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取敢えず冒険者を始めます(習作)  作者: 大和奏時
青春の旅立ち

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2/10

焚書と旅立ち

I start adventure for now - Souji Yamato

 若《わか》きクリスは、SF(エスエフ)小説《しょうせつ》を、読《よ》み終《お》えました。



 やがて、クリスは、紙《かみ》を取《と》り出《だ》し、いつものように、自身《じしん》の夢《ゆめ》について、走《はし》り書《が》きを始《はじ》めました。

 けれども、ふと、自分《じぶん》でも、SF小説が書《か》けるか、試《ため》してみます。10行《ぎょう》ほど書いてみると‥‥SF小説の初《はじ》めの部分《ぶぶん》が、書けてしまいました。


 そこで、クリスは、50行‥‥100行‥‥と、書き連《つら》ねて行《ゆ》きます。

 しばらくして、クリスが、自分の文章《ぶんしょう》を読《よ》み返《かえ》してみると、それは、まだまだ、不《ふ》完全《かんぜん》ながらも、意外《いがい》と面《おも》白《しろ》そうなSF小説でした。


 その後《ご》も、クリスは、書き続《つづ》けて‥‥短編《たんぺん》のSF小説が完成《かんせい》します。

 こうして、クリスは、自身の才能《さいのう》に、自信《じしん》を持《も》ち始めました。



 翌朝《よくあさ》、クリスは、父親《ちちおや》と母《はは》親にも、自作《じさく》のSF小説を読《よ》ませようとします。

 ところが、父親は、それを読みもせずに言《い》います。


「そんなに、農業《のうぎょう》が嫌《いや》なのか?」


 その言葉《ことば》には、かなりの怒気《どき》が込《こ》められていました。

 母親が、さっと、SF小説を手《て》にして、かまどで燃《も》やしながら言います。


「あんな、くだらない物《もの》は、消《き》えたよ。

 これで、あんたも、機嫌《きげん》を直《なお》しな!」


「そうだな」


 父親は、怒《いか》りを収《おさ》めました。

 しかし、今度《こんど》は、クリスが怒り始めます。


「たとえ燃やされたって、また書いてやる!」

「出《で》ていけっ!」


 父親は、瞬時《しゅんじ》に激怒《げきど》して、クリスを家《いえ》から叩《たた》き出《だ》しました。

 ですが、クリスの方《ほう》も、怒りが収まらない様子《ようす》です。



 数分《すうふん》後《ご》、母親が、ドアから顔《かお》を出しました。

 そして、クリスに、幾《いく》らかの現金《げんきん》を渡《わた》します。


「クリス、あんたは、世間《せけん》の厳《きび》しさを、知《し》った方が良《い》い!

 餞別《せんべつ》をやるから、ひと月《つき》ほど、戻《もど》ってくるんじゃないよ」


「な‥‥」


 クリスは、完全に、家から追《お》い出されてしまいました。

 ただ、その手には、それなりの金額《きんがく》が、握《にぎ》られていました。



 すぐさま、クリスは、意地《いじ》を張《は》ったまま、駅《えき》馬車《ばしゃ》の発着《はっちゃく》場《じょう》に向《む》かいます。

 丁度《ちょうど》、そこには、隣《とな》りの街《まち》までの馬車がありました。


 早速《さっそく》、クリスは、その馬車に乗《の》り込みました。

 すると、知り合《あ》いの商人《しょうにん》が、話《はな》し掛《か》けて来《き》ます。


「クリス、お使《つか》いか何《なに》かか?」

「この村《むら》を出ることにした」


「何があったか知らないが‥‥子供《こども》が、あまり粋《いき》がるもんじゃないぞ!」

「ちがう」


「だったら、なんだ?」

「ひと月ほど、世間の厳しさを、知れだってさ‥‥」


「ははは、それは、良い機会《きかい》だな!

 お前《まえ》は、大物《おおもの》になれるよ」


「‥‥」


 程《ほど》無《な》くして、馬車が動《うご》き始めました。

 隣りの街までは、半日《はんにち》程度《ていど》の道《みち》のりです。



 こうして、クリスは、15才《さい》にして、村を後《あと》にしました。

I start adventure for now - Souji Yamato

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