24話 子の覚醒
「あら?なんであの人たちが居るんです?」
「知り合いか?」
「えぇ私の護衛の方々ですしね。」
うん?エーリットの護衛?事情は知らないからななんとも言えないが、高い確率でお嬢様なんだろう。
さてと終わりを宣言しないとな。
「おーい、これで終わったぞ!」
俺達は、今回の首謀者を引きずりながらカリンと護衛達さんの所に向かった。
「エイチさん、ミラさんお疲れ様でした。早速で悪いですがあちらからお話があるそうです」
「ご紹介ありがとうございます。私達はエーリット様の護衛についていた者です。私の名前はエリックと申します。以後お見知り置きを。と前置きはこれくらいにして、今回エーリット様が急に居なくなってしまい探し回っていたらこの場所を見つけ貴方達に会いました。偶然だと思いますが、エーリット様とその他の種族を救って頂きありがとうございます。つきましては解放した他種族を送るのも兼ねて私達の集落に来てくれませんか?」
「わかりました。行きます。この子らを元の場所に送るのも助けた義務ですから」
「ありがとうございます。では、捕まっていた子供たちを送り届けるため。班に分かれて行動!異論は?••••••よし、ないな!行動開始!」
エリックさんは的確な指示を言って部下達を動かしていた。
ある程度班を組むのが終わり、いつでも行けるようになっていた。
「準備出来たようです。私達の集落までかなりの距離があるのでゆっくりと行きましょう。子供たちがいるのでそんなに急いで行ってもついて来れなくなってしまいますし」
「そうですね。それでよろしくお願いします」
俺たちは子供たちを元の場所に送りながら確実に集落に進んでいった。
俺は妖精族と亜人族がなぜ争っているのか聞きたかったが聞かなかった。今は送り届けることを最優先にしたからだ。それにこんな話を今聞いたってなんて返ってくるかわかんないしな。途中途中で休憩を挟みながら、村に行っては子供を返してあげての繰り返し、残ったのがセフィと数人の子供になった。
「もう少し歩けば、おそらく最後の村です。疲れてると思いますから今日はこの辺りで休みましょう」
「わかりました。交代で見張りましょう」
俺は見張りをするための準備をしようとしたら服を引っ張る感覚があり、後ろを向いたらセフィとエーリットいた。
「うん?どうした?」
「お話があります」
出会った時とは違う顔をしていた。前は覚悟を決めた顔だったが、今は決意した顔だ。
「分かった。場所を少し変えよう」
俺はミラを見て、アイコンタクトを取る。
ミラはそれに気が付き、エリックさんの所に行った。俺一人で大丈夫だと思うが念のためだ。少し離れた所に行き、ミラとエリックさんがいる気配を感じ取り話を聞いた。
「それで話って何かな?」
「あのセフィとエリーを旅の仲間として連れて行って来れませんか!!」
「え?」
はい?今何と?セフィとエーリットを連れて行ってほしい?奥で聞いている2人もびっくりしている。
「な、なんで連れて行ってほしいのかな?」
「エリーとの約束で世界を見たいんです」
あ〜なるほどなるほど。子供によくある奴だ。早く故郷を離れて別の場所で頑張りたいってゆう奴。俺もそうだったしな、けど言う事は決まっている。
「それは無理だな。理由がある。一つは俺だ。俺はある頼みで危険な旅をしているそんな事に2人を巻き込みたくない。もう一つは親が許してくれるかだ。今回のことで分かったと思うが、外は危険だ。自分で自分の身を守れないと生きていけない。しかも、親がそれを許してくれるかわからないぞ?それでもお前たちは行きたいのか?」
俺は辛い事を言っている。だが、この世界がそうゆうものである以上現実を話すしかない。それでも行くってゆうなら力をつけてほしい。せめて、自分で自分をではなく2人が一緒にいて自分達を守れるぐらいの強さがいる。
「エイチさんはまだこの大陸を離れないですよね?」
「やる事があるからな3つほど」
1つ、大試練攻略
2つ、邪神討伐の誘い
3つ、この大陸の問題について
この大陸は争っていると言ってはいたが、本当にそうなのかが分からないからだ。本当は争っているのではなく、別の理由がなるのかもしれないと考えた。その答えを聞く為にも俺は集落に行かないといけない。
「わかりました。今は諦めます」
おっ?随分早い解答だな。これは諦めてないかもな。次来たら力で示して貰おうかな?
セフィとエーリットは俺の所から離れて行った。俺の後ろで話を聞いていた2人も出て来た。
「まさか、エーリット様があの狐族と一緒に行きたいって言うなんて昔じゃありえないですね。少し離れただけで成長するなんて子供の成長は早いもんですね」
「そんなに我儘言う子だったんだ。子供の成長は早いわよ」
エリックさんが涙目状態でミラが慰めながら出てきた。
「エリックさん、どう思いましたか?」
「良いとは思いますが力不足ですね。さっきお話を聞いた中に気になる事があったですけどそれを聞いてもいいでしょうか?力になれるかもしれません」
さっきお話を聞いた中で気になった事?あ〜この大陸でのやることか。話してもいいかな、とりあえず俺の身分と1つ目の大試練攻略だけを話しておこう全部話すのはやめておこう。裏切りがあるかもしれない。
ミラをチラリと見て、頷いていたので警戒しながら話そう。
俺は自分が勇者である事、この大陸に来た目的は大試練攻略の為に来ている事を話した。
「まさか本当に勇者様がいるなんて!大試練ですか?おそらくですけど族長が知ってると思うのでやはり集落まで来て下さい」
「他種族がどうゆう暮らしをしてるのか気になりますし行きますよ」
「ありがとうございます。では、この後はゆっくり休んで下さい」
エリックさんは見張りをしに行ってしまった。後ろからトントンされた。ミラが話をしたいらしい。
「エイチ本当についれて行かないの?確かに力不足だけど仲間はいると安心できるわよ?」
「あー、言って見て思ったんだが次来たら実力を見せてほしいんだ。私はこれくらいの実力があるぞって感じの、そうでもないとこれからの戦いについて行けない」
「なるほどね〜実力を見せてくれたら考えるんだ」
「そう思ってくれればいい」
「じゃあ、私達も休もっか」
ミラが突然変な方向を向き、ウィンクをした。
「どうした?」
「なんでもない行こ、エイチ」
セフィとエーリットは俺の考えをしっかり聞いていただろうか?俺とミラはそれに気がついて茶番を打っただけだがな。
翌日の昼
セフィの村に着いた。エリックさんと俺は事情を話し、みんな親との再会に喜んでいる。これで奴隷市場にいた者達は全員帰った筈だ。
ただ1人を除いて
「帰らないのか?」
セフィだけは親に会いに行かなかった。理由は俺たちと行きたいからだろう。そうだうだとしても親には会うべきだ。急に居なくなった娘が帰って来たんだから。俺達はなんとか説得して合わせようとしたがダメだった。セフィの親が出て来ない限り、
「セフィ!」
噂をすれば、セフィの親らしき人が涙目で出てきて、セフィに抱きついた。見るとうん、似てる。親を幼くしたらセフィになるだろうなと一発で分かった。
「セフィ!あなたが急に居なくなって村中探したのよ?村外も探せるだけ探したの!それでも見つからないからもうダメだって思ったの!もうどんだけ心配したと思ってるの!」
「ぐす••••ママ、ごめんなさい」
いい親だな。これだけ愛されている事がわかる。俺もなんかこみ上げてきそうだ。一方でセフィは完全に泣いている。しばらく泣いて落ち着いた時に言い始めた。
「ママ、私やっぱり外の世界に行きたい。あの人達と一緒に世界を見たい」
セフィは言い切った。親はいきなりの事でびっくりしている。でもそれを感じていたのか嫌そうな悩んでる顔をしている。何回か頷き言ってきた。
「そこのあなた!セフィを連れて行こうと思ってるのですか?」
「いえ、私は力不足だとゆう事と親に相談してくれと言いました。断ったのに親に相談するとゆう事はセフィは私に着いて行きたいんだとゆう事になります」
「そうですか。ちゃんと私に相談してと言った事はありがとうございます。お陰でこの子の意思が分かりました。私はこの子に世界を見せてあげてほしいです。あなたのゆう通り力不足でお荷物になってしまうでしょう。そこは私も賛成します。なので、この子には私のやり方で力をつけさせます」
セフィの親は立ち上がり、少し遠くに離れて魔力を解放し出した。
「はー!•••••セフィ!ママと戦いなさい!あなたが勝てば自由になっていいです。もし、負けたら力が着くまで村から出ては行けません」
体から紅蓮の炎で纏い、九尾に似た尻尾が付いている。どうやら本気のようだ。セフィも俺について行きたいのか。立ち上がって親に視線を向いた。
「来なさい」
「やあー!」
セフィがなんの準備もしないまま突っ込んで行った。数日見てわかっていた事だか、セフィは戦う術を持っていない。魔力の使い方も全部だ。だから、俺の視界では少なからず一方的な虐待が起こっている。セフィが完全に倒れるまで何度も何度も親はセフィを潰しに行っている。俺は今すぐにでも止めたいが、セフィの親は力不足を補うためにやってる為俺はそこに何か意味があると思ったため手を出す事は出来ない。だが、応援はする事は出来るから応援をする事にする。
「頑張れ!セフィ!ここで負けたら一緒に行けないぞ!」
「頑張ってセフィちゃん、一緒に行きたいでしょう?」
「セフィちゃん頑張って下さい。一緒行きたくないんですか?」
俺に続いてミラやカリン他のみんなも応援し始めた。一番勢いがあったのがエーリットだ。
「セフィ!私と世界を回るのでしょう?なら頑張りなさい!今ここで頑張らないで次はいつ頑張るのですか⁉︎」
セフィが完全に倒れかけた時にメガネの【感知Ⅱ】が反応し始めた。セフィは最後の力を振り縛り少しずつ、親の攻撃を避け始めた。すると、ゆっくりと確実にセフィの魔力が大きくなって来ている。魔力が大きくなるにつれて、セフィの周りが色強くなっていく。紅と黄色だ。二色の色が大きくなって行き混じり合っていった。完全に混じり合った時セフィは親と同じ九尾に似た尻尾を持つ姿になっていた。
「覚醒した!」「なんだあれ⁉︎」「見た事ないぞ!」と言った声が周りから聞こえて来た。どうやらセフィの親が狙っていたのはこれのようだ。どうゆう理由だかは分からないが、これだけは言える。戦況がセフィに傾いた。ここからはセフィの攻撃だ。
親がセフィを攻撃して来たのをセフィは避けてカウンターをし始めた。親がやっていた技を盗んで自分の物ととして親を追い込み
「ママの負けね。セフィ、覚醒おめでとう。これなら外に出てても問題はないわ」
親の負け宣言でセフィは勝利した。のも束の間、セフィは倒れてしまった。あんなにダメージを負っていて、そこに覚醒したとなると満身創痍だったのは間違いない。ミラは急いでポーションを飲ませてあげると傷が癒えていった。
セフィを抱き抱えて、俺の所に来て
「この子をセフィに世界を見せてやって下さい。お願いします」
俺に頭を下げて来た。力不足と親に相談しろとは言って見事にクリアした。力はゆっくりと伸びて行けばいい。これでなら問題はないだろう。
「はい、任せて下さい。セフィに世界を見せてあげます」
「ありがとうございます。今回戦った理由を話しますのでついて来てください。もちろんお仲間も一緒で構いません」
俺はミラとカリンを連れてセフィの家に向かった。エーリットもついて来た。エリックさん達は外で見張りをしに行った。
「まずはあの子を連れて帰って来ていただきありがとうございます。さっき戦った目的は、セフィの中にある狐の力を目覚めさせるためにやった事です———」
説明していくとこうだ。
セフィの力不足を補うためにやった事であり少なからず近いうちにやる事だったらしい。狐族は昔からの風習で大人になるために親と戦い、挫折を感じさせ完全に倒れかけた時に初めて発動するのが覚醒である【九尾化】らしい。セフィには元々才能があったから前々からやろうとはしていたが覚醒させた後がこわくなってしまい中々踏み出せなかったらしい。だが、今回の件でセフィは完全に覚悟をしていたからこの機会にと思ってやったらしい。それが見事に成功し、セフィは覚醒をすることができた。しばらくは修行がいるらしいが旅をしてる中で鍛えてほしいとの事だ。
「てゆう訳であの子を連れて行って、鍛えてやって下さい」
「分かりました。責任を持ってやらせてもらいます」
これで正式にセフィが仲間になった。
メリークリスマス!
今年ラストになります。
読んで下さった皆様良いお年を。




