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Code: Re-Boot  作者: 飛鳥創


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13/19

第13話:ロンドン・霧の中のNullReference

お越しいただきありがとうございます!

飛鳥創(So Asuka)と申します。


普段はITやAI関連の本なども書いているのですが、今回は「もしも現実世界がコードで動いていたら?」というサイバーSF小説に挑戦してみました。


どうぞ気軽に、肩の力を抜いて楽しんでいってください!

サンフランシスコでの『時間異常加速《Overclock Glitch》』を解決してから三日。


僕と冴先輩、そして相棒AIのアリスは、英国ロンドンのヒースロー空港に降り立っていた。


「寒ぃな……おい、神崎。ロンドンの霧ってのはこんなに重苦しかったか?」


首に黒いマフラーを巻いた冴先輩が、霧に包まれたロンドンの街並みを見上げながら吐息をつく。


「いえ……ただの気象の霧じゃありません、冴先輩」


僕の視界には、すでに異様な空間ログが明滅していた。


┌───────────────────────────────────

│ 【SYSTEM CRITICAL】 UK_London_Core_OS v7.2.1

│ [WARN] Space_Memory_Leak Detected! Unreferenced Spatial Objects: 89,420

│ [ERROR] Pointer NullReferenceExceptions per sec: 14,200

│ [STATUS] Garbage Collection Purge Scheduled in: 04:59:59

└───────────────────────────────────


『解説するわ、蓮』


脳内で、アリスの声が警戒感を強める。


『ロンドン全域で起きているのは“空間メモリリーク《Space Memory Leak》”よ。建物や人間、空間の物理オブジェクトの参照ポインタが次々と強制解放されて、nullになっているの!』


「null……!? じゃあ、参照を失ったオブジェクトはどうなるんだ!?」


『参照を失ったデータは、OSの自動掃除機能……ガベージコレクション《Garbage Collection》によって“不要なゴミ”と判定され、世界から永遠にデータ消去《Purge》されるわ!』


「そんな……! 街や人間を、ゴミとして削除しようとしてるのか!?」


その時だった。


テムズ川に架かるタワーブリッジの方向から、人々の悲鳴が響き渡った。


「助けてくれ! 身体が……身体が透けていくんだ!」


走ってきた観光客の男性の脚が、まるで水滴のように半透明になり、アスファルトをすり抜けて沈み込みそうになっている!


「くっ……! 脳内コンパイル《Mind Compilation》……空間参照保護パッチ、起動っ!!」


僕が手を掲げると、青いコードの光が男性の身体を包み込んだ。

だが——!


——ガリッ!


僕のパッチは、まるで目に見えない刃に切り裂かれるように、一瞬で消失した。


「な……パッチが届かない!?」


『蓮、気をつけて! 空間そのもののメモリ参照が破壊されているの! 普通の参照渡しじゃ、アドレスが存在しないわ!』


ロンドンの深い霧の奥から、冷たく甲高い笑い声が響いた。


「フフフ……無駄だよ、日本のデバッガー。存在しないアドレスにいくらコードを書き込んでも、全てはヌル《NULL》に消え去るのだからね」


霧を切り裂いて現れたのは、黒いローブを纏った一人の男だった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


「ちょっと面白いな」「続きが気になる」と思っていただけましたら、

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次回更新もお楽しみに!


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