【勇者との邂逅】
はっきり言ってかなり分が悪い
たぶん2人共Sランクかそれ以上は
ありそうな感じがする
しかもエルゼは両腕と片足を
斬られていた。
「何でかかってこない?」
不思議に思い聞いてみる。
「さぁ 何でだろうね?」
ダダダダダ 足の速い獣に乗って
何かが近づいてくる
1人ではなさそうだ。
「あれは?」
ローブの男達も気になるのか
そちらを見ている。
タッタッタッ
テラが意を決して
エルゼに近づき回復魔法をかける。
「プチヒール」
完全ではないが多少なりとも回復したエルゼ
腕の方なら動かせる程度になったようだ。
「ありがとうテラちゃん」
エルゼは強くテラを抱きしめる。
(琴音このままじゃヘレナも危ない
俺に代わるんだ)
「うん…」
「存在変化」
青い瞳が赤く変わる。
エルゼはスキル連魔陣を使い
ファイアエッジ✕10を詠唱した。
だが全部避けられる。
「そんな遅いの当たるわけないだろう?」
(かなり速いな)
悠人では攻撃を当てるのが難しそうだ
少しでも情報をと鑑定眼を使う。
(結構分かってしまった
鑑定不可能とかになるかと思ってた)
だが職業を見て唖然とする2人。
ローブの男
ヴァルガノン・ダクスブレイド ♂ 年齢16
Lv53 人間族 職業:召喚士
ローブの女
エルゼ・リリーコーラル〈リリー〉♀ 年齢15
Lv49 人間族 職業:勇者
召喚士と勇者両方共上級職な上に
勇者なんてかなり限定される
実際のマジックレスポンスでは1人しか
確認されていないのだ そしてLvも…
(あんなの勝てるか!)
(うん 強すぎるわよね)
それが2人 どうしようか悩んでいると
さっき見た謎の集団が到着した。
獣から降りる見覚えのある人物。
「みんな大丈夫?」
と声をかけてきたのは
ルナルロッカのギルドで
受け付けをしているお姉さん
ミラベル・デュードロップだった
他は冒険者の人とギルマスもいた
そのままヴァルガノンとリリーを取り囲む。
(いや 無理だろう? それにギルマスは
戦えないはず)
この2人のLvは50程度ある
とてもじゃないがギルドの冒険者では
相手にならない そう思うエルゼ。
だが凄まじい速度で斬りつける
ギルマス:アリアンネ
今は悠人状態なので視覚強化は使えない為
全く見えなかったエルゼ
使ってても見えたか分からないが
慌てて鑑定する。
アリアンネ・クロスウィンド ♀ 年齢32
Lv55 人間族 職業:剣聖
(Lvたっか?! それに剣聖って)
(えぇ でも戦えないとかって言ってなかった?)
「話はあとよ」
と言いながらヴァルガノンに斬りかかるが
魔法の壁みたいなので防がれる。
考え込むリリー 互いに距離を取る
アリアンネとヴァルガノン
「ヴァル帰りましょう 流石にこの人
相手だと分が悪いわ」
「勝てなくもないけど
今そこまでする必要はないでしょう」
転送陣を作るヴァルガノン
エルゼを見つめるリリー去り際に、
「また会いましょう それまで死なないでね」
と言い残し3人は消えていった。
(琴音を殺そうとしたのに何言ってんだろ?)
エルゼはヘレナの方を見ると
ギルドの冒険者が治療してくれていた
エルゼはアリアンネに近づき話を聞く。
アリアンネは若くして剣聖になったらしい
元はラ・ジールの騎士団長だったのだが
王国の酷さにルナルで冒険者に
なる事にしたそうだ
そんな時に魔物との戦闘で
特殊な呪いをかけられたそうだ
なので普段は戦えないはずだった
のだが少し前に呪いが弱体化したのだと
今は少しなら戦えるようにはなっているそうだ。
「何で助けてくれたんだ?」
ルナルロッカのギルドは王国に
逆らえない様なので
ヘレナを脱獄させたエルゼ達を
助けてくれるとは思えなかった。
酷い言い方だがヘレナを見捨てたのだ
そもそも何でここに来たのか?
疑問ばかりが膨らんでいた。
「あなたはエルゼちゃんよね?
何か話し方が変わったような」
今は中身が悠人なので
言われて はっとする。
「アハハ えぇっと」
適当にごまかせる
色々教えてもらえた
ヘレナを救出した後のエルゼ達の行動は
ラ・ジール王国にはやはり
ばれていたようだった。
ギルドの方にも情報は入っていたそうで
たぶんどこかで見られたのか
ここに来るのは分かっていたみたいだ
ただ……。
「ラ・ジール王国は今酷い状態にある
国王は死にもう国とはよべないかもしれない」
元々大きな国ではなかったそうだが
ギルドが報告を受けて向かった時には
ほぼ壊滅していたそうだ
生き残りもいたそうだが少なくて
そこまで壊滅した理由はわからないそうだ
あまり詳細な情報は得られなかった
だが魔物や人の死体がなかったので
魔物とかではないようだった
今は全てルナルロッカで保護されているので
ラ・ジール王国には誰もいないと。
「なのでギルドとしては もう王国を
気にする必要はなくなったのよ」
「ごめんなさい ヘレナの事も」
ギルド… ミラベル的にも
ヘレナは知らない仲ではないので
一応はなんとかしようとしてくれていたそうだ。
大体の事を聞いて一行はルナルに戻る。
(まあ まだ聞いてないこともあるんだけどな)
ギルドに戻ったエルゼ達は宿屋で
休息を取ることにした
と言うか休めと言われたのだ。
浴場で3人でお風呂に入る。
(はぁ 久しぶりのお風呂…)
テラもいるが子供なので2人は気にしない
久方ぶりのお風呂を堪能する
その後ベッドでも同じような事を言いならが
休む3人。
次の日 朝食を取りエルゼとヘレナは
朝からギルドに向かった
テラは宿屋でお留守番。
ギルドに着くと受付へ向かう
ミラベルに冒険者になる事を勧められ
冒険者になる事を決めたエルゼ。
「受付やってみたいです」
と琴音がいっていたが
エルゼの強さを知っていたヘレナに
諭されて冒険者になる事にしたようだ。
(俺は冒険者やりたかったからいいんだけど)
女の子と男の子でやはり
そこは意見が分かれる
琴音はちょっと納得してなかった。
ヘレナもラ・ジール王国が壊滅したので
もう捕まえられる事もない
冒険者に復帰するようだ。
「エルゼちゃん よかったら私と
パーティくんでもらえないかな?」
ヘレナにそう言われ
喜んでパーティ登録をした
ちなみにFランクからだ
ヘレナは元々Fランクの冒険者なので
一緒のランクだな。
エルゼは今までの素材をギルドに
買取ってもらい装備を一新する
ついでに道具も色々買いこんだ。
ギルドに戻るとテラの姿が。
「む〜」
宿屋に留守番させられてちょっと
不機嫌なテラだったが。
よしよし… とテラを撫でるエルゼたが
簡単に機嫌を直してくれたようだ。
「テラも冒険者登録ってできるのかしら?」
エルゼが突然そんな事をいいだすと
ミラベルに聞いてみる2人。
「年齢制限はないからなれなくもないけど
危険だからといわれるが」
テラもエルゼ達と離れるのはいやな様なので
冒険者登録をしてパーティ登録をする。
(ここって試練とかないんだな)
と言われミラベルに聞くと
なるのには試練はないのだが
死んでもギルドは関与せず
一応入るときに忠告はするそうだが
後は個人の判断にまかせるとか。
(死人でまくるんじゃないのか)
幸いルナルロッカの周りには
そこまで高ランクの魔物は
いないようだが最近はちょっと
異常な感じらしい。
Fランクなのでそこまで難しい
依頼はないようだ
魔の森での低ランク魔物の討伐依頼を受けて
出発するエルゼ達。
「気をつけてね」
ギルドを出て魔の森へ向かう3人。




