中央の森
「うぅ!」
「またかぁ?もういい加減慣れろよなぁ。」
こみ上げる吐き気を抑えられずしゃがみ込む俺の背をさすって呆れ顔のシュガー。
「まだつかないのか?」
「まだだな。枝をつたうと遠回りになるんだ。嫌なら地面に降りるか?」
言われて下を見下ろすと地面は散々な状態になっていた。大地は赤く汚れ、至る所に食べ残しであろう残骸が転がっている。底から立ち上る強烈な臭いにもうとっくに空っぽの胃が湧き上がる。
「遠慮しとくよ。」
「生きたいなら歩け~。」
ピクニックでもするかのような軽やかな足取りのシュガーの後を俺は必死でついていくしかなかった。
このまま不思議の国にでも連れて行かれるんじゃないだろうな?
「そろそろ中央の森に入る。体を屈めて静かに歩けよ!」
急に張り詰めた様子になったシュガーに無言で頷いて言われた通りに進むと、周りの植物が違ってきているのが分かった。先ほどよりも木が大きく、枝振りは少なくなったが太く立派で立派な蔓やコケが巻きついている。
空気も少し湿度が高いようだ。
「おい!キョロキョロしてないでしっかり着いて来いよ!オイラから離れるな!」
小声で話す様子から警戒していることが分かる。
一体何があるんだ?
「ゴメン分かった。」
急いで進もうとしたその時、
キーーー!!
甲高い音が響きわたる。
「伏せろ!静かに動くな!」
シュガーに頭を押さえつけられ体を強ばらすとスッと下を何かが通り過ぎた。
それは一瞬だったが、滑らかな肌に大きな翼の生き物だった。
「ワイバーンだ!他のもいるかもしれない、あの幹まで急げ!」
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不知火美月




