エピソード、とぅー
目を開けると、薄暗い部屋でボンヤリと木目調の天井が見えた煉は、身体を起こす。
(ん?俺寝てた?いや、、、確かゲームに、、)
「ようこそ、Utopiaに世界へ」
落ち着いた声の方を煉が見ると、柔和な笑みを浮かべた、30代であろう男性が立っていた。
煉が返事をせずに、辺りを見渡していると、「里井 煉様、この度はUtopiaのご購入、誠にありがとうございます。
つきましてはチュートリアル、つまりUtopiaの説明をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
首を縦に振り、少し離れた場所に立つ男性を見る。
(この人は、人なのか?、、それとも、、)
「では、Utopiaの説明をさせて頂きます。紹介が遅くなりました。今回、里井様を担当します、No.1234と申します。名前の通り私は、人工知能(AI)を搭載されたアンドロイドであります。Utopiaの世界にも、プレイヤーの皆様を援助したり、敵対したりするアンドロイドがおり、このアンドロイド達には感情、思考など人間と同じ仕様になっています。
プレイヤーよりもアンドロイドの数の方が多いため、アンドロイド改め、住民の存在は何をするにも助けとなることが多いので、仲良くされることをお勧めします。」
そう言うと煉に近寄り、どこからか、いつの間にか出した水を手渡す。
煉は、紙コップに入った水を口に含んで、理解したことを伝え、続きを促す。
「Utopiaの世界は、広大です。よく日本人の方は東京ドーム何個分かで面積を表すことを好みますね?話が逸れました、Utopiaの広さは地球の大陸を全て繋ぎ合わせた倍の大きさで、三日月の形をしています。そのため、Utopiaを全てを回るのは困難かもしれませんね」
(地球の倍って、、これまた大きいな、、それに大陸は一つ、、?)
「大陸は一つですか?」
「大陸とされているのは一つですね、今のところ」
「今のところというのは?」
「それはプレイしてから、探してみて下さい。では、次の説明です。まず、プレイヤーの皆様には職業について頂きます。もちろん、無職、ニート、フリーターという職業もありますが、職業によって覚えるスキルが違うため慎重に選んで下さい。スキルとは、特殊な技能を指し、何かをする、例えば戦う場合は戦闘スキルを持っていれば、Utopiaならではの体験が出来るでしょう。スキル獲得には、様々な条件があり、農業をして戦闘スキルを覚えることもありますので、何事も経験ということを含んでいます」
「スキルは何個でも取得可能ですか?」
「可能です。スキルにもレベル制度を取り入れていますので、熟練度によっても差がでてくるでしょう。他になければ、次に移りますが、質問はございませんか?」
煉は目を瞑り色々なイメージをしながら、考え込み、理解したところで、目を開け大丈夫とだけ、答えた。
「次はUtopiaの世界について説明させて頂きます。Utopiaには魔法生物、つまり魔物がいます。魔物はプレイヤーの皆様を襲うこともあります。他にはプレイヤーの皆様が魔法を使えたりもします。科学は進んでおらず、魔法を使った生活様式ですので、慣れるまでは大変かと思います。
プレイヤーの皆様が、魔物などとの戦闘で死んだ場合、そのキャラクターは死に、始めからのプレイとなります。
Utopiaはレベル制度をとっていますが、一般的なゲームにあるステータス、つまり攻撃力、防御力などの数値化はございません。レベルのみ数値として表現させて頂いています。
また、食事、睡眠も必要ですが食べ過ぎる、寝過ぎるなども生活する上で、支障をきたすため注意は必要です。これで一応説明はおわりましたが、何か質問などはありますか?」
(話し方は丁寧だし、こちらの相槌に合わせて喋ってくれたから理解もしやすかったけど、情報が多すぎる、、あ!一つだけ)
「Utopiaでの目的は何になりますか?」
「それは人それぞれですね、戦闘に明け暮れるのもよし、店を経営するのもよし、建国するのもよし、引きこもるのもいいですよ?」
(ゲームの世界で自宅警備員はないだろう、、)
「とりあえず、やってみて分からないことは、住民に聞いてみます」
「では、まず、この時計をお渡しします。この時計、通称フォンは、あなたに関するデータなどの確認、アイテムの収納、お財布の代わりなどその他様々な機能がありますので、ご自身で確かめて下さい。
最後になりましたが、職業をこの3つの中からお選び下さい。ちなみに職業は進化することもありますので、慎重に選ぶことを勧めます。
・商人
→プレイヤーとアイテムを売買できるようになる、また自身の店を持ち、チェーン化し大富豪となる可能性も、、。
・研修医
→治癒魔法を中心に取得することができる、???に進化すると、???を覚え、戦闘においても戦力になり得る。
・操力師
→モノを魔力で動かせることができるが、魔法を放つことはできない。
・無職
→可能性は無限大も、圧倒的に劣る
(うーん、自由に職業選べないのか、、仕方ないか。
、、、商人は、現実でやってるようなもんだからな、、研修医か、、多分、医者になることが進化だろうな、医者になって身体構造を理解、弱点が見えるとかかな?
操力師か、、1番、現実世界から離れた職業かな?)
「1度決めたら、職業はかえられませんか?それと、スキルはどうなるのですか?」
「転職は条件が揃えば可能です、1度取得したスキルが消失することはありませんが、転職後の職業次第ではありますがスキルレベルの上昇に繋がりにくくなることもあります」
「スキルレベルに限界はありますか?」
「限界はありませんが、限度はありますね」
(限度ね、、日本語って便利、、?)
「言語はどうなるのですか?
「プレイヤーの皆様には自動翻訳機能がついてますので、文字の読み書き、言語には生活上困ることはありません」
一つ、また一つと浮かぶ質問をなげかけていく煉だったが、この後10分ほどやり取りを続けると、あっさりと職業決めた。
「では、プレイヤー名、レン様のセカンドライフが幸福に溢れたものとなるようお祈りしています。
Utopiaへようこそ!!」
この言葉を最後に、レンの視界は再度ブラックアウトした。




