エピソード、しゅりー
「準備が整いましたので、これよりUtopia、一斉スタートとさせて頂きます。
Good Luck!」
頭の中で声が聞こえたと同時に、自然と目を開けた颯太は、周りを見渡す。
牧場にきたのかと思わせるような辺り一面の原っぱに、遠くには山頂は雲に覆われている山々、反対には村なのか街なのかは分からない人工物らしきモノも見える。
隣で同じように辺りを見渡すレンに、人工物らしきモノを指差しながら声をかけた。
「まずは、あそこにでも行くか?」
その問いかけに、颯太を見ずにレンは返事をすると、二人はゆっくりと歩み始めた。
プレイヤー名:レン Level1
職業:操力師Level1
スキル:
ポルターガイストLevel1
→モノに触れなくても魔力を使いモノを操れる
ラッピングLevel1
→魔力使用で音をたてることができる
プレイヤー名:フウ Level1
職業:学生Level1
スキル:
好奇心Level1
→他人よりもモノが見つけやすくなる
学心Level1
→人からスキルを学べる
実験Level1
→新たなモノを生み出すことが出来る
二人は遠くに見える人工物につく間にお互いのプロフィールを見せ合っていた。
「何でプレイヤー名がフウなのさ?ってか職業学生って、、」
「ソウよりフウのほうがしっくりきたから、もう一度学生に戻りたいんだ、俺は!
操力師って戦闘メインでしょ?俺、ちなみに戦闘する気ないよ?」
「え????」
「いやだって、俺、博士目指したいんよ!小学校の卒業文集に博士って書いたの覚えてない?あるか分からないけど、でもそのためには、学生からかなと、、、
たまに戦うくらいならいいけどね〜」
近づく気配すらない人工物に想いを馳せながらこれからについて話し始めたフウ。
「博士ね、いいんじゃないモノ作ったり、発明したものを俺が使って、宣伝してやるよ」
その言葉を聞いたフウは
突然立ち止まり、目を閉じ考え出した。
「レン、俺、博士兼商人目指すわ!スキルをたくさん学んで、博士として生み出したモノを商人として売る!これぞ中間搾取のない、直売店!どう?」
「じゃあ、素材は俺が集めてやるよ?」
「レンは目的ないのか?」
「今のとこはないな、楽しめればそれでいいから」
「じゃあ彼処で他のプレイヤースカウトしよう!レンと一緒に戦えるやつが、2、3人ほしいな、あと看板娘!」
「看板娘は、店もってからな、、商人じゃなくても店を持てるかどうかが鍵やな」
2時間ほど歩いただろうか、やっと近くに見えてきた人工物は、どうやら村のようだった。心の中でつまらないオブジェなどではなくよかったと安堵するレン達の数十メートル前に、明らかに異質を放つモノがいた。
「あれってゴブリンか?」
思わず声を潜めながら、レンに問いかけたフウ。
そこには、全身を深緑の肌に、必要最低限の場所を隠した防具を身につけている生物が2体、村の方にゆっくりと歩みを進めていた。
「風下なのがよかったな、、ゴブリン2体か、俺がやるから、学生さんは大人しく見学しとけ」そう言うと、フォンを弄り、装備画面を開くレン、操作を終えると、2つの脇差しを手にしていた。
「スキルの発動ってどうするんだろ?」
フウの唐突な疑問に歩みをとめたレンだったが、なんとかなるだろというレンの答えに、フウは死んだら俺を検索してくれという激励の言葉を送った。




