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ジャッキング・フォース  作者: まるマル太
第7章 重なる3つの未来
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#エピローグ

#エピローグ








・・・意識が遠のく。




・・・もう痛みすら感じない。




・・・何も見えない。




・・・何も聞こえない。





・・・悔しいな。

こんな中途半端で終わるなんて。




俺は何かを成し遂げられたんだろうか?




結局、何も残せなかったのかもしれない。




・・・俺はもっとたくさんの人間から認められたかった。




・・・でも、もう手遅れだな。






俺は・・・たった今”死んだ”。




周囲は真っ暗で、何も見えない。


いわゆる、天国とか地獄とかそういう類のものだろう。


まさか、こんな漆黒の孤独空間とは予想だにしていなかった。






たく!!」


この俺、萩間はぎま たくは、自分を呼ぶ声の方を見る。


そこには、暗闇でもはっきりと分かる

見覚えのある女性の姿があった。


しかし、すぐに彼女の姿は見えなくなる。

温もりすら感じられない。

その存在を認知できる術は、微かに俺の耳に届く声だけとなった。





「・・・郡川こおりかわ 春乃はるの。」


俺の生涯唯一の恋人であり、

俺が人間嫌いになるきっかけを作った憎き女性だった。


でも、コイツが死んだきっかけは、

俺をサジタリウスから庇ったことだった。




たくも死んじゃったんだね・・・。

 でも頑張ったよ!やるべきことはやったよ!」

郡川こおりかわの姿は一切見えない。

しかし、彼女が笑顔であることは声から察した。


「いや、俺は・・・結局他人に認められたかっただけだ。

 お前との交際、結婚も、全ては、

 自分が認められる感覚を得たかった。ただそれだけなんだろう。」

俺は、自分の存在意義を他人から与えられることでしか

自分の欲求を満たせないような、つまらない人間だった。


・・・だから、未来の別世界でも何でも屋として活動していた。




「じゃあこれからはここで私が永遠にたくを認め続ける!

 それでたくも満足でしょ!」

こんな暗闇でも、生前と変わらず元気な様子の彼女がいると、

俺も、もうこの先はどうでも良くなってきてしまった。



「・・・仕方がない。

 俺の最後の”何でも屋”としての仕事は、

 【永遠にお前の隣にいる】ことだ。」

生前の俺なら絶対にこんなことは言わない。


でも、こうなって初めて幸せに気付くことだってある。



「じゃあ、決まりね!

 私も何でも屋になって【永遠にたくの隣にいる】!」





彼女の姿は見えないし、

彼女の存在を感じる唯一の手段である

”彼女の声”すらも、心なしかどんどん遠くなっている気がする。


おそらくではあるが、

彼女にも俺の声は段々と届かなくなるだろう。




・・・俺達は、いずれ近いうちに互いを認識できなくなる。




それでも、郡川こおりかわが近くにいてくれると信じられることが

俺にとっては紛れもなく嬉しかった。



俺も、”何でも屋の仕事”を最後まで全うしよう。


その時間は”永遠”。


例えるなら無限の残業。


その報酬は、彼女との”永遠の時間”だ。






今ここから、永遠の時を彼女と共に過ごすとしよう。













#エピローグ

「正義のミカタ」シリーズ


【完結】



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