運命という物語
I start adventure for now - Souji Yamato
魔法世界ソレスタルでは、クリス(15才)が、SF小説(異世界をテーマにした物語)を読んでいます。
しかし、現実世界では、事件が起きていました。
果てしなき宇宙、数多の星々‥‥無数の光明が、静寂に位置しています。
現在、宇宙貨物船スタークモッズ号は、辺境宙域を航行していました。
ここには、何も無いものの、平和な宙域なので、船員たちが寛いでいます。
船長が、航宙士に語ります。
「そろそろ、空調フィルターの交換時期だな」
「そうでしたね」
「大型フィルターユニットは、案外、高価なのが難点なんだよ」
「5年で、我々の給料1人年分ですからね」
「やれやれだ」
「まったくですね」
船長は、渋い表情で、珈琲を飲み干しました。
その後は、平和すぎて、話題すら尽きてしまいます。
<グガァアアアアン!>
「なんだ!」
いきなりの衝撃に、船長が叫びました。
オペレータ女性が、慌てながら、船長に報告します。
「シールドの85%がダウン‥‥砲撃です!」
「なんだと」
「右舷後方に、船影‥‥海賊船です!」
「なんてこった!」
船内に、動揺が奔りました。
すぐさま、船長が、航宙士に指示します。
「緊急ワープだ!」
「了解!」
その途端、宇宙貨物船が、輝きと共に、ワープ空間に突入しました。
ところが、故障によって、今度は、船内までもが、異常振動しています。
「今度は何だ!」
「空間トランスが‥‥もう、持ちま」
瞬間、ワープ空間内で、宇宙貨物船が爆散しました。
宇宙船の破片と共に、貨物も飛び散ります。
ばら撒かれた貨物‥‥様々な品物が、宇宙各所に飛来(転移)しました。
それらの品々は、宇宙の彼方此方や、惑星でもある『魔法世界ソレスタル』他でも、それぞれの物語を得るのです。
そのころ、クリスは、一旦、読書を止めました。
本の内容は、偶然、ビームソードを手に入れた美少年が、英雄になるという物語ですが、クリスは、何故だか、そのSF小説に、運命を感じていました。
「鑑定!」
しかし、その本は、魔力など込められていない、ただのSF小説でした。
クリスは、何処となく、寂しい気分になります。
この世界は、世界システム下にあり、科学技術が発達しません。
何故なら、科学が必要な場面でも、魔法が代わりをするからです。
この世界では、科学の発達や、高度な科学技術など、夢のまた夢です。だから、クリスが感じた運命も、所詮は、幻に終わるはずです。
それに、クリスは、家業を継いで、農夫になる他に、道などありません。
たとえ、儚くとも、それが、魔法社会の現実なのです。
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