ワイバーンを倒した!
おはようございます。
「し、信じられん。人が 空を飛んでいる」
「ワイバーンを 素手で殴ってたぞ」
「ワイバーンを 倒したぞ」
「人族の有史以来 人が竜を討伐した事など 1度も無い」
「凄い!!」
王国軍の兵士達が 下で騒いでいる。
私は面倒はごめんだが。。ワイバーンが落ちた場所に 止む得ず念の為 ワイバーンの生死確認をする為に そこに降りる。
ワイバーンは 顔が吹き飛んでおり 既に絶命していた。
私は 力を試せた事は良かったのだが なんとなく少し苛立ちを覚えていた。複雑な気持ちである。
王国軍の騎士の1人が 近づいて来て 私の肩をバシバシと叩いた。夜なので見辛いのだろうが 霧がうっすら見える様だ。
「黒い霧? 夜で確認し辛いのだが、、黒い霧??」
「まぁ。はは」
「凄い! 君は凄い!! まだ学生なのか? あのワイバーンを倒すなんて。あっ!いや そうでは無いな。すまない」
「私は 王国軍 総師団長『コンポット レージン男爵』だ。初めて会うな。いや正直 本当に驚いている。物凄く興奮している。驚異的で驚愕だよ。素晴らしい!! 君は本当に凄い! いや そうでは無いな。すまない。ついつい興奮してしまい。先ずは王都の民を 我等王国軍を 助けて頂き 感謝申し上げる」
レージンは そう言って頭を下げると 感謝を私に告げた。
「ところで 君は貴族なのか?」
レージンに問われ 私は答え様とした。
だか 一斉に 王国軍兵士達に 囲まれて 質問攻めに合ってしまう。
「いやー。でも凄い!」
「うん? 黒い? 霞んでる?」
「なぜ? 君は空を飛べるのだ?」
「うん? 顔が見えにくい、、」
「ワイバーンを討伐した 最後の技 光ってた。あれはどうしたんだ?」
「この霧どっから」
「どうやったら 素手で ワイバーンを殴れるんだ?」
「ワイバーンの火球を どうやって防いだんだ?」
『いやーー。目立ってしまったな。止む得ないなぁ』
「あのー すいません。私は『ルナマリア ハウライト』と申します。もう少し戦闘に配慮出来ていれば 被害を もっと抑えれたと思っており 反省しております」
私は 面倒なので 質問には一切答えず 総師団長の質問にだけ 挨拶をしておく。
「何を言ってるんだ! ワイバーンがあのまま暴れていれば 甚大な被害が出ただろう。この程度で済んだのは 君の力のおかげだ。それに 王国軍が あのまま戦っていたら おそらく全滅していただろう。私とてこの場には居なかった筈だ。だが それも君のおかげだ。確かに怪我人こそ多数出たが 死者は1人も出ていない。全く素晴らしい。この件は 国王陛下に必ずやお伝えしておく。国王陛下もお喜びになるだろう」
レージンが言う。
「いえ そのー。出来れば ご内密にお願いしたいところです」
『目立ちたくねー』
「それは出来んな。君は 自分がした『事の重大さ』が わかっていないのか? 人族有史以来 おそらく 人が竜族を討伐した事など 初めての事だ! 人族が何人集まっても倒せんのだ。それを単騎でだ!! もっと誇るべき事だ! 国王陛下にご報告せねばならん。私も嘘を申し上げる事は出来ん。いずれ 君にも 連絡が届くだろう。ハウライトという事は 君はハウライト男爵家の人間か?」
「はぁー そうですね。。ハウライト男爵家の長女です。。そうですか。わかりました。ひとまず ワイバーンの生死確認の為に降りて来ただけだったのに、、」
私は 大きく溜息をつく。
「ところで このワイバーンは どうするのだ?」
レージンが聞いてくる。
「どうする? とは どの様な意味でしょうか?」
「ワイバーンは 討伐した君の物だ! ワイバーンの死体自体 入手した事など無いから どのぐらいの価値があるのか想像も付かないが かなり貴重だぞ。研究に 材料に有効活用が可能だと思うが 君は要らんのか?」
レージンは ワイバーンの死体を 触りながら 私に聞いてくる。
「私は 頂いても仕方がないので 国の方に お渡し致します。買い取って頂く事って 可能でしょうか?」
『私は 正直ワイバーンの死体より お金が欲しい。おかっねーー』
「おー!! そうか! ワイバーンの死体自体 入手した事など無いから 金額は不明だが 国で買い取ろう。先程も言ったように 研究に 材料に有効活用が 可能だろうからな。私が約束しよう」
レージンは そう言うと 突然剣を抜いて ワイバーンに振り落とす。
しかし ワイバーンの身体には 傷1つ付かない。
「見てみろ。私の剣を全く通さない。ワイバーンの表皮 鱗 何処も 人族の通常の攻撃では 傷1つ付けられんのだぞ。それに この巨体 殴ってダメージを与えたり この表皮を貫通するなど。。君は 一体なんなのだ? 従魔獣を従えても 1種類の魔法しか使えないはず。せいぜい2種類だ。空を飛び 防御も出来 剣も槍も盾も出せる。どうやったら その様な事が可能になるのだ?」
レージンは 興奮気味に 聞いて来た。
だが レージンの興味は ワイバーンの死体にも移っていく。
「それにしても 私の剣が通らんのだ。ワイバーンの表皮を使用して防具を作製出来たら 凄い物が出来るぞ! それに この鱗 盾に出来れば。。ワイバーンの牙なら ワイバーンの表皮や鱗に傷が付けられるかもしれんな。。そうすれば加工も可能か? いや 君は全く凄い!! 他に何か希望は無いのか?」
「私にも 正直わからないのです。私はただの人間ですから」
「そんな事は無いだろう。ただの人間が ワイバーンを素手で殴ったり ワイバーンの火球を防いだり。なんて事は出来ん」
『うら若き乙女を捕まえて 人間で無いとは! 失礼な!!』
『あー!!厄介事は面倒なのに! でも箱の事もあるからなーー』
「では レージン様 お願い事があります。実は・・・」私は 今日起きた誘拐から脱出 此処に箱を運んで経緯を全て レージンに説明した。
「うーん。。なるほど。ひとまず この子達の身柄は 私の方で引き取ろう。当然安全も私が保証する。親に捨てられた子達以外は 親元を見付け次第 親元に帰す努力もしよう。今晩は 王宮で預かる。この辺りでどうだ?」
「わかりました。明日の朝 私もこちらに伺っても よろしいでしょうか? それに 教会の事も気になります。親元に戻っても また誘拐されたら同じ事、、それに絶対!他にも同じ様な子達が居ると思います」
「そうだな。確かにその通りだ。なら尚更 君は国王陛下とお会いになり ご相談すべきだと思う。君にいくら力が有るとはいえ 教会が相手となると、、」
「わかりました。では ひとまず明日 よろしくお願い致します」
そう言うと 私はシュリーと共に シュリーの安全の為 まずシュリーの家に行き シュリーのお母さんに事情を説明して 私 シュリー シュリーのお母さんの 3人でハウライト屋敷に帰ったのである。




