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異世界帰還者イッチちゃんねる〜異世界も魔法もあるんだよ!〜  作者: mitsuzo
第一章

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31/33

031「異世界帰還者イッチちゃんねる〜第4回配信(同時配信)〜(5)」



 火属性初級魔法ファイアーボールを手のひらに出したところ、配信視聴者だけでなく、スタジオ3人も言葉を失っている様子。


 さてどうしたものかと思っていたところ、真希名さんから「火気厳禁!」とカンペで注意された。


「あ、すみません、ここスタジオでした! 室内で火を使うなと今、社長の真希名さんから怒られちゃいました。とほほ」


 ということで、俺はすぐにファイアーボールを消して室内でも問題ない水属性初級魔法『ウォーターボール』を出す。


「ふぅ〜これで大丈夫ですね。いや〜皆さんも俺が室内で火属性魔法使ったから驚いたでしょ?」

「「「そういうことじゃないっ!!!!」」」


——————————————————

<アンダーテイル公式ch>


:そういうことじゃねぇ!!!!

——————————————————

<異世界帰還者イッチちゃんねる>


:違うそうじゃないっ!!!!

——————————————————


 全方位からツッコまれた。それどころか、


「いやイッチ君、あんたおかしいよっ?! イッチ君は私たちが火気厳禁の室内で火の魔法を使ったイッチ君に驚いたと思っているみたいだけど違うからね? あ、いや確かに魔法には驚いたけども! でもそれは魔法自体を使ったイッチ君に驚いているだけで室内で火の魔法を使ったイッチ君の行動に非常識だと非難しているわけではなく、あ、でも室内で火を出すなんてそれはそれで問題行動とは思うけど⋯⋯って、ああああああああ、何言ってるの私ぃぃ!! ちゃんとイッチ君に通じてるぅぅ〜?!!!!!」


 ウズメちゃんにだいぶキレられながら注意された。あと後半なんか混乱していた。大丈夫かな?


——————————————————

<異世界帰還者イッチちゃんねる>


:うお!? 水のかたまりが浮いてる!

:お、おおお、おおおおおおっ!!!!!!!

:おい見ろよイッチの顔。イッチの奴きっと「水魔法だからこれでおk」とでも思ってるんだぜ?

:思ってそうw

:いや単純に凄いことなんだが?

:イッチがやってることちゃんと地球の物理法則に反してるんだが?

:しかしイッチがそれを当たり前の感覚でやっているから目の前の現象とイッチのリアクションの温度差で俺たちもちょっと常識おかしくなりかけてるw

:手遅れ感がめっちゃ仕事してるぅぅ!

——————————————————


 俺のチャンネル視聴者の多くがウォーターボールを出してもファイアーボールを初めて出したときほどのリアクションはなかった⋯⋯いやなかったというより戸惑っている感じ?


「そうかぁ⋯⋯なんかみんな混乱してるみたいだね、ごめんね。でも俺こういうみんなの反応が見たくてチャンネル始めたんだよね」

「え? そうなの?」

「それってどういうことですか?」

「イッチ様、どゆことなの?」


 俺の言葉に3人が反応する。


「俺⋯⋯異世界に転生する前は人見知りの性格で臆病だったからさ、なるべく目立たず人と関わらないように生きてたんだ。ゲームでいう『モブキャラ』のごとくね」

「「「⋯⋯え?」」」

「え?」


 俺の突然のカミングアウトのような発言に3人と、配信の外にいる真希名さんが思わず驚きの声を漏らした。


——————————————————

<異世界帰還者イッチちゃんねる>


:え?

:モ、モブキャラ⋯⋯?

:え? 誰の話?

:え? え?

——————————————————

<アンダーテイル公式ch>


:え?

:は?

:イッチ、お前⋯⋯

——————————————————


 その戸惑いはスタジオだけでなく、ネットの向こうの視聴者らも一緒で俺の突然の告白に驚いたのかしばらくするとコメントが止まっていた。

 正直、俺もここでこんなことを話すつもりはなかったんだが、しかし「いま話そう」という感情が湧き出たので俺はそれに素直に従った。


「そんな生き方だったから当然自分の意見なんて言えるわけもなくてさ、その結果学生時代も社会人になっても良いように使われてた⋯⋯と思う。でも、それは嫌だったわけじゃなく、あ、嫌ではあったけど⋯⋯でもそのおかげで学生でいえば『教室』、社会人でいったら『職場』っていう《《箱》》の中で俺は『安全圏』を確保できていたんだよね⋯⋯」


 俺の紡いだ言葉にスタジオもネットも絶句しているようでいまだ反応が無い。「こんな話するのやっぱ不味かったかなぁ⋯⋯」と一瞬後悔したが、しかしせっかく気持ちがノってきたのでこのまま話すことにした。


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