【地下牢からの脱出】
(新しいスキルのおかげで俺もやっと
自由にでられるな)
「それはどっちでもいいけど 戦闘で戦い方の
バリエーションが増えるのはうれしいわね」
スキルが増え2人が任意に交代できるよう
になった為戦術の幅が広がった
これにより2人の自信も上がっていた。
男がいた部屋を調べてみたが
特に何も発見できなかったようだ。
(あとは檻の中の人だけど)
「あのー 大丈夫ですかー?」
声をかけるが反応はない
とりあえず先に進むことにする。
道なりに部屋の奥の通路を進むと
牢屋が並んでる部屋にたどり着く。
その中にヘレナを見つけると
足早に駆け寄るエルゼ。
「エルゼちゃん?」
「良かった 無事だったのね」
「なんでここにいるの」
事情を説明する ギルドに内緒できた事
途中で出会ったテラの事 変な部屋で
戦闘した男の事等。
「そうなんだ」
初めはエルゼに会えて喜んでたヘレナだが
元気がない。
「何かあったの?」
話しかけても視線をそらすヘレナ
不思議に思うエルゼ。
「ごめんなさい」
そのままうつむいてしまった。
(なんで何も言ってくれないの ヘレナちゃん)
ガタガタ 上の階かなにやら騒がしい
エルゼの侵入に気づかれたのかもしれない
慌ててヘレナを牢屋から助け出す。
ヘレナはずっと泣いている
エルゼがそっと抱きしめる。
「もういいから脱出しましょう」
「うん」
上には行けないのでエルゼは
ここへ来た方へ戻っていく。
「どこか出口があればいいんだけど」
(あ さっき流された所から
外に通じてるかもしれない)
走って戻るエルゼ達の前に
ラ・ジールの騎士達が立ちはだかる。
「…」
何も話さない 様子がおかしいことに
みんな黙り込み様子をうかがう。
バキゴキ 騎士の体が変異する
少し大きくなり角も生えている。
全部で14名程いる騎士が一斉に
襲いかかってくる。
(ここは近接より魔法だ 琴音、代わってくれ)
悠人に変わるエルゼ。
鑑定眼で敵を調べる
オーガゾンビ
Lv12 Dランク 死人系
アルクウィルス感染体
(なんか出た 何かのウィルスに感染して
ゾンビ化してるのかな)
そのままスキルを発動する
魔力強化 魔力凝縮
続けざまに魔法を詠唱する。
「アイスフィールド」
全てのオーガゾンビの足が凍りつく。
スキル 連魔陣を使い
最大威力の魔法を放つ。
「ファイアエッジ✕10」
十本の炎刃が通路を埋め尽くし
オーガゾンビ達をまとめて焼き裂いた
数が多ければ魔法の方が
早く片付けれるのだ 相性もあるが…。
そのまま流れに飛び込む
しばらく流れに身を任せる。
「明るくなってきたな 外が近いみたいだ」
徐々に明るくなっていき
程なくして外に出た。
陽刻が近いせいか外は
暗くなってきている
ずっと暗い場所にいたので
それでも明るく感じた。
流れは川に続いていて
そのまま しばらく 流されたとこで川から上がる
ずぶ濡れだったので近くで
焚き火を焚いて野宿する。
「服が気持ち悪い 脱いで乾かすか」
(悠人 私に代わって!)
(うん?)
(エルゼは女の子なんだけど?)
(はい…)
思うことはあるが
疲れてたのでどうでもよくなって
琴音に代わる。
「ねぇねぇ お腹すいた」
とテラ あまりの可愛さに微笑む
まだそんなに暗くはないので
今なら何か狩れるかもしれない。
「ちょっと みてくるね」
「エルゼちゃん?! 服着ないでいくのは」
「近くで探すだけだから大丈夫!」
今は濡れた服を乾かす為
服は着ていないが
近くにある大きめの
植物の葉を体に巻いているので平気だった。
剣だけ持って少し森の中に入っていく
テラとヘレナは焚き火の近くで
お留守番だ。
食料になるものがないが
森の中を探せて歩くエルゼ。
ガサガサッ! 近くの背丈程ある茂みが音を揺れ
何かが飛び出してきた。
青白い神秘的な感じの可愛らしい生き物だ
流石にこれは可哀想とそのまま見ていると
素早く走り去っていった。
「うーん なかなかないわね」
と奥へ進むと木の上に果物がなっているのを
発見した。
「あれなら 食べられるかしら」
あまり高くはないので
短距離転移で上へ飛ぶ。
「これは便利ね 果物を取り下に戻る
いい匂い…」
果物を採り終えると走って戻るエルゼ
だいぶあたりは暗くなっていた
途中 ズシン… ズシン…と地響きが聞こえ
目の前に魔物が現れる。
辺りはだいぶ暗くなっている
魔物の姿がはっきりと分からない。
(琴音 俺に変われ)
(大丈夫よ)
と言いながらスキルを発動する
視覚強化を使くと
問題なく見えるようになった。
「これで戦えるわ」
暗闇の中で戦闘か始まる
魔物はCランクのジャイアントオークだ
結構強くなったので
そこまで脅威にも感じないが
振るわれた棍棒が木を砕き
破片が周囲に飛び散る
中々攻撃力は高そうだ。
戦ってるのが琴音なので
速さでかき回して何回も斬りつける。
「はぁ はぁ なかなか倒れないわね」
今はスキルも腕力強化と脚力強化しか
使っていなかった為多少時間がかかった。
ドサッ! 魔物が倒れ込む
既に辺りは真っ暗になっている。
(これ食べれるのかな?)
「食べないわよ?」
素材を回収だけして戻る
視覚強化がなければ戻れなかっただろう
完全に日はおちているが
それなりには見えていた。
焚き火に戻ってきたエルゼち抱きつくテラ
頭をやさしく撫でるエルゼ。
「良かった なかなか戻ってこないから
心配してたのよ?」
「結構奥まで行ったから」
心配させないように魔物の事は黙っておく。
「何これあま~い」
喜んで食べるテラ 見た目はりんごを
細長くした感じの果物だが
とても柔らかくて酸味もない。
お腹を満たし焚き火を見ていると
炎を見つめる目がトロンとしてきて
徐々に焦点がぼやけてくる。
気がつくと日が明け朝になっていた
ヘレナとテラはまだ寝ている。
(……)
(悠人、どうかしたの?)
(いや 正直ヘレナを助け出す時に
上が騒がしかったから
ここで野宿するのも危険かなって
思ってたんだけど
追手が来る感じもないな)
(うーん 私達じゃなかったとか?)
(他に誰か脱獄した? そんな都合のいいことあるのかな)
(考えても仕方ないでしょ とにかく今はルナル ロッカ戻りましょ?)
(そうだな)
気になるのだが琴音に言われて
保留にすることにした。
「ルナル ロッカに戻りたいけど ここがどこだかわからないわね」
「川を少し流されてきたから
多分 ラ・ジールの南の方だと思うけど」
「方向がわからないから どっちに進んでいいか
わからないわよね」
「ごめんなさい ルナルロッカ周辺なら分かったかもしれないけどこっちはあまり来ないので
私にも正確な位置がわからないわ」
(ここが異世界じゃなければ太陽の昇る方向から方角が分かったかもしれないけど)
「ヘレナちゃん 太陽ってどっちの方向から昇るのか知ってる」
「あ 確か東から昇ったはずよ」
(向こうと変わらないようだな それならルナル ロッカはあっちの方だな)
川の東側に上がったため
そのまま 北東方向に歩き続ける3人。
所々 魔物が出たが難なく倒し日が落ちれば
野宿をしルナルロッカを目指す。
3日ほど歩いたところでポツンと一軒
家が建っていた。
「ルナルロッカまではもう少しあるし
もうじき日が暮れそうだから
今日はこの家で休ませてもらいましょう」
「そうね」
テラを見て歩き疲れたのか
下を向いていた。
頭を撫でるエルゼ。
トントン 扉をノックするヘレナ
反応がない 誰もいないのだろうか。
鍵はかかってないようなので扉を開けて
中に入っていくヘレナ。
「すみません どなたかいらっしゃいませんか?」
家の中は不気味なほど静かだった
人の気配も生活感もないように感じられた。
すると突然 ズバッと斬られる。
エルゼが近寄り
斬りつけた人影を見ると。
そこには見覚えのある姿が。
「あなたはソレイユちゃん?!」




