二十二 桃
二十二 桃
やったー!やったぞー!つ、遂に鶸と口吸いをしてしまった!指輪も喜んでもらえて一緒に大人になれたし、サイッコー!今度口吸いの続きもする約束もしたから、俺もう無敵!今なら何でも出来る気がする!
心も身体も軽かった。全力で走りながらも、もっと速く走れそうだった。もっと速く走って、さっき沸いた邪念を吹き飛ばしたかった。そう…。さっき、鶸に抱き着かれて思わず勃ってしまった。だって、そうだろ?すげー可愛くてすげー綺麗な大好きな奴に「大好き」って言われて抱き着かれて勃たない奴いるかよ?いねーだろ?危なかった…。あと一秒でも長く抱き着かれてたら、間違いなく鶸を押し倒してやる事やってたと思う…。いかんいかん…。頭を振る。告白は失敗した。鶸と初めてする時は勢いだけじゃなくて、もっとカッコよくキメたい…。その為にも…!先ずは邪魔者を全員やっつけねーとな!
そんな感じで、走って六省に着いた時には自分自身は落ち着いてたから、ホッとした。鶸と二人、手を繋いで作戦会議をしている大広間の扉の前に立つ。
「桃と鶸、会議に参加したく、馳せ参じました!」
その声で扉が開いた。
蘇芳様が俺達二人を見て、目を細めた。
「待ちわびましたよ。お入りなさい。」
「「はい!」」
入室した俺達を見て、皆が吃驚してた。紫様が扇子片手に言った。
「大きくなる時まで一緒だなんて流石、前代未聞の二人だねぇ~。」
「いやこりゃ、吃驚する位の別嬪さんになったもんだな!フム!」
鶸を見て紅様がそう言うから、キッと睨み返した。
「おお、こえー!心配しなくても、人のモンにゃ手はださねーよ!」
そう言うと、楽しそうに笑ってから続けた。
「よし!では、全員揃った所で、作戦の確認を行う!各自、聞き洩らしのないように!」
「はい!」
*****
作戦の手筈は整った。だが、肝心の決行日は不明だ。蘇芳様は「待て」とだけ言った。おそらく、秘色さんを待っているんだと思った。六省内はピリピリしてる。半の水鏡で防人の地の様子を見ると、黒い影がいくつもあった。それをバッサバサと斬り倒してる人達がいた。
緋色様は力の限りに暴れて楽しそうだった。




