#第19話 死を招く罠
#第19話 「死を招く罠」
東京パーマネント・ガーディアンス内部にある
入院棟の駐車場で
2人のSAS装着者が戦闘を繰り広げている。
シュヴァイツァーのアーマーを纏う
神崎 高来は
攻撃を避ける様子もなく、
隙を見ては両手に握ったリボルバー銃を発砲し続ける。
対するエクセプションのアーマーを纏う
時柳宋 衛久守は
両手に握った2本槍をひたすら突き出し、
その尖った先端は幾度も敵を捕えているが
大きな手応えは無かった。
「Sランクアーマーに対して
Dランクで挑むなど、
無謀にも程がありますよ!」
シュヴァイツァーはそう言いつつ、
リボルバー銃を発砲。
しかし、エクセプションはそれを槍で弾き飛ばす。
「反応速度は問題ないと思われるが。
現に、俺様のスピードにお前はついて来れていないぞ?」
エクセプションは2本槍を構え、様子を窺っている。
「それは勘違いですよ。
俺のシュヴァイツァーは表面の自動再生能力、
それと同時に発動する衝撃吸収能力、
及び、使用者のスタミナ回復機能を搭載しています。
敗北など想定されていないアーマーなのですよ。」
「フッ、そんな便利な機能まで用意されていて、
武器が二丁拳銃とは笑わせてくれる。
・・・そのチップ、俺様にこそふさわしい。」
そう言うと、エクセプションは地を蹴り、
2本槍で切り掛かった。
「汚らわしいですね。」
シュヴァイツァーは銃を腰のホルダーへと収納し、
突き出された槍を両手で押さえ込んだ。
「この力量差でよくも諦めずにいられますね?」
「諦める必要は無さそうなものでな。
悪いが、ここらで終わりにさせてもらおう。」
「何ッ?」
すると、エクセプションは素早く膝蹴りを繰り出し、
敵の手を無理やり離させる。
これにより自由になった2本槍を高速で振り回し、
シュヴァイツァーへと連続の斬撃を繰り返す。
そのあまりの素早さは
槍の残像が残り、数本に見えるほどであるが、
シュヴァイツァーの自動再生能力により、
ダメージは一切が無効化される。
「いきなりスピードアップしたかと思えば、
何も考えず攻撃を繰り出すだけでしたか。」
そう言いながらシュヴァイツァーは右脚を突き出したが、
それを避けながらエクセプションは後方20mほどまで距離を取った。
次の瞬間、エクセプションは左手の槍を捨てたかと思うと、
一瞬のうちに加速し、再びシュヴァイツァーの元へと走り寄った。
残された右手の槍を突き出し、迫り来る。
「そろそろ学ぶべきしょう?
俺にはそんな攻撃は」
その瞬間、彼は言葉を失った。
今まで余裕ぶっていた彼の態度は、
一瞬のうちに崩れ去ったのだ。
・・・エクセプションが繰り出した槍は、
シュヴァイツァーの腹部を背中まで貫通していたのである。
「あぁ・・・ヴぁああああああああああああ!!!」
「見ろ、このザマだ。
さっきまでの余裕が・・・お前の敗因だ。」
エクセプションは槍を引き抜くと、
シュヴァイツァーの変身が解け、
血まみれの神崎が顔面から突っ伏すように倒れた。
「なぜ・・・なぜ、この堅い防御を・・・!?」
「先ほどの連続攻撃は
シュヴァイツァーの“装甲の厚さ”を確認し、
加えて、お前を油断させるためのものだった。」
神崎がもう助からないのは明らかであったが、
エクセプションは返答した。
「部分別に厚みが異なるのが普通だろう。
そもそも、お前の話では、
そのアーマーは表面の自動再生に防御面を頼っている。
そのせいで重い一撃への対策は不十分だと読んだ。
だから部分別の厚みを確認し、比較的薄い部分に
このエクセプションが成し得る最高威力の攻撃を叩き込めば、
と考え作戦を練ったまでだ。」
そこまで言うとエクセプションは
うつ伏せの神崎を足蹴に、仰向けに転がした。
そのまま、腰のアーマードライバーに差さっている
シュヴァイツァーのチップを引き抜く。
「このSランクチップとやらは
俺様が有効活用させてもらう。」
「お・・・俺を殺したところで・・・
あの方の”計画”は続行される!!
お前らは、不要物として、排除・・・されるだろうなアッ!!」
神崎は苦しそうにそう吐き出したが、
エクセプションは気にせず踵を返し、
ゆっくりと歩み始める。
神崎はそのまま多量の喀血を引き起こし、絶命した。
「・・・何だろうと、”浄化の妨げ”になるものは
俺様が捻り潰してやる。」
神崎の死体を背後に、
時柳宋 衛久守は
自分に言い聞かせるようにそう呟いた。
#第19話 「死を招く罠」 完結
お読みいただきありがとうございます。
Dランクであるエクセプションが
Sランクであるシュヴァイツァーに勝利できた最も大きな理由は
戦闘経験のギャップにあります。
神崎が壁の内部にいる開発者である一方、
時柳宋 衛久守は元テロ組織の最強戦闘員です。
ストーリー進行が少し遅めな自覚はありますが、
できる限りスムーズに進めていこうと思っています。
ぜひ次回もお読みくださいm(__)m




