婚約者がいつも優先する〈幼馴染〉は、私の親友です ~殿下、彼女があなたの隣にいるのは、あなたを見張るためです~
最新エピソード掲載日:2026/10/25
「君は一人でも平気だろう? 彼女は僕がいないと駄目なんだ」
夜会の大広間で、第二王子アメデは婚約者の私をまた置き去りにして、幼馴染のヴェロニクの手を取った。周りの令嬢たちが、扇の陰で笑う。
けれど曲が終わると、ヴェロニクは殿下の手をほどき、まっすぐ私の所へ歩いてきた。
「お待たせ、オーレリー。今夜の分、全部覚えたわ」
彼女は学院で三年、同じ部屋で寝起きした私の親友。殿下が「幼馴染だから」と甘やかすたびに、殿下の口から出た言葉を一字一句覚えて、私に届けてくれる。約束破り、婚約者の予算の流用、私への陰口。全部、殿下が自分で幼馴染に打ち明けたことだ。私はそれを、婚約者として預かっている第二王子宮の帳簿の余白に、日付をつけて書き足していく。
殿下が選んだ幼馴染は、最初から私の味方だ。
婚約破棄を言い渡されるのは、殿下がそう決めた日。私たちはその日を、王宮でいちばん人の多い場所に用意する。――そして親友の兄で、殿下の護衛騎士のジスランさまは、なぜか最初から私の味方だった。
「では殿下、次はどちらを優先なさいます?」
夜会の大広間で、第二王子アメデは婚約者の私をまた置き去りにして、幼馴染のヴェロニクの手を取った。周りの令嬢たちが、扇の陰で笑う。
けれど曲が終わると、ヴェロニクは殿下の手をほどき、まっすぐ私の所へ歩いてきた。
「お待たせ、オーレリー。今夜の分、全部覚えたわ」
彼女は学院で三年、同じ部屋で寝起きした私の親友。殿下が「幼馴染だから」と甘やかすたびに、殿下の口から出た言葉を一字一句覚えて、私に届けてくれる。約束破り、婚約者の予算の流用、私への陰口。全部、殿下が自分で幼馴染に打ち明けたことだ。私はそれを、婚約者として預かっている第二王子宮の帳簿の余白に、日付をつけて書き足していく。
殿下が選んだ幼馴染は、最初から私の味方だ。
婚約破棄を言い渡されるのは、殿下がそう決めた日。私たちはその日を、王宮でいちばん人の多い場所に用意する。――そして親友の兄で、殿下の護衛騎士のジスランさまは、なぜか最初から私の味方だった。
「では殿下、次はどちらを優先なさいます?」
1. お待たせ、オーレリー
2026/10/25 22:21