27話 大試練
模擬戦を経て、1日休みを取り大試練前に来た。俺は結界に触れる事で解けるらしいので手を結界に触れて解いた。すると、結界が光だし結界が砕かれていった。
「これで先に行けるな。準備はいいか?••••••よし!行くか」
ミラとカリンは慣れたのか落ち着いたが、セフィとエリーは緊張していた。まるで少し前の俺を見ている様だ。2人を安心させるために肩に手を置いて笑顔を作る。2人も少しは緊張が解れたのか、不安でいっぱいの顔をしていたが解れたことによりやる気が少しずつ見えてくる。
俺は結界を解いた先の大試練に足を踏み入れる。始めて大試練をやった時と同じような言葉が聞こえた。
「•••イ••マ•••ハ•••ソ•••••ノ•••••ト•••••キ•••••ジャ••••••イ」
違う言葉だ。もしかしたら、リノの様に奥で生きて待っているかもしれない。
「どこから敵が来るか分からないから警戒を怠るな」
「「「「はい(うん)」」」」
数時間後
現状報告ははっきり言おう!
この大試練は罠だらけのモンスターハウスばっかりの試練だ。
しかもスキルが阻害されており、【感知Ⅱ】が全く使えないし【予知】も使いにくくなっている。みんなも何らかのスキルが使いにくくなっているらしい。
今はどこで発動したか分からない巨大ローラーから逃げてる最中だ。
「あれに潰されたら終わりだ!どこかに抜け道がある筈だ!」
「••••••••あっ!エイチお兄ちゃん見つけた。あそこの壁から風を感じる」
「ナイス!セフィ!全員壁に飛び込め!」
「「「はい!」」」
間一髪で巨大ローラーに轢かれずに壁に飛び込む事が出来た。入った先は安全地帯に見えるが油断してはならない。どんな罠があるか分からないな。
罠や魔物が結局出てこなった。ついでに少しの間休憩する事ができた。
「このタイミングで、休憩が出来たのはありがたいな」
「そうね、セフィちゃんとエリーちゃんは初めてだから休憩は必要よね」
そのなのだ、ある程度の鍛える事は終わっているが実戦の経験が足りないためすぐに体力がなくなってしまう。そのため、休める時にしっかり休めさせないと戦闘時に足を引っ張っる可能性が高くなる。俺の場合は経験も鍛え方も圧倒的に足りないが、そこはどうにかなっている。日本に居た時に異世界に、いつ行ってもいい様に準備はしていたのだ。だから、経験と鍛える事は足りなくても前準備していたもので代用しているみたいなもんだ。
「さて、休憩はこれくらいにして先に進もう」
「エイチ試した事あるんだけどいい?」
ミラが何かやりたそうな顔で俺に聞いてきた。
「構わないけど、何すんだ?」
「えっとね、これ行けるかな?【精霊魔法】【精霊の眼】•••••見つけた!」
「ミラ何を見つけたって?」
「この先にある部屋を見つけたの」
「ミラさんその力って」
「そうよ、この大陸に来て、エリーちゃんの集落に来てから【精霊魔法】の使い方を学んで出来たものよ。これはね——」
ミラが説明し出した。簡単に言うとこうだ。
前に俺を助けてくれた光の精霊がミラと契約しており、その精霊からエルフ族から【精霊魔法】を学べと言われたらしい。ミラはその通りにエルフから教えてもらい。色々な技を身につけた。模擬戦の時使っていてた【気配遮断】もその一つで、光の精霊が話しかけてきて今は使われなくなった技術を教えてもらったそうだ。その時に【精霊の眼】を身につけた。効果は、メガネスキルの【感知Ⅱ】と似たような効果で空間を把握し精霊の眼を借りて色々な物を見える物らしい。
「これを使えば、罠も見つけやすくなるって光の精霊が言ってたわよ」
「それはありがたいな。もうちょっと早くから使って欲しかったけどな」
「だってそれじゃあ、大試練だけど楽しめないじゃない?」
「それもそうだな、じゃあ、ミラのスキルを使いつつ自分達も警戒しながら進もう」
ミラが言っていた部屋に入ったら、まさかのモンスターハウスだった。しかも、このタイミングで俺はある結論が出た。
「全員!ここではなるべく力を使い切るな!この大試練は体力と力を使い切らせないようにするための試練だ」
この大試練に罠やモンスターが多いのは、そうゆう風に作られている可能性が高い。だとすれば、納得が行く所がある。罠は体力を奪って行くものが多かった。で、モンスターが多いのは疲れ切った体力でさらに追い込みをし、力を全部使い切らせようとするためのものだと思われる。
それが本当なら、ボス戦前の所で力を使い切らせてはいけない。ここで力を少しでも温存しないとボス戦で戦えずにやられてしまう。だから、俺は全員に警告をした。
「•••!わかりました」
「分かったわ」
みんなは俺の言う通りに力を使い切らないように加減をしながら戦っていた。
セフィは完全な物理で攻め、エリーは少し魔力を使いながら弓でサポートをしている。カリンは魔物が倒せる程度の威力とみんなのサポートに行き、ミラはサブマシンガンで威力を抑えて、ヘッドショットを確実に入れている。俺はとゆうとこの機会に魔法を使わない戦い方を身につけるためにみんなから少し離れて戦っている。練習メニューとしては魔物の行動を読切攻撃をするカウンターとこっちに来てから学んだ騎士団の剣の型と剣道の型をうまいこと混ぜて応用させていくことだ。
「ゔぉおおおおお」
魔物がこっちに向かってきたな。
俺は頭の中にある動きのイメージをしっかりさせ、自分の動きたいように刀を振り回す。
刀を振り回すにはコツがある。それは、力任せに振らないことだ。どっちの世界も共通していることだが腕に力が入りすぎて刀を振ると斬れはするが綺麗には斬れない。しかし腕に力を入れすぎずに振れば刀は綺麗に斬れる。
俺は刀に力を入れすぎないように縦横左右に斬っていき応用できるようにしていった。
しばらく戦闘が続き周りを見ているとある特徴があった。それは個人で苦手とされる相手が現れている点だ。セフィには近距離戦ができない敵が、エリーには遠距離が効かない敵、カリンには魔法を撃たせないようにするために手数が多い敵、ミラには銃弾が効かない敵、俺には手数が多く物理が入らない敵がいる。みんなもそのことに気が付いたのか、個人で倒すのではなく仲間の力を借りながら魔物を討伐していった。それでも、多く魔物がいる俺はそれの数を少しでも多く消すために魔法を放つ準備を始めた。
「このままだと全員力尽きるのも時間の問題か。なら、こうするのもありだよなぁ!!!」
俺は今戦っている魔物に秋夜の風魔力を使って作った【合成魔法】【水竜巻】を放ち、大半を殲滅した。あまりMPの無駄使いはしたくなかったので、威力を半減させて放った為倒しきれなかった魔物が多くいる。
「エイチがやってくれたわ!みんな今のうちに魔物を叩くわよ」
「「「はい」」」
俺が魔法を放った後、ミラが指示を出して残りの魔物を討伐した。
「みんなお疲れ、なんとかここは乗り越えたな。次はいよいよ大試練のボスだ。気を抜くなよ?」
「いよいよね」
「セフィ大丈夫?怪我してない?」
「大丈夫だよ!エリー」
「エイチさん、さっき言っていたことで勘づいたことがあるんですけどいいですか?」
カリンがまだ頭の整理が追いついていないのか考えながら、話してきた。
「なんか思うことでもあったか?」
「はい、エイチさんはさっきこう言いましたよね?『この大試練は体力と力を使い切らせないようにするための試練だ』と」
「確かに言ったがそれが?」
「私はこう思いました。大試練の始まりは邪神と戦うために作ったもの、神の娘が邪神に挑んだ時に経験したこと再現しているのではないかと思うのです。そして、各大試練には神の娘たちが経験して身に染みた大切なことを伝えるためにそれにあったものを作っていると思いました」
「つまり、この大試練には作られた意味があるからそれを考えながら前に進もうってでいいか?」
「はい、そうです」
「その答えは後で考えよう。今は、ボス戦に備えよう」
と言っても答えを今は答えなかったがなんとなく予想がついている。ここの大試練は『絆を深める』とゆう目的で作られた試練だろう。
これを頷けさせるの理由としては二つある。一つは、罠を多く設置しそれに適切に対応できようにしていき仲間の言葉を信じること。もう二つは多くの魔物と対峙し個人が苦手とする魔物でも一人で相手するのではなく仲間の助けを借りて先に進み絆を深めていくことがここの目的で当たっているだろう。ここを攻略したら話そう。
モンスターハウスを鎮圧した後、しばしの休憩をしてボス部屋に向かった。
部屋に入ると、人はいなかった。てっきりリナのように待っているかと思ったが違ったようで魔法陣の真ん中にいるのは、巨大な魔物で大きさ的には10mを遥かに超える魔物だった。その魔物が俺たちに気がつき、休んでいた体を起こし咆哮してきた。すると部屋が明るくなり巨大な魔物の正体が分かった。
伝説の狼として後世に語り継がれている狼の王フェンニルだ。この世界レーラでは大昔に存在していたらしい。時代が進むごとに数が減っていき、今では絶滅している。
「フェンニルだと•••真面目にヤバいやつが現れたな」
「あれがフェンニル•••まずは様子を見て攻撃しましょう。カリンちゃんとエリーちゃん遠距離から攻撃してみてくれない?」
カリンとエリーはミラの言う通りに今いるところから魔法と弓でフェンニルに向かって攻撃をした。フェンニルは見切っていたのか魔法は避けたが、弓矢は避けられず喰らった。
「ガァルルルルル」
弓矢を喰らったことで敵だとしたのか、警戒している。
遠距離攻撃はしばらく控えた方が良さそうだな。俺は即座に作戦を考えていく。
「セフィと俺で近距離で攻めるからサポートしてくれ」
「エイチお兄ちゃん私は何すればいい?」
「俺が真正面から攻めるからセフィはその後ろから部分解放の【九尾化】で攻撃してくれ、俺が合図したらその場から離れていいよ」
「わかった。頑張る」
刀を構えて魔法を付与する。俺にヘイトが行くようにセフィより先にフェンニルに向かった。フェンニルは俺に向かって雷を纏った攻撃を次々と繰り出してくるが、メガネスキルの【予知】で目が慣れたのか動きが遅くみえている。俺はそれらの攻撃を避けながら魔力を刀に乗せてダメージを与えていき、セフィも攻撃を避けながらフェンニルの後ろにダメージを与えていった。こんな攻防を繰り返したら、フェンニルが怒り魔力を解放し出した。
本気出してくるみたいだな。
「セフィ!下がれ!」
セフィに指示を飛ばし後ろに下りさせ、俺も遠距離組のところまで下がる。そして戦って分かったことをみんなに報告する。
「つまり、この後もエイチとセフィちゃんは前衛をする。カリンちゃんとエリーちゃんは後衛から攻撃をする。で、私は前衛で戦いながらフェンニルのしてくる行動をみんなに教えればいいのね?」
「それで行こう!みんなで協力して足りない所は補いながらこの戦いを終わらせよう」
「「「おー!」」」
魔力を解放したフェンニルはさっきより纏っていた雷が大きくなっており、離れていても攻撃出来るようだった。
俺達は行動を今一度確認した後、遠距離から攻撃するカリンとエリーが魔法と弓矢を放った。すると、フェンニルは避ける暇もなく全弾命中していた。
「ギュルルル」
俺とセフィは制限していた魔力を解放し、攻撃を始めた。俺は魔法を混ぜながら剣技で攻撃をセフィは魔力を全身に身に纏い完全な【九尾化】の状態で容赦なくダメージを与えていった。ミラはある程度攻撃したら後ろに下がり、様子を見てを繰り返していた。
「エイチ!セフィちゃん!次来るよ!」
「おうよ」
「うん」
ミラの言う通りフェンニルが近距離の攻撃をしてきた。
連携もしっかり出来るようになってきた。しかし、みんなの体力の限界が近づいてきた。これ以上戦っていると全滅してしまうので俺はこの魔法で終わらせることにした。【合成魔法】【回剣の突き】を放つためにみんなに言う。
「この魔法で終わらせる。フェンニルをこっちに連れて来てくれ」
「了解」
「分かりました」
「分かった」
「分かったわ」
みんなは俺の所にフェンニルが行くように誘導をしてくれた。フェンニルも相当なダメージを喰らったいるせいで、少々クラつきながらこっちに向かって来た。カリンとミラはフェンニルが逃げられないように足を中心に攻撃をし崩れた所で放った。
「お前には悪いが先に進むためだ許してくれ。喰らえ【回剣の突き】」
「アォーーーー」
フェンニルは最後の遠吠えをして消えていった。攻略完了だ。
「疲れてる所悪いが先に魔法陣に乗るぞ?復活はしないだろうが一応な」
そう言ってみんなで魔法陣に乗った瞬間光を放ち、リナと同じのように言葉が聞こえた。
「———大試練を攻略した者よ、汝らの力を認めて、力を授ける」
光は収まっていき、セフィとエリーは頭を抱えていた。
「どうした大丈夫か?」
「心配ありがとうございます。まだ頭痛がしますが脳にこの世界の歴史を刻み込まれたんだと思います。エイチさんが話していたものと全く同じです」
「分かった。とりあえず端っこで休もう」
動ける俺とミラ、カリンはセフィとエリーを端っこで休めさせ、獲得したスキルの話になった。
「俺が追加されたのは【限界突破】だな。使い方は文字通り今の限界を突破して一時的に強くなれるスキルだな」
「私の方は【看破】だね」
「私のは【召喚魔法】ですね」
しばらくして、頭痛が治ったセフィとエリーに獲得したスキルを聞いた。セフィは【重力操作】でエリーは【千里眼】だった。
感想的にはみんなに合ったスキルが追加されている。どのスキルもこの先必須になって来そうなものばかりだ。俺は普段のスキル取得はよくわからないが、話によればスキルはレベルが一定数行った時に獲得するかエリーのように受け継ぐスキルものもあるらしい。こんなに早くスキルが手に入るのは異常だと言う。
まあ、この世界の根の仕組みはわからないからどうでもいいが。
「もうしばらく休憩したら、集落に戻ろう」
今は疲れをとって、報告しに集落に戻ろう。俺は少しの間ミラに体を預けて、寝る事にした。




