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Utopia  作者: ネイビー
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エピソード、わん

1度は体験してみたい!

非日常的な生活

そんな生活をおくれるとしたら

あなたは何をしますか?


この謳い文句を元に大々的にCMを流し、販売される予定のUtopia(ユートピア)

Utopiaとは、現代科学を結集したゲームであり、プレイヤー自身がそのままゲーム内、つまり仮想空間に入るということだ。

Utopiaの世界観は、何も発表されていない。発表されているのは、仮想空間であり、時間は24時間ということ、現実世界の1時間は、Utopiaでの1日、一つのソフトにつき2人までプレイ可能ということだけである。

いや、もう一つあった。Utopiaの価格、それは20万円。


あまりにも高すぎる値段設定に、ネットでは様々な憶測が飛び交っているが、ゲーム好きのほとんど人間がプレイしたいのだ。


その内の一人、里井(さとい) (れん)。小・中・高と一緒に通った友人で同僚の、藤谷(ふじたに) 颯太(そうた)の誘いを受けてゲーム代を折半し、Utopiaを予約した。

予約開始日のその前日から、店の前に陣取り予約した甲斐なく、予約者全員に発売日に受け渡し可能とのことだった。



煉は、大学時代に会社を設立し、一応社長である。社員数は何と1人。つまり煉と颯太だけで、自宅兼事務所として都内に3LDKマンションを借りている。

大学を卒業し、会社設立から8年が経つが、昨年の純利益4000万、パソコン一つあればできる仕事なので、比較的時間の融通は利く。


発売日は明日であり、その次の日、つまり東京時間で2050年9月20日、13:00にプレイできるとのことだ。

そのため、この1ヶ月は、溜まっていた案件、新規の案件を順序だてて片し、現在は仕事の依頼待ちの状態にしてある。









ソファーに座り、コーヒーを飲んでいると

ピーーンポーーーン。

機械的な音が聞こえたと同時に目の前に出現したウインドウに顔が映り、解除のボタンにタッチして、ウインドウを消した煉。

数分も経たないうちに、もう一度同じ動作を行うと、玄関が開いた音が聞こえ、リビングに近づく足音。その足音に目を向けると、颯太が荷物を抱えて立っている。

ダンボールの箱を持ち、額に汗も薄っすらと見えるが、颯太の顔はニヤついている。

煉が労いの言葉をかけ、冷蔵庫からビールを出して、乾杯する。


場所を移して、地面に座ると

「いよいよ、明日、遂にプレイ出来るな!」興奮混じりの声色で嬉々としてダンボールを開ける颯太。

「しっかり働けよ!」

笑いながら煉が声をかけると、

説明書片手に配線をつなぎ合わせながら

「ジャンケンで、全ての用意をさせてしまう悪魔め!」

「男気あるね〜」もう一缶、ビールを冷蔵庫から取り出し、プルタブを開けてみている煉が颯太の言葉に笑いながら答えた。







昼前に目覚めた煉は、颯太が組み立てた装置を見ていた。応接間、寝室ではなく、もう一つの部屋。煉の中では談話室となっている場所には、ヘルメットのようなヘッドギアとそれに連なる配線、それが二セット丁寧に並んでおり、その横で颯太が寝息を立てている。


毛布をかけ直し、リビングに移動しながらタバコに火をつけ、コーヒーを口に含む煉。

しばらくボーッとテレビを見てからトーストを焼き、颯太を起こして、朝昼飯を食べ、シャワーを順々に浴びると、開始時間近くになっていた。

「楽しもうな!あっちでは俺が社長やからな!」

颯太のその言葉に笑いながらヘッドギアを被り、側面についているボタンを押すと煉の目の前は真っ暗となった。

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