感謝致します」
どうやら脳内に直接 アルジンネード様の声が聞こえた様だった。良かった。良かった。
国王陛下 宰相 此処いる全員が立ち上がって 先程までの勢いはどこへやら 神妙になり私に向かって頭を下げる。
「ルナマリア様。疑ってしまい申し訳ございません。真に神の御寵愛を受けておられるのですね」
『急に『様』付けだよー。態度が手のひら返しだよーー!』
「神の御使さまーー!」
「私達に本当、、天罰は無いのだろうねぇ?」
急に猫撫で声で 気持ちが悪い!!
「神の御声を 初めて聞いた。なんと神々しいのだ! わかった。ルナマリア殿を『神の御使』として認定する。爵位も男爵ではダメだ! 神様との御約束がある。そなたらより 上位階とする。宰相よ いかが致すか?」
「ルナマリア様は ひとまず子爵と致しましょう。神様との御約束がございます。此処にいる全員を黙らせる必要がございます。ですが、、いきなり公爵への陞爵は他国からも勘繰られる可能性があります。万が一にもルナマリア様を他国に引き抜かれでもしましたら それこそ国失です。ここはひとまず子爵と致しまして 後々に公爵まで陞爵する事と致しましょう」
「そうだな。公爵への陞爵は必ず行う事を国王の名の下に約束しよう。ひとまず『エキスプロー子爵』と致す。後は ルナマリア殿からの提案である。教会と呪いの件も対応せねばならんな」
「わかりました。早急に対策を考えます」
「わかりました。本日より『ルナマリア エキスプロー子爵』を名乗ります」
「うむ」
「それでは 明日 王城近くにあります教会に行ってもよろしいでしょうか?」
「うむ。私からの通達を出しておく」
「ありがとうございます。よろしくお願い致します」
「助け出された子供達は どの様になりますでしょうか?」
「レージンに一任致す。レージンよ ルナマリア殿と相談する様に 良いな?」
「は! 国王陛下の仰せのままに」
「アルジンネード様のおかげで 一気に事が進んだよ。やっぱり神様って凄い!困った時の『神頼み』だね!」
『はいはい。。はぁーー』アルジンネード様の溜息が聞こえた。




