中央の森2
静かに大木の幹まで辿り着くと窪みに入って腰を下ろした。
シュガーは大きな耳をあちこちに向けて周辺を観察してから対面に座った。
「ちょっと休憩。運が良かったな、〈ワイバーン〉に見つかってたら今頃巣で八つ裂きにされてたぞ。」
「〈ワイバーン〉って事は飛龍なのか?」
「そうだ。でも飛ぶヤツの中ではちっちゃい方だな。トカゲに羽根が生えたくらいだ。何でも食べるし素早い。執念深いからしつこく追ってくるし、群れで行動する事が多いんだ。」
「ちょっとまて!飛ぶヤツの中ではって事は他にもあんなのが居るのか?」
「オイラ東の森には行った事が無いんだ。そこ以外でなら〈天龍〉ってでっけー蛇がいるぞ。まぁアイツはグランドツリーから離れないから大丈夫だ。」
「現在地は中央の森?でいいんだよな?」
「そうだ。詳しくは西の森よりの中央の森だな。コウジと出会ったのが西の森で、これから向かうのが南の森にあるファーム!オイラ達の住処なんだ!」
嬉しそうに飛び上がるシュガーを慌てて諌めて外を確認するが、生き物の気配は感じなかった。
「悪い悪い、オイラ馬鹿だからワイバーンの事すっかり忘れてたよ。そろそろ移動した方がいいかもな。」
辺りを確認しながら慎重に移動していくと周りの木々がザワザワと揺れる音が聞こえ身をかがめるが、ワイバーンの気配は感じない。
「コウジ何してるんだ?ちょっくら上に登ってこいよー。」
見るといつの間に登ったのかシュガーが幹をつたって大木を登っている。
「ワイバーンに見つかったらどうするんだよ!」
「大丈夫だ~。」
手をヒラヒラと降って安全をアピールしている。
そういえばまだ木の上には登った事はなかった。上から見回せばここが何処か分かるかもしれない。
幹の凹凸や小枝を掴んで上へ上へと登って行くと時折スーッと空気が通り抜けていく感覚を覚えた。
そうかさっきの物音は風が通り抜けた音だったんだな。
通りで皮膚がベタつかないはずだ。
「もう少しだ。ほら掴まれ。」
「あぁ、助かる。」




