命の時間5
「そうか。長話になりそうだな…お茶でも出したい所だが、生憎これしかないんだ。」
彼等に桃林を一個ずつ放ると予想外な反応を見せた。
「何だこりゃ?林檎か?よくこんなもん見つけたな。」
「私も見るのは初めてです。」
「え?そうなのか?桃林って言ってトトの大好物なんだ。味は保証する。」
「甘ぇー!甘いなんて感覚忘れてたぜ!!人参なんかよりよっぽど美味いじゃねーか!」
「確かに甘いですが、失礼ですね!人参こそ最高の食べ物です!散々奪っておいてよく言えますね!!」
「喜んで貰えたのなら幸いだが。話を戻そうか。」
「あー、そうだったな。」
「〈エスケイプ〉通称Sな。鳥籠脱出を目的としたグループで、まぁグループつっても正式なメンバーやなんやがある訳ではない。拠点は無いし、ルールはリーダーの命令には従えってくらいだ。リーダーはAって呼ばれてる。まぁ会った事がある奴なんて聞いたことねーし、本当に居るのかさえ怪しいもんだな。だが、メンバーになればもれなく食料と水が定期的に貰える。殆どの奴がそれ目当てって感じだが、中にはおっかない奴もウヨウヨいるらしいぜ。」
「だが命令はされたんだろ?」
「あぁ。命令はさっき聞いた。井戸にいるウサギを止めろとさ。」
「ファームを襲ったのはエスケイプなのか?何故だ?大事な植民地だろ?」
「やったのは奴らで間違いねぇ。俺が思うに要らなくなった。いやぁ、必要だからかねぇ。」
「勿体ぶるな。」
「タイムだ!分かるか?タイム!」
「時間?それがどうした。」
「知らないのか。お前もまだまだ死に足りないな!」
「さっさと教えろ!」
「そうだ!時間は有意義に使え!!ま、コイツの礼に教えてやるよ。」
「出口はグランドツリーのテッペンにある。Aがそう言ったそうだぜ?後は自分で考えな!生きたいなら死ぬことだ。」




