38話 戦争始まりそして壊す
秋夜の仲間から戦争が始まったと報告を受け、急いで現場に向かう。現場に近づいてくると、血の臭いや戦っている音。命令を出している声など様々なものが聞こえたり見えてきた。
これが戦争なんだと思った。俺達は初めて戦争とゆうものを自分の目で見た。今の地球では、世界戦争が終わってから授業でしか習った事がない。今では自衛隊や警察ぐらいしか本物の銃を携帯しているのが普通だが、戦争中は銃を平気に使ってたんだろう。地球ではないこの世界レーラは、銃なんて存在しない。ミラが持つ武器だけは例外だ。あれは恐らくとゆうかほぼほぼ確信している事だが、昔の邪神との戦争時にリナの仲間が造った武器だろう。邪神に壊される事なく長い年月をかけて、キャンベル王国の宝物庫に流れ着いてミラが使っている。
話がズレたな、俺が今見ている戦争は剣盾や槍、乗馬で戦っているのである。日本の歴史で言ったら戦国時代を見ている感じだ。唯一の違いは、魔法だ。詠唱を使っての魔法発動なので前線にいる魔法士はまず居ない。魔力が尽きるまでなのか、複数で同時に同じ詠唱をして巨大魔法を完成させて魔族側に遠距離攻撃を仕掛けている者達が居れば、味方のサポートに回っている魔法士もいる。
俺は人生で初めて見る戦争をじっと見ているが、他のみんなも少なからずじっと見ていた。俺はそろそろやるべき事をやらないと行けないのでそっちに集中する。この戦争現場の何処かで戦っている鉄也と陸都を探し出す。普通に探すと絶対見つかる訳がないのでメガネスキルの【感知Ⅲ】とミラが持つ【精霊の眼】で2人を探し出す。秋夜は、複数の転移トラップ魔法陣の発動準備をしているので俺達が合図する必要がある。俺は【感知Ⅲ】の活動範囲を広げるためにより集中して探す。
勇者は最前線で戦っているはずなので、最前線の方を集中してみると、周りに比べて規模が少し違う所があった。
「ふん!」
「はぁ!」
一人は拳に魔力を集めて衝撃波を放ち、魔族を吹き飛ばす。もう一人は、剣に魔法を付与して円状に回して敵を斬る。
「ギャー!」
「て、撤退!」
魔族が撤退していくな。【感知Ⅲ】をより集中して誰なのかを探る。
首元に何か掛けてるな•••
あの首輪は•••間違いない!あいつらだ!
ミラに俺が示した方向を見てもらい再度呪いの首輪をかけている事を確認した。間違いなくあれは鉄也と陸都だな。やはり最前線で戦っているようだ。【テレパシー】で見つけた事を秋夜に報告し、【転移魔法】が発動するのを待つ。作戦では、鉄也か陸都のどちらかがこちらに転移させ、俺の所に来るのでその相手する予定だ。俺が引きつけている間みんなには隙を見て首輪を取ってもらう。俺の方には来ないもう一人は秋夜が対応するそうだ。
『英智!10秒後そっちに転移させる。構えておけ!』
「了解」
俺は秋夜の言う通りに構えておく。
3••••2••••1••••
俺が見ていた所に転移陣が現れ光だし、誰かが転移した。光が収まり、人影が見える。
「ここは?さっきまで魔族と闘っていたよな?」
この声は鉄也だ。とゆう事は、秋夜の方には陸都がいるのか。秋夜の時と違って普通に話せてる?話しかけてみるか判断はその後だ。
「やっほー、鉄也久しぶり!俺が誰だが分かる?」
「うん?•••英智⁉︎どこに行ってたんだ心配したんだぞ?」
「それはすまん。何処ぞの王女が連れていくもんだからつい」
普通に話せてるな。このまま話だけで、首輪を取れるなら取ろう。
「鉄也お前が今つけてる首輪取ってもいいか?」
「何故?」
「何故って、それは危険だからだ。それのせいで秋夜は一度狂った」
「秋夜もいたのか。•••だが、断る」
「断って来るか。はぁ〜話せれるからやりたくなかったが、予定通りにするしかないか。鉄也、今から俺はその首輪を壊す」
俺は一度警戒を解いて、武器をしまっていたが再び構えをとる。それを見て、鉄也も構える。
「やれるもんなら、やってみろ」
鉄也の戦闘スタイルは接近戦だ。だから、普通に近づいたら負けるかもしれないが、こっちにはセフィとゼオスから学んだ格闘技がある。やっても無駄に終わるだろうが、水魔法で使って遠距離攻撃を仕掛ける。鉄也は拳を前に突き出して、それで放たれる衝撃波で魔法を打ち消した。転移させる前にも同じことをやっていたのでスキルかなのかと疑うがとりあえず思ったのは、
「脳筋かよ」
「言ってろ。次はこっちの番だ」
鉄也は足に力を入れて攻めて来る。少し前の俺だったら、直に喰らっただろうが今回は違う。鉄也が俺の腹部目掛けて拳を入れてくるが失敗に終わる。何故なら•••
「手が凍った⁉︎」
俺の氷属性が発動したからだ。目覚めた時は、感情任せの発動だったが戦争が始めるまでずっと使いこなせるように修行していた。ちょっとでもミスると感情に負けて制御出来なる所があったが、仲間のお陰で制御出来ようになった。なんで感情に負けるのかとゆうと、中学の時よくイジメに会っていた。その時の悲しみと怒りと大試練の時の感情が偶然にも一致して生まれた氷属性だが今では完全にとゆう訳ではないが、戦力として使いこなしている。
「そのまま、しばらく凍っててくれ」
俺は鉄也の凍っている腕をさらに凍らせる。腕だけを凍らせても、足は元気で逃げる可能性があるので足も凍結させる。
「う、動けねぇ」
どうにか脱出しようと暴れるが、氷が強いのかびくともせず完全な凍結状態だ。
「首輪を壊してくれ」
鉄也の背後から【気配遮断】を使って近付いていたミラが現れる。俺と鉄也が構えた時点でこうなる事は分かっていたのだ。それは、戦争前の作戦会議でどう対応するかあらかじめ想定して考えてた。もちろん、陸都の方も考えていた。まあ、2人がどんな武器を使っているのか分からなかったが想像でこれが似合うなと考えながらの作戦だったがうまく行った。
「失礼」
ミラが鉄也の背後から首輪を壊そうとするが異変が起こる。
「グッ!?アガ!!く、苦しい!!」
壊そうとした瞬間、鉄也が苦しみ出した。俺は【無知】で状態を調べる。
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大黒鉄也
状態
呪いの首輪(発動中)
強制魔力吸収(発動中)
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魔力吸収だと?首輪が鉄也の魔力を吸収しているのか。なんでそんな事になるんだ?
俺は苦しんでいる鉄也の前で考える。たどり着いた答えはすぐに出た。
「あ!例のアレだ!不味い!ミラ今すぐ首輪を壊せ‼︎」
ミラはすぐさま首輪を壊し、鉄也の苦しみ状態を解除させる。例のアレとゆうのは、王国が秘密裏で作っていた謎兵器だ。勇者を使った兵器だと言っていたが、こゆうことか。おそらく、秋夜の方もなっている可能性が高い。【テレパシー】で秋夜に連絡を入れ、簡潔に王国の兵器が動いた事と首輪を早く壊せと言う。
「エリー、王国側で何が起こっているか観に行ってくれないか?」
「わかりました」
エリーは【風の申し子】で風を操り移動する。俺はエリーを見送る事なくすぐさま次の指示をする。
「ミラ、秋夜の状態は?」
「苦しみからは解放されてるわ。首輪は壊したから呪いも解けてると見て良いわ」
「了解、ミラはしばらくの間鉄也の事を見ていてくれ。セフィ、カリンはエリーの帰還次第で移動だ」
「「「了解(うん!)」」」
しばらくするとエリーが帰還してきた。
「予想通り王国側に動きありです。見間違いでなければ、あの物体が謎兵器だと思います」
「分かった。エリー案内を頼む。セフィ、カリン謎兵器壊しに行くぞ。ミラここは頼んだ」
「了解」
俺達はミラと気絶している鉄也を後にして王国の謎兵器の所に向かった。途中、秋夜達と合流して王国の謎兵器を間近にする。目に写ったのは、大試練にもいた敵のもっとデカいゴーレムだ。ぱっと見で100m以上ある。
「デカ過ぎる」
「あれが謎兵器の正体」
あれをどうやって壊すか。氷で凍らせるか、それでも規模デカ過ぎて凍らせる前に氷が壊されるな。
「英智、とりあえずこれ顔に付けとけ」
秋夜が顔マスクを渡してきた。俺の正体がバレないようにするためだろう。俺は言われるがままにマスクを着ける。俺が着けた後みんなにも同じようなマスクを渡されて着ける。
「あれをどうやって壊すかだが」
「あれの小さいのなら戦ったことはある。前は氷漬けにしたが今回はあのデカさだと出来ないな」
「だとしたらコアを探して壊しますか?」
「コアを探すには、ミラお姉ちゃんの眼が必要だよ?」
俺達は完全に行き詰まった。だが、秋夜が待ったをかけた。
「コアは見つけなくてもいいんじゃないか?」
「どうして?」
「あれが勇者の魔力を吸収して出来てるのなら、同じ勇者の俺達で壊せばいい」
「高火力でか?」
「ああ」
俺は考え出す。確かにその方法はなしとゆうよりありだ。大試練の時は、コアがなく再生機能まで付いていて厄介だったが王国が作ったゴーレムにはそんな機能は付いていないと考えつく。あのデカさで再生機能なんてついていたら、地図を書き換える羽目になりかねない。王国もそれを踏まえて、使っている可能性がある。
「それで行こう」
「じゃあ、どう動く?」
「簡単だ。仲間のバフをとにかくかけて貰って、俺と秋夜の今出る高火力で壊す」
「分かった。それで行こう。俺は高火力の攻撃魔法をゴーレムに向けて放つから、英智はそれに合わせて攻撃してくれ」
「了解。セフィ、あのゴーレムに最速で近づきたいから近くまで前を走ってくれないか?」
「うん」
「よし!作戦開始だ」
俺と秋夜は仲間のバフをとにかくかけて貰い、秋夜はその場で高火力の魔法詠唱を始める。俺はセフィを先頭にあのゴーレムに近づく。
『30秒後完成する!準備はいいか?』
秋夜が【テレパシー】を通して話しかけてくる。
残り30秒か。今のこの距離なら行ける!
俺は【テレパシー】で返事を返す
「行ける。カウントを頼む」
『了解』
「セフィ!ここまで十分だ!範囲が分からないから離れてろ」
「分かった」
先頭で走っていたセフィが横にずれて居なくなる。俺は仲間のバフとさらに自分が持つバフをかけゴーレムを足場に上に駆け上がる。俺がゴーレムの真上に来るとタイミングよくカウントが合った。
『5•••4•••3•••2•••1•••0!!!』
秋夜の巨大な魔法陣から出て来たのは、巨大な雷だった。
ゴーレムの身体を踏み台にして【古代魔法】と【豪力】でさらに上に上がる。【複製Ⅱ】で刀を複製し準備を整える。雷は本来ならもっと速い速度で堕ちるが俺にはゆっくり視えている。俺が持つ最大の高火力を放つ。【回剣の突き】だ。堕ちてくる秋夜の雷を【合成魔法】で【回剣の突き】と合成させる。
「【合成魔法】【雷神の剣】」
複製した刀に【雷神の剣】をゴーレムの真上から堕とす。巻き込まれる前に【転移魔法Ⅱ】で秋夜がいる所まで転移する。セフィもそこに集合する様に言ってあるので、何かしらに巻き込まれてなければいる筈だ。
!!!!!!ドゴーーーーーン!!!!!!
俺が転移した後、真上から堕とされた【雷神の剣】は狙った通りにゴーレムの真上に直撃し大爆発が起こった。煙が上がっていて、ゴーレムが見えなかったが風で煙が流れて行くとその威力を間近にする。
「ゴーレムがチリになったな」
「ある意味地図が変わるかもしれませんね」
ゴーレムが居た所にゴーレムの姿は無く、代わりに巨大な穴が空いていたのだ。
そんでもって、ゴーレムを出した王国も魔族も今見たものに絶句していた。顔は分からない者が突然現れ超巨大ゴーレムを破壊して行ったせいだ。
この出来た巨大な穴は数100年後、メガネをかけた勇者の力と魔法を造れる勇者の力を合わせて出来た穴として有名な観光地となったのは英智達は知るよしもない。
「さて、ゴーレム倒したし操ってる2人も助けられたからここから撤退するか」
「そうだな。ひとまず、みんなと合流しよう」
俺達は呪いが解除させれたであろう、鉄也と陸都の所に向かった。




