表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/53

【鉱石採取は命がけ】

琴音が二体のシャドウを引き付ける。

その背後で、半透明のエルゼ『悠人』が魔法を

放ち続けていた。


だが既にかなりの力を消耗しているので、

避けるのに精一杯のエルゼ。


(闇だから『フォトンアーク』なら、

多少効果があるかと思ったけどだめか…)


「はぁ…はぁ…何かいい方法があれば」


(くそっ、このままだと琴音が…)


「エルゼちゃん一人で戦闘なんて無理よ」


ヘレナ達が遠くから見守る。


手当たり次第に魔法を放つ悠人だが…。


『ファイアエッジ』

『ウインドキャノン』

『アイスフィールド』

『シャドウランス』


(ん?)


(悠人? どうしたの…)


(いや…今魔物が怯んだような)


もう一度試す悠人。


(流石にSランク二体相手は、

余裕がない)


エルゼの援護をしながら、

何とか魔法を放っていく。


(やっぱりだ…)


(うん、私も見えた)


(こいつら…闇属性だから、

『シャドウランス』は効かないかと思ったけど)


(いや、厳密には効いているわけではないか)


そう、効果がある訳ではないが、

一時的に動きが遅くなるのだ。


(でもこれだけじゃ倒せない…)


(何か他にないか)


『存在転化』で背後から半透明のエルゼが、

『シャドウランス』を打ち続ける。


ダメージを与えているわけではないが、

動きが制限されるのでだいぶ楽になっていた。


(このままだと魔力もじきに空になる)


「私達に何かできること…」


「エルゼだからあそこまで戦えてるんだ、

わしらならあんな長時間戦えんよ」


イリアが辺りを見渡す。


「待って…何か…みんな奥を見て」


言われた方へ視線を向けるヘレナとアグニード。


「何も見えないが…」


「私も…」


「何かあるのか?」


「うん、何かあそこが光ってたわ」


「行ってみるか」


アグニード達は奥へ走る。


ヘレナが急に立ち止まる。


「私もエルゼちゃんの援護に行くわ」


ヘレナが心配そうにエルゼを見つめる。


「ぼくもいくー」


「大丈夫か?」


「でもこのままだと…」


「酷い言い方だが、

行っても足手まといになるだけだろう」


「エルゼも余裕があるわけでもない、

二人を守りながら戦えるとは思えん」


ヘレナも渋々、頷く。


その時、

一足先に奥へ行っていたイリアが叫ぶ。


「何かあったのか?」


イリアのいる所へ駆け寄るアグニード達。


「ここ、壁に何かあるわ」


「これは…」


「アグニードさん、知ってるの?」


「なんでこれがここに…」


「これは『竜瘴鉱』と言ってな」


「とある竜の骸が長い年月をかけて、

鉱石化したものだ」


「ふむ、これがあればもしかして…」


「使えるかもしれん」


「でもほとんど埋まってますね」


「道具もないし…」


「まかせて!」


リゼが拳で岩を砕いていく。


「すごい…」


『竜瘴鉱』を取り出したリゼ。


リゼが取り出した『竜瘴鉱』は、

黒紫色の光を淡く放っていた。


「どうやって使うの?」


「そこまではわからん…」


その時、『竜瘴鉱』の黒紫色の輝きが強くなり、

二体の『シャドウグレイン』が吸い込まれていく。


「これは、

近くの瘴気や闇の力を吸収するのか…」


「これ、どうします?」


一方エルゼ。


「えぇ、何が起こったの…」


(わからん、魔物がいきなり飛んでったな)


その場に座り込む…。


「危なかったわ…」


(でもよくあそこまで戦えたな)


(バルドルさんに貰った装備のおかげかな、

全然軽くて動きやすかったから)


(問題は、この見た目よね…)


(俺は絶対代わりたくないな…)


『竜瘴鉱』を持ち、

エルゼ一行はバルドルの元へ帰還する。


工房へ入るとバルドルが出迎える。


「おぉ、帰ってきたか!」


だがエルゼ達の様子に首を傾げる。


「何でそんなに汚れておるんじゃ?」


「お前達が苦戦する程の魔物なんか出るわけ…」


「Sランク出ましたけど?」

ヘレナが冷たく答える。


「あんなのいるなら言っといてほしかったよね」

イリアも機嫌が悪いようだ。


「なんと…」


「魔物がいるのは知っていたが、

そんなのいるとは思わなかったんじゃ」


「そもそも立ち入り禁止にしてたんじゃぞ?」


「つまり何の調査もしないで、

私達を行かせたわけですね?」

ヘレナが怖い笑顔で問いただす。


「…鉱石が欲しかったんだもん」

子供のような言い方になるバルドル。


「何発か殴っとく?」

とリゼが拳を握る。


「バルドルさん一人で行ってみます?」


「ごめんなさい…」

本日二回目のバルドルの土下座であった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ